(本記事は、伊庭 正康氏の著書『やり抜く人になるための戦略書』=アスコム、2023年5月16日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)
自分の限界を突破できる2つの質問
「もうダメだ」と思ったときでも肉体的な限界を迎えていないケースがほとんど、という事実をご存じでしょうか。
脳がエネルギーの消費量が多い前頭前皮質の活動にブレーキをかけている、つまり自分の意志によってストップをかけている状態であることが多いのだそうです。
私が営業職だったころは「もうダメ」と思ったとき、少しだけ自分に負荷をかけることを習慣づけていました。
「あと5件電話してみよう」という感じです。すると気がつくと追加の5件を苦もなくかけられるようになり、「ダメ」という気持ちも払拭できました。
自分の限界をどう捉えるか。あきらめるか、少しでもチャレンジを続けるかで到達点がかなり変わるのです。
つらい気持ちをはねのけて挑戦できれば自身のキャパシティが広がり、あきらめずに続けられる力が育っていきます。
2つの質問で自分を奮い立たせる
限界を感じたときに行ってほしいのが次の2つの質問です。
Q1 このチャレンジを成し遂げたらどんないいことがある?
ビジネスシーンでしたら、社内で評価が上がる、クライアントから褒められる、満足感が得られる、インセンティブ報酬が入る、スキルアップにつながる……などが考えられますね。
さらにいえば、この「いいこと」は、人には言えないような気恥ずかしい妄想であってもいいんです。ライバル社から高額の報酬でヘッドハンティングされる、時代を代表するビジネスリーダーとしてテレビ出演、番組で共演したタレントと結婚、執筆した本が次々にヒット、ついには映画化などなど……どんどん自分をワクワクさせてください。それが、何よりも大きな原動力となります。
Q2 このチャレンジが成功したら誰か喜ぶ人がいる?
今後の受注につながり部署内に活気が生まれる、エンドユーザーに喜ばれる、同僚、友人、家族が喜んでくれる……などが考えられますね。
この2つの質問を投げかけると、今自分が行っていることは自分の利益にも他者の利益にもなることが再確認できます。
自分の利益だけではやる気が出ないという方でも、他者の利益になると気づけば挑戦しようという気持ちが湧いてくるのではないでしょうか。
逆に「自分が辞めてしまったら、関わる多くの人が困ってしまう」という恐れる気持ちを活力とするのも一手です。
目標をあきらめそうなときは、この2つの質問で続ける力を充填していきましょう。
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