本当にもう限界? ダメだと思った時に自分を奮い立たせる2つの自問
(画像=maru54/stock.adobe.com)

(本記事は、伊庭 正康氏の著書『やり抜く人になるための戦略書』=アスコム、2023年5月16日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

自分の限界を突破できる2つの質問

「もうダメだ」と思ったときでも肉体的な限界を迎えていないケースがほとんど、という事実をご存じでしょうか。

脳がエネルギーの消費量が多い前頭前皮質の活動にブレーキをかけている、つまり自分の意志によってストップをかけている状態であることが多いのだそうです。

私が営業職だったころは「もうダメ」と思ったとき、少しだけ自分に負荷をかけることを習慣づけていました。

「あと5件電話してみよう」という感じです。すると気がつくと追加の5件を苦もなくかけられるようになり、「ダメ」という気持ちも払拭できました。

自分の限界をどう捉えるか。あきらめるか、少しでもチャレンジを続けるかで到達点がかなり変わるのです。

つらい気持ちをはねのけて挑戦できれば自身のキャパシティが広がり、あきらめずに続けられる力が育っていきます。

2つの質問で自分を奮い立たせる

限界を感じたときに行ってほしいのが次の2つの質問です。

Q1 このチャレンジを成し遂げたらどんないいことがある?

ビジネスシーンでしたら、社内で評価が上がる、クライアントから褒められる、満足感が得られる、インセンティブ報酬が入る、スキルアップにつながる……などが考えられますね。

さらにいえば、この「いいこと」は、人には言えないような気恥ずかしい妄想であってもいいんです。ライバル社から高額の報酬でヘッドハンティングされる、時代を代表するビジネスリーダーとしてテレビ出演、番組で共演したタレントと結婚、執筆した本が次々にヒット、ついには映画化などなど……どんどん自分をワクワクさせてください。それが、何よりも大きな原動力となります。

Q2 このチャレンジが成功したら誰か喜ぶ人がいる?

今後の受注につながり部署内に活気が生まれる、エンドユーザーに喜ばれる、同僚、友人、家族が喜んでくれる……などが考えられますね。

この2つの質問を投げかけると、今自分が行っていることは自分の利益にも他者の利益にもなることが再確認できます。

自分の利益だけではやる気が出ないという方でも、他者の利益になると気づけば挑戦しようという気持ちが湧いてくるのではないでしょうか。

逆に「自分が辞めてしまったら、関わる多くの人が困ってしまう」という恐れる気持ちを活力とするのも一手です。

目標をあきらめそうなときは、この2つの質問で続ける力を充填していきましょう。

やり抜く人になるための戦略書
伊庭 正康(いば・まさやす)
株式会社らしさラボ 代表取締役 1991年リクルートグループ入社。営業に配属されるも極度の人見知りでお客さんのところに行くにも一苦労。どうすれば営業活動を「続ける」ことができるか研究を重ね心理学に基づいた独自メソッドを開発。その結果、全国トップの成績を4回獲得。残業をしない仕事の方針にもかかわらず、営業とマネージャーの両部門で累計40回以上の表彰を受賞。その後、部長、社内ベンチャーの代表を歴任。2011年、株式会社らしさラボ設立。リーダー、営業力、時間管理等、年間200回以上の研修に登壇。リピート率は9割以上。現在は、オンラインを活用した研修も好評。近著に16万部を超える『できるリーダーは、「これ」しかやらない メンバーが自ら動き出す「任せ方」のコツ』(PHP研究所)『できる営業は、「これ」しかやらない 短時間で成果を出す「トップセールス」の習慣』(PHP研究所)ほか、多数の書籍がある。

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