(本記事は、伊庭 正康氏の著書『やり抜く人になるための戦略書』=アスコム、2023年5月16日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)
モチベーションを持続させる「TKKの法則」
前の章でもお話ししたように、気合や根性に頼る必要はありません。
では、具体的にはどうすればよいのでしょうか。そのための必勝法があります。
名づけて「TKKの法則」です。私が心理学や経営学など国内外のさまざまな知見を研究していくなかで発見した法則です。
T たのしくする
K かんたんにする
K こうかを確認する
TKKができれば、「あきらめずにやり続ける」をラクに習慣化できます。
あきらめてしまう人の4つのタイプ
具体論に入る前に、あなたの「タイプ」について確認しておきましょう。「あきらめずにやり続けられない人」とひと言でまとめられがちですが、どんなやめ方をするか、いつやめるかという視点で整理すると4タイプに分類できます。上のチェックリストで確認してみてください。また、下のグラフは、マーケティングで、製品が市場に導入されてから衰退するまでを表す「製品のライフサイクル理論」を、「習慣化のプロセス」に応用したものです。Y軸が習慣化の深度、X軸は時間となります(製品のライフサイクルは、Y軸が売上高)。
そもそも習慣化が続かない「三日坊主型」はグラフの「開始期」で離脱してしまうタイプです。アクセルを踏むけどエンジンがかからない感じの人です。
だんだんやらなくなる「へこたれ型」は、「成長期」で離脱してしまうタイプです。
本当に続ける意味があるのかな、なんて懐疑的な人が多く見られます。
スランプに陥ってやめてしまう「スランプ型」は「プラトー期」で離脱するタイプです。一本調子にやり続けて頭打ちという方をよく見かけます。
続けても飽きてしまう「うんざり型」は、「成熟期」での離脱がよく見られます。わかった気になってそこで満足する「井の中の蛙」の方が多いです。
タイプによって、離脱する時期は異なります。
ということは、自分はどのタイプか理解し、その時期をうまく乗りこえられるような工夫をすればいいわけです。
工夫するときに使ってほしいのが、「TKKの法則」です。
自分が続かないと感じる時期に、
「楽しく」「簡単に」「効果を確認する」工夫を入れ込んでいきましょう。
「しつこくやり続ける人」へ変わることができます。
あなたが、「三日坊主型」や「へこたれ型」という場合は、まず第3章、第4章でどういう行動、マインドを持つべきかを理解してください。「へこたれ型」は、「効果を確認する」の見直しが重要となってきます。
「スランプ型」は、やり方を変えないままに続けたり、何でも自分ひとりで抱え込んでしまうときに陥りがちです。「楽しく」の見直しが重要となります。また、第4章でスランプや挫折を防ぐための打開策を紹介していますので、そちらもご覧ください。なかなか成果が出ず、もうひと踏ん張りができないという「うんざり型」は、第5章をご覧ください。
TKKの法則の具体的な進め方は次の項目から解説しますが、一つだけ肝に銘じてほしいのは、「やり続けること」が大事ということを、しっかり自覚することです。
悪いクセを直すには、まず自覚をすることからです。自覚することで、行動を変えるスタートラインに立てるのです。
まず「やり続けること」の重要性を自覚する。
それだけで、実行力が上がります。
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