最高の睡眠を 理想的な寝具選び、寝室づくりのポイント
(画像=Pormezz/stock.adobe.com)

(本記事は、白濱 龍太郎氏の著書『ぐっすり眠る習慣』=アスコム、2023年2月1日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

寝具で睡眠の質は格段にアップする!

自分の身体に合わない寝具を使い続けていたり、寝室がぐっすり眠るのを妨げるような環境になっていたりすると、いつまで経っても睡眠の質が高まりません。

最適な寝具や寝室ではないと実感している方は、ぜひすみやかに理想的な寝具選び・寝室づくりに着手しましょう。

理想的な枕選びのポイント

  • 枕に頭をのせたとき、首の骨から肩にかけてS字型のカーブを自然に維持できる形状のものがベター(寝ているときも、立っているときと同じ姿勢になることが理想的)
  • 枕の素材(そばがら、羽根、ビーズ、低反発ウレタンフォームなど)は好みを優先して構わないが、頭が沈み込んでしまうようなやわらかいものよりも、ある程度弾力のあるものがおすすめ
  • 寝返りを打ったときに頭が落ちないように、横幅は頭3つ分くらいあるものを
  • 判断に迷ったときは寝具の専門店へ。オーダーメイドで枕をつくることも可能

理想的なベッドマットや() きぶとん選びのポイント

  • 就寝時の理想的な姿勢は、自然に美しく立っているときと同じような姿勢。背骨の曲がり幅が2~3センチ程度に保てるものを選ぶ
  • 柔らかすぎず、硬すぎないベッドマットや敷きぶとんの見分け方

〈適度な硬さの場合〉
寝てみると全身の力がスーッと抜ける感覚がある。
背中から腰にかけてピッタリとフィットし、腰に違和感がないことが理想

〈柔らかすぎる場合〉
寝たときに、包み込まれるような感じがする場合は柔らかすぎ。
背骨が曲がりすぎて腰痛の原因になることもある

〈硬すぎる場合〉
身体がスッと伸びて姿勢がよくなるような感じがする場合は硬すぎ。
寝心地が悪くなる

理想的な寝室づくりのポイント

  • 東側に窓がある部屋を寝室にするのがよい
  • 理想は、「睡眠のためだけの部屋」とすること。テレビやパソコンなどは置かない
  • 通気性を確保するため、ベッドは壁にくっつけすぎない。とくに冬は、窓際が寒く 結露(けつろ) で湿気がたまりやすいので、窓から10センチ程度は離す
  • ルームライトは、蛍光灯よりも暖色系の柔らかな光を選ぶ。シティホテルをイメージしたフットライトなどでもよい
  • カーテンは遮光カーテンがおすすめ。ただし、起床したとき目に光が入ることで脳が活動しはじめるので、レースのカーテンでもOK
  • 音環境は、一般的に 閑静(かんせい) な住宅街程度の静けさに相当する40デシベル以下が最適。外の音がうるさいときは、遮光カーテンなど厚めのカーテンとレースカーテンの二重掛けをすれば、遮音効果あり
  • 室温は、夏なら25度前後、冬は18度前後で暑すぎず寒すぎない程度。部屋全体ではなく、電気毛布や湯たんぽでふとんの中を温めてもよい。湿度は50~60%が最適とされているので、乾燥していると感じたら加湿器で調整する
  • ふとんは(じか) () くと床がゴツゴツして寝心地が悪くなるので、マットレスなどでクッション性を高めるのがよい
ぐっすり眠る習慣
白濱 龍太郎(しらはま・りゅうたろう)
睡眠専門医
筑波大学卒業、東京医科歯科大学大学院統合呼吸器学修了(医学博士)。公立総合病院睡眠センター長などを経て、2013年に「RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック」を設立。これまで2万人の睡眠に悩む人を救ってきた。自身がオンオフを切り替えるのが苦手だったという過去から、いかに睡眠が日中の活動に影響するかを実感し「睡眠投資」という考えを発信。マイクロソフト、PHILIPSなど世界的企業での講演や、東京オリンピックでは選手村で選手をサポートするなど、ビジネスやスポーツ界からの信頼も厚い。慶應義塾大学特任准教授、国立大学法人福井大学客員准教授、武蔵野学院大学客員教授、日本オリンピック委員会(JOC)強化スタッフ、ハーバード大学公衆衛生大学院客員研究員などを兼歴任。『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』『いびきを自分で治す方法』(アスコム)など著作多数。「世界一受けたい授業」(日本テレビ)、「めざましテレビ」(フジテレビ)などメディアにも広く出演している。

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