2024年卒学生の大手企業志向は48.9%で2年連続で半数を割り、中堅・中小志向とほぼ同割合となっていることが、マイナビ(東京・千代田、土屋芳明社長)が実施した「マイナビ 2024年卒大学生就職意識調査」で明らかとなった。

2024年卒学生は大手企業志向と中堅・中小志向がほぼ同割合、企業選択のポイントは「安定している」が最多

2024年3月卒学生の大手企業志向は48.9%で、前年比0.4ポイント増となった。大手企業志向は21年卒調査で過去最高値(55.1%)となってから2年連続で減少していた。前年から微増に転じたものの、2年連続で半数を割った。「中堅・中小志向」は前年比0.7ポイント減の47.1%だった。

【企業志向】
絶対に大手企業がよい 8.0%
自分のやりたい仕事ができるのであれば大手企業がよい 40.9%
やりがいのある仕事であれば中堅・中小企業でもよい 40.0%
中堅・中小企業がよい 7.1%
その他(公務員、Uターン志望など) 3.6%
自分で会社をおこしたい 0.4%

企業を選択する場合にどのような企業がよいか(あてはまると思う項目を2つまで選択)を聞いたところ、「安定している」が48.8%(前年比4.9ポイント増)で5年連続で最多となった。

「自分のやりたい仕事(職種)ができる」が(30.5%/前年比2.3ポイント減)、「給料の良い」(21.4%/前年2.3ポイント増)が続き、この3項目が前年同様トップ3となった。「安定している」は3年連続、「給料の良い」は2年連続の増加となり、安定志向や待遇面への関心の高さが表れた結果となった。

行きたくない会社(あてはまる項目を2つ選択)を聞いたところ、「ノルマのきつそうな会社」が前年に続き最多で38.2%(対前年0.8ポイント増)となった。

2番目に回答が多かったのは「転勤の多い会社」で29.6%(対前年3.0ポイント増)。2008年卒から2023年卒まで「暗い雰囲気の会社」と「ノルマがきつそうな会社」が上位2項目を占めていたが、「転勤の多い会社」が「暗い雰囲気の会社」を抜き、入れ替わる結果となった。

【行きたくない会社 トップ5】
ノルマのきつそうな会社 38.2%
転勤の多い会社     29.6%
暗い雰囲気の会社    24.1%
休日・休暇がとれない(少ない)会社 21.7%
残業が多い会社     14.7%

現時点で最も志望度の高い業種を聞いたところ、最も人気が高いのは前年に引き続き「食品」だった。

最も増加割合が大きいのは「ホテル・旅行」で、前年比0.8ポイント増の2.9%となった。「鉄道・航空」も前年比0.7ポイント増となるなど、コロナ禍で影響を受けた観光関連、航空関連の志望率の上昇が目立った。

調査は、2022年12月1日~2023年3月26日、2024年3月卒業見込みの全国の大学3年生、大学院1年生(調査開始時点)を対象にWEB入力フォームで実施し、4万1197人の有効回答を得た。