矢野経済研究所
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2022年のスポーツ用品国内市場規模(国内出荷金額ベース)は前年比105.6%の1兆6,529億4,000万円の見込

~アウトドアレジャー系分野が牽引、競技系分野も回復基調に~

株式会社 矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のスポーツ用品市場を調査し、製品分野別の市場動向や参入企業の動向、将来展望を明らかにした。

スポーツ用品分野別国内出荷市場規模推移

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1.市場概況

2022年のスポーツ用品国内市場規模(国内出荷金額ベース)は前年比105.6%の1兆6,529億4,000万円の見込みである。国内における新型コロナウイルス感染症拡大以降苦戦を強いられてきたスポーツ用品市場であるが、2022年はコロナ禍前となる2019年の水準を超えるとみる。

この要因をスポーツ用品分野別で見ると、主にアウトドアレジャー系分野の好調さと競技系分野の回復に集約される。コロナ禍において規模拡大が続き、市場を牽引してきたのがアウトドア、ゴルフなどのアウトドアレジャー系分野である。「3密」を回避できるアクティビティとして人気が高まり、新規参加者や休眠層(過去に経験のあるユーザー層)が復活するなどしたことで好調に推移している。

サッカー・フットサルやバスケットボールなど競技系分野についても出荷規模が回復している。行動制限緩和に伴い、国民のスポーツ参加機会も増えた。また、2021年から続く主要メーカーの生産拠点となる東南アジアにおけるコロナ禍によるロックダウンの影響を受けた供給体制の乱れについても、夏場ごろより各社ともに回復が進み、正常化に向かった。特に年中盤以降の需要面や供給面におけるコロナ禍の影響が低下したことで、年間でみると出荷規模が回復傾向にある。

2.注目トピック

2022年、関西圏においてサッカー&フットサル専門店と大手スポーツ用品量販店が新規開業のショッピングモール内に共同出店した。店舗としてはスポーツ量販店の屋号ではあるものの、サッカー用品売場の商品構成や運営は全面的に専門店が担当している。

この共同事業では、専門店としては認知度の向上とファン獲得、量販店としては中上級者層の来店者増という双方の課題解決が期待される。相乗効果が見込めれば他企業においても追随する動きが出てくるものとみる。スポーツ小売店の新たな店舗運営の可能性という意味で今回の取り組みが注目される。

3.将来展望

2023年のスポーツ用品国内市場規模(国内出荷金額ベース)は、前年比104.9%の1兆7,347億3,000万円とプラス成長を予測する。

行動制限緩和による各々の競技環境のさらなる回復、インバウンド(訪日外国人客)需要の本格的な回復が押し上げ要因であると考える。
一方で、コロナ禍以降の市場を牽引してきたアウトドアレジャー系分野について、需要の落ち着きがみられることが懸念される。

調査要綱



1.調査期間: 2023年1月~3月
2.調査対象: スポーツ関連企業、メーカー、卸売業、輸入商社、小売業等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに郵送アンケート調査併用
<スポーツ用品市場とは>
本調査におけるスポーツ用品市場とは、ゴルフ、スキー・スノーボード、釣り、アスレチックウエア(トレーニングウエア、ライフスタイルウエア(カジュアルウエア)、フィットネスウエア、陸上競技・ランニングウエア)、アウトドア、スポーツシューズ(ランニングシューズ、ウォーキングシューズ、多目的シューズ(カジュアルスニーカーを含む)、キッズシューズ、トレーニングシューズ(フィットネスシューズを含む)、スポーツサンダル)、テニス、スイム、野球・ソフトボール、サイクルスポーツ、バドミントン、武道、卓球、サッカー・フットサル、バスケットボール、バレーボール、ラグビーの主要17分野の関連用品を対象とし、メーカー出荷金額(国内出荷金額)ベースで市場規模を算出した。
<市場に含まれる商品・サービス>
ゴルフ用品、スキー・スノーボード用品、釣用品、アスレチックウエア、アウトドア用品、スポーツシューズ、テニス用品、スイム用品、野球・ソフトボール用品、サイクルスポーツ用品、バドミントン用品、武道用品、卓球用品、サッカー・フットサル用品、バスケットボール用品、バレーボール用品、ラグビー用品

出典資料について

資料名2023年版 スポーツ産業白書
発刊日2023年03月29日
体裁A4 546ページ
価格(税込)170,500円 (本体価格 155,000円)

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