2022年12月末のパチンコホール店舗数は前年に比べ774店減少の7,365店舗
~今後も小規模法人や小型店を中心に減少の見込~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、パチンコ経営企業及びパチンコホールを調査し、2022年12月末時点のパチンコ経営企業数及びパチンコホールの店舗数を明らかにした。
パチンコ経営企業数の推移
パチンコ営業店舗数の推移
1.市場概況
2022年12月末のパチンコホール経営企業数は前年から294社減少の2,053社だった。資本や経営者などで関連する企業を集約した企業グループ数は1,618グループとなり、前年から208グループ減少した。
2022年12月末時点で全国で営業しているパチンコホールは7,365店舗となり、前年から774店舗の減少となり、2021年の639店舗減少から減少幅が拡大した。
2018年2月1日に改正遊技機規則が施行され、パチンコホールは2022年1月末を期限として設置する遊技機を全て改正規則に対応した遊技機(新規則機)へと入れ替えることが求められた。コロナ禍による業績不振が長期化する中で、この新規則機への入れ替えに伴う多大な遊技機購入費の負担はパチンコホールの経営を圧迫し、事業の継続を断念するパチンコホール、パチンコホール経営企業が多く現れた。また、経営するパチンコホールが多い中堅~大手企業においても不採算店舗を整理する動きが強まっており、パチンコホール数の減少に拍車をかけた。
2.注目トピック
2022年のパチンコホールの新規出店数は99店舗、うち1,000台以上の大型店は21店舗
パチンコホールの新規出店数は、2015年以前は毎年200店舗を超える新規出店があったが、2016年以降は遊技機に関する規制強化の流れを受け、新規出店による経営メリットが薄れたことから出店数が減少した。2022年は新規則機への移行が完了したことにより、大手パチンコホール経営企業を中心に出店意欲が回復し、2022年のパチンコホール新規出店数は前年から6店舗増となる99店舗となった。なお、遊技機台数1,000台以上の大型店の新規出店数も21店舗と、前年から10店舗増加した。
3.将来展望
パチスロ6.5号機や2022年11月から導入がはじまった「スマートパチスロ」など出玉性能が改善されたパチスロ機の登場によって、パチンコホール経営企業の収益は回復傾向にある。ただ、「スマートパチスロ」は導入費用が高額なため、資金力に余裕のある大手ホール経営企業や大型店舖を中心に導入が進んでおり、小規模法人や小型店舖での導入は芳しくない。
2023年4月には「スマートパチンコ」の導入も予定されていて、遊技機のスマート化によって、店舗間や法人間格差がさらに広がる見通しである。今後も小規模法人や小型店舖を中心に減少が続くとみられ、2023年12月末までにパチンコホール店舗数は7,000店舗を下回る可能性がある。
調査要綱
1.調査期間: 2022年9月~12月 2.調査対象: 全国のパチンコホール経営企業および全国のパチンコホール 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用 |
<本調査について> 2022年9月~12月に弊社で実施した各種調査をもとに、全国でパチンコホールを経営している企業数やパチンコホールの店舗数、資本・経営者などで関連する企業を集約した企業グループ数を算出した。 |
<市場に含まれる商品・サービス> パチンコホール、パチンコホール経営企業 |
出典資料について
資料名 | 2023 パチンコ経営企業総覧(東日本版) |
発刊日 | 2023年02月24日 |
体裁 | A4 504ページ |
価格(税込) | 143,000円 (本体価格 130,000円) |
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