【5つの生声】イーロン・マスクがテスラで実現を目指していること
(画像=franz12/stock.adobe.com)

(本記事は、ジェシカ・イースト氏 (編集)、鷹取孝氏(翻訳)の著書『イーロン・マスクの生声 本人自らの発言だからこそ見える真実』=文響社、2022年11月10日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

テスラのミッション

スポーツカーを作る
その売り上げで手頃な価格のクルマを作る
さらにその売り上げでもっと手頃な価格のクルマを作る
上記を進めながら、ゼロエミッションの発電オプションを提供する

これは、ここだけの秘密です。

ーーーー「テスラ・モーターズ秘密のマスタープラン(ここだけの話です)」 2006年8月2日(日本語訳、テスラ公式サイトより引用)


Build sports car
Use that money to build an affordable car
Use that money to build an even more affordable car
While doing above, also provide zero emission electric power generation options
Don’t tell anyone.

電気自動車一色の世界

テスラの目標は一流ブランドになることでも、ホンダ・シビックと張り合うことでもない。
正しくは、電気自動車への移行を推し進めることだ。
車業界全体が電気自動車一色になるまで、さらに多くの電気自動車を作って価格を下げ続けていく。

ーーーーカーンアカデミーのインタビュー 2013年4月17日


Our goal is not to become a big brand or to compete with Honda Civics. Rather, [it’s] to advance the cause of electric vehicles. So we’re just going to keep making more and more electric cars and driving the price point down until the industry is very firmly electric.

完璧な車

目指すは完璧な車だ。テスラはこの純粋な理想を追い求めている。
実際にどのような車になるかは誰にも分からないが、細部に至るまですべてを可能なかぎり完璧にしたい。
不完全なところがある程度は残ってしまうものだが、それを最小限に抑えて、あらゆる面で喜んでもらえる車を作ろうとしている。

ーーーーStartmeupHKベンチャーフォーラム 2016年1月26日


Aspirationally, we’re in pursuit of the platonic ideal of the perfect car. Who knows what that looks like actually, but you want to try to make every element of the car as flawless as possible. There will always be some degree of imperfection, but we try to minimize that and create a car that is just delightful in every way.

最低価格

テスラが目指しているのは、電動の交通手段を可能なかぎり安くすることだ。
その考えがテスラのあらゆる活動に浸透している。
だから、もし我々が提供するものに料金をあれこれ設定したとしても、それは高価格化を狙っているからではない。
価格をそれ以上抑える方法がないからだ。

ーーーー2016年テスラ年次株主総会 2016年5月31日


What Tesla’s motivation is is to make electric transport as affordable as possible. That is what informs all of our actions. So if we do something, and we charge for this or charge for that, it is not because we want to make things more expensive, it’s because we can’t figure out how to make it less expensive.

世界全体の目標

テスラのミッションは、持続可能なエネルギーへの移行を加速させることだ。
この取り組みは非常に重要だと思う。
世界全体の問題であり、より早く、より広範囲に進めなければならない。
つまり、それがギガファクトリー1の目的だ。
全世界のカーボン排出量予測を変えてしまうほど、たくさんの電気自動車や据置型バッテリーパックを作ることができる。
本当に世界を変えることになるんだ。大きなスケールでやらなければならない。世界は大きいわけだから。

ーーーーギガファクトリー・グランドオープニングでのスピーチ 2016年7月29日

1) テスラが米国ネバダ州に建設した世界最大規模のバッテリー工場。


The Tesla mission is to accelerate the transition to sustainable energy. I would say it’s incredibly important that we do that. It matters to the world, it matters if it happens sooner or later, it matters if it happens at scale. And that’s what the Gigafactory is about. It’s about being able to make enough electric cars, enough stationary battery packs, that it actually moves the needle from a global carbon production perspective— so that it actually does really change the world. It has to be big because the world is big.

持続可能な未来のために不可欠な3要素

エネルギーを持続可能にするため、私たちは主に太陽光を利用してエネルギーの発電を行う必要がある。おそらく、ほぼすべてで太陽光を利用することになるだろう。この太陽光発電と、据置型蓄電池、電気自動車を組み合わせたソリューションによって、エネルギーの持続可能な未来を実現できる。この3要素はどれも不可欠であり、テスラがこの3つを提供すべきだと考えている。

ーーーーテスラのソーラーシティ買収に関する電話記者会見 2016年6月22日

正しいことをする信念

これまでテスラはさまざまな決断をしてきた。
「常に正しいことをしよう」という信念に基づいて下した決断だ。
この信念を本当に大切にしている。
間違いを犯す時、その理由は単に私たちがばかか、間抜けか、そんなところだろう。
でも、常に正しい動機が出発点になっている。
私たちは自分の信じることを口にする。
自分でも妄想としか思えない時もあるが

ーーーー2016年テスラ年次株主総会 2016年5月31日


The decisions we’ve made along the way reflect that, really, we always try to do the right thing. We really care about that. When we make mistakes, it’s just because we were being foolish or stupid or whatever, but it’s really always made with the right motivations. We say the things that we believe even when sometimes those things we believe are delusional.

イーロン・マスクの生声 本人自らの発言だからこそ見える真実
【編者】ジェシカ・イースト(Jessica Easto)
編集者、ライター。テネシー大学でジャーナリズムの学位を、南イリノイ大学でクリエイティブライティングのMFAを取得。
【訳者】鷹取孝(たかとり・こう)
1970 年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学理工学部卒業。富士通にてネットワーク機器の開発に長年従事した後、翻訳者として独立。主にIT分野の英日翻訳を手がける。

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