会社を起こすなら、何かを創り出すなら、イーロン・マスクはこう考える
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(本記事は、ジェシカ・イースト氏 (編集)、鷹取孝氏(翻訳)の著書『イーロン・マスクの生声 本人自らの発言だからこそ見える真実』=文響社、2022年11月10日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

起業の観点

会社を起こすのであれば、起業家になりたいとか、お金を稼ぎたいというよりも、次の観点からアプローチするほうがいい。
「世の中にあったらいいなと思うもののうち、有益なものは何だろう?」

ーーーーボアオ・アジア・フォーラムでの対談 2015年3月29日


It’s better to approach this [building a company] from the stand point of saying—rather than you want to be an entrepreneur or you want to make money—what are some useful things that you do that you wish existed in the world?

人に伝えたいなら

人々に何か行動を促そうとするなら、次のように考える必要がある。

「よし、こんなメッセージで伝えたらどうだろう? 我々が伝えようとしているのは、どんなメッセージだろう? 人々は何に反応するだろう? 自分がその中の1人なら、何に反応するだろう?」

もし人々の意識を変えよう、気持ちを駆り立てようとするなら、次のように考える必要がある。

「自分が伝えたいことは何だ?人々の心を本当に動かすものは何だ?」

ーーーー「STVP Future Fest」イベント 2015年10月7日


If you’re trying to convince the public to do something, you have to say, “OK, how’s this gonna read? What message are we going to try to convey? What will people respond to? What would I respond to if I was sort of an objective member of the public?” If you’re trying to change people’s minds or get people fired up about something, then you have to think, “OK, what’s that message? What’s going to get them really excited?”

創造する価値のあるもの

何かを創り出そうとする時は、まず、「現在の最先端のものと比べて、有用性がどの程度向上するか」を考える。
そして、その向上の度合いを、「創り出すものが影響を与える人の数」とかけ算するんだ。向上の度合いが大きいものであれば、たとえ影響を与える人の数が少なくても、創る価値は十分ある。
逆に、向上の度合いが小さいものでも、影響を与える人の数が膨大であれば同じことだ。

ーーーーYコンビネータ社「How to Build the Future」シリーズ 2016年9月15日


Whatever this thing is that you’re trying to create, what would be the utility delta compared to the current state of the art times how many people it would affect? That’s why I think having something that makes a big difference but affects a small to moderate number of people is great, as is something that makes even a small difference but affects a vast number of people.

イーロン・マスクの生声 本人自らの発言だからこそ見える真実
【編者】ジェシカ・イースト(Jessica Easto)
編集者、ライター。テネシー大学でジャーナリズムの学位を、南イリノイ大学でクリエイティブライティングのMFAを取得。
【訳者】鷹取孝(たかとり・こう)
1970 年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学理工学部卒業。富士通にてネットワーク機器の開発に長年従事した後、翻訳者として独立。主にIT分野の英日翻訳を手がける。

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