イーロン・マスクの人材採用の基準とは 面接で能力を見極める4つの質問
(画像=metamorworks/stock.adobe.com)

(本記事は、ジェシカ・イースト氏 (編集)、鷹取孝氏(翻訳)の著書『イーロン・マスクの生声 本人自らの発言だからこそ見える真実』=文響社、2022年11月10日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

プロセスに依存するな

プロセスは重要でないと思っている。
実際、採用面接の時に応募者が「大事なのはプロセスです」と発言したら、私は悪い兆候だとみなす。
何が問題かと言うと、多くの大企業がそうなんだけど、プロセスに依存してしまって自分で考えなくなる。
そうして巨大な機械の中の小さな歯車の1つになっていってしまう。
はっきり言って、さほど優秀でもなければクリエイティブでもない人ばかりになるよ。

ーーーー『WIRED』誌 2012年10月21日


I don’t believe in process. In fact, when I interview a potential employee and he or she says that “it’s all about the process,” I see that as a bad sign. The problem is that at a lot of big companies, process becomes a substitute for thinking. You’re encouraged to behave like a little gear in a complex machine. Frankly, it allows you to keep people who aren’t that smart, who aren’t that creative.

自分の問題点

私の最も大きな問題点は、いままさに修正しようとしているところだが、人の能力ばかり重視して、その人の人格を十分に見ないことだ。
(中略)重要なのは、その人が誠実な心を持っているかどうかだ。
本当にそう思う。
頭がよければいいと考えたこともあったが、間違っていた。

ーーーーSXSW会議 2013年3月9日


The biggest mistake in general that I’ve made—and I’m trying to correct for that—is to put too much of a weighting on somebody’s talent and not enough on their personality. ...It actually matters whether somebody has a good heart. It really does. And I’ve made the mistake of thinking that sometimes it’s just about the brain.

無理難題を乗り越えた人材を雇う

私が採用面接で尋ねるのは、これまで何の仕事をやってきたか、どのような難題に直面したか、その難題にどう対処したか、重大局面でどう決断を下したか、という質問だ。

たいていはこれで十分で、相手のことを直感的に判断できる。私が本当に探し求めているのは、並外れた能力を持つ証しだ。

果たして、この人は無理難題に直面して、それに打ち勝ってきただろうか?

(中略)とても厄介な問題と格闘しなければならなかった人なら、問題の内容を深く理解しているし、忘れてしまうことはない。

問題の非常に細かいところまで相手に聞いてみるといい。答えが返ってくるだろう。

もし、問題の解決にあまり責任がなかった人なら、詳細までは把握していない。

ーーーー番組「Auto Bild.tv」 2014年11月6日


I really just ask them to tell me the story of their career and some of the tougher problems that they have dealt with, how they dealt with those, and how they made decisions at key transition points. Usually that’s enough for me to get a very good gut feel about someone, and what I’m really looking for is evidence of exceptional ability. Did they face really difficult problems and overcome them? . . . Usually the person who’s had to struggle with the problem, they really understand it and they don’t forget if it was very difficult. You can ask them very detailed questions about it, and they’ll know the answer, whereas the person who was not truly responsible for that accomplishment will not know the details.

イーロン・マスクの生声 本人自らの発言だからこそ見える真実
【編者】ジェシカ・イースト(Jessica Easto)
編集者、ライター。テネシー大学でジャーナリズムの学位を、南イリノイ大学でクリエイティブライティングのMFAを取得。
【訳者】鷹取孝(たかとり・こう)
1970 年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学理工学部卒業。富士通にてネットワーク機器の開発に長年従事した後、翻訳者として独立。主にIT分野の英日翻訳を手がける。

※画像をクリックするとAmazonに飛びます