ゴルフが上達する自律神経72の整え方
(画像=beeboys/stock.adobe.com)

(本記事は、小林 弘幸氏の著書『ゴルフが上達する自律神経72の整え方』=法研、2022年12月16日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

人前でショットを打つとき

■肩を「ドン!」と落として力を抜く

「人前でミスをしたくない」「ナイスショットを見せたい」「飛ばしたい」――朝イチのティーイングエリアやショートホールなどでは、後続組が見ていると思うだけでそれまで感じもしなかった見栄や欲が出るものです。

この状態は自律神経にとって明らかな危険信号です。自分を実際の力以上に上手く見せようとして心身とも力み、交感神経が急上昇するからです。血流が悪くなって筋肉が収縮し、肩や腕に余計な力が入ります。それによってスイングが萎縮し、いつものようにクラブを振れなくなってしまうのです。

ラウンド中は、人前でショットを打たないといけない場面が必ずあります。そういうときに役に立つ対策を2つご紹介します。ぜひお試しいただければと思います。

1つは、自分の打順が来る前に5回から10回、肩の上げ下げをすること。首をすくめて両肩を上げたら、一気に脱力して「ドン!」と肩を落としましょう。こうすることで肩、首、アゴに入っていた余計な力が抜けて、上半身の緊張が緩みます。

もう1つは、バックスイングで体をしっかり回すこと。左肩がアゴの下に来るまで回すのが目安です。体重が右足に乗るぶん体がボールから離れていくように感じますが、それこそが正しい回転です。

体が離れるのを恐れると回転が浅くなりやすいので注意しましょう。アゴは視界の中には見えませんが、位置を感じとることはできます。必ず左肩がアゴの下に触れるまで回すようにしたいものです。

また、見栄や欲が出ていることに自分では気がつかない場合もあります。後続組の人たちの前でショットを打つときは必ず2つのポイントを思い出し、力を抜いて肩をしっかり回すようにしてください。

Point

  • 見栄や欲が出たときは自律神経の危険信号
  • 余計な力を抜いて左肩をアゴの下まで回す
ゴルフが上達する自律神経72の整え方
小林 弘幸
1960年、埼玉県生まれ。順天堂大学医学部教授。1992年、順天堂大学大学院医学研究科博士課程修了後、ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属小児研究センター、アイルランド国立小児病院外科を経て、順天堂大学小児外科学講師・助教授を歴任。
日本スポーツ協会公認のスポーツドクターでもあり、自律神経のバランスを意識的にコントロールすることで、心身のパワーを最大限発揮できることを提案。数多くのトップアスリートのコンディショニング、パフォーマンスの向上指導にかかわっている。自律神経研究の第一人者であり、書籍も多数刊行している。

※画像をクリックするとAmazonに飛びます