(本記事は、宮本 剛獅氏の著書『1%の超一流が実践している仕事のシン哲学』=クロスメディア・パブリッシング、2022年10月3日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)
人材育成について、
二流は
人を育てる気がない
一流は
人を育てようとする
超一流は
人が育つ「仕組み」を作る
「どこに目を向けるか?」で大きな違いが生まれる
マネジメント力とは、 「ヒト」、 「モノ」、「カネ」などの経営資源を有効に活用して、組織の成果を最大限に上げる力……のことです。
最近では、パワハラに象徴されるメンタルヘルスの問題や、世代間の仕事に対する考え方のギャップなどもあり、 「ヒト」(人材育成)の問題に頭を悩ませている人が増えています。
マネジメント力は、 「どこに目を向けるか?」によって大きな違いが生まれます。
二流は、 部下の行動だけに目を向けています。何かミスが起これば「何やってんだよ!」と感情的に怒って、失敗した人を責め立てます。これがパワハラの一番の発生源になっています。
超一流は部下の行動を見るだけでなく、 「コト」に目を向けています。
仕事にミスは付き物と考えて、 「なぜミスが起こったのか?」を見つめることで原因を探ります。
その原因が「チェック機能が働いていない」ことにあるならば、 「チェック機能が働くようなシステムを作ればいい」という姿勢です。
きちんと整備されたシステムを作らずに、人を育成しようとしても無理があります。
ミスを事前にチェックできるとか、その人がどのくらいのレベルにあるかを判断できる仕組みがあれば、人材を育てることができます。
部下のミスを責め立てるだけでは、再発防止にはなりません。超一流は声を荒らげて人を怒ることの無意味さを知っているのです。
部下の行動を把握して、明確な「ものさし」を示す
超一流が実践するマネジメント術には、二つの大きな特徴があります。一つは、つねに「見てるよ感」を出すことによって、部下の行動をきちんと把握していることを伝えていることです。
何かの問題が発生したときには、 「こうやっていることはつねに注目しているよ。そこはすごいと思うけど、もう少し、こういうやり方に変えてみたらどうだろう?」というように、適切なアドバイスを心がけています。
もう一つは、明確に「ものさし」を示すことです。5個のアポイントメントを取る必要があって、3個しか取れていなければ、 「明日までに、あと2個のアポを頼むね」と明確に指示を出すということです。
精神論や根性論で「もっと頑張れ」とか「きちんとやれ」と雑な指示を出すだけでは、 部下は「頑張ってますけど……」と戸惑うことしかできないものです。