顧問先の不満の声から、契約解消を防ぐヒントを紹介。
今回は、報酬に見合った価値を示すことができず、
税理士の変更を検討されてしまったケースです。
専門性は高いけれど継続して契約すべき?
私は、部品メーカーを経営しています。
コスト削減や部材の調達、為替変動のリスク回避などを目的に、数年前から本社機能を海外に移しました。
そのため、現在、商工会議所で紹介してもらった
海外税務に強い税理士の先生と顧問契約を結んでいますが、
年間報酬が450万円とやや高い気がしています。
弊社が中堅以上の規模であり、また、英語対応ができることを条件にあげていたため、
それなりに高くなるのは覚悟していました。
しかし、実際の業務のスピードや対応力に突出したものはなく、
ほかにもっと安価で対応してくれる優秀な税理士の先生がいるのではと思えてきました。
もちろん、「海外税務の専門家」を掲げているだけあって、現地の税制に精通しており、
資金調達や交渉ごとなどにも対応していただいているうえ、英語も堪能なので、
報酬以外に大きな不満があるわけではありません。
ただ、商工会議所から紹介を受けた際、ほかの会計事務所と比較検討をせずに
契約してしまったことを、今でも後悔しています。
よく調べてみると、海外拠点の企業を扱う税理士事務所のホームページでは、
年間売上高5億円以上の企業に対する顧問料を含めた経営支援プランが
約200万円というところもありました。
業務内容や携わるレベルによって報酬額が異なるのは理解していますが、
それでも、今の顧問料が適正なのか少し疑問に感じています。
決算や申告など、その都度お願いするスポット契約も考えたのですが、
会社の性質上なかなか難しく、このまま継続して顧問契約を結ぶべきか、
思いきって別の税理士の先生を探すか悩んでいます。
顧客満足度を高めるワンポイントアドバイス
報酬の根拠を示したうえで、「高い」と思われない対応を
「中堅以上の規模で海外税務」という条件を考慮したうえでの報酬額だとは思いますが、
現在はホームページなどで顧問料の比較も容易にできます。
そのため、契約の際に、「報酬の根拠」と「業務内容」を明確に示さないと、
契約後のトラブルに発展しかねません。
また、コンサル業務などは、何をどこまでやるかという「業務の範囲」も明示する必要があります。
税理士は目に見えないサービスを取り扱うからこそ誠実さが問われる仕事です。
適正価格だったとしても、お客様に「高い」と思わせないコミュニケーションと
スピード対応を心がけましょう。
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