マイクロプラスチックは、海洋汚染による環境破壊の要因の一つとして注目され、G20サミットでも問題提起されている。SDGsへの取組みが一般化する中、企業にも対応が求められている課題だ。本記事では、マイクロプラスチックの定義や環境、人体への影響、その対策について解説する。

目次

  1. マイクロプラスチックとは
    1. マイクロプラスチックがなぜ注目されているか
    2. マイクロプラスチックに分類されるもの
  2. マイクロプラスチックが与える被害
    1. 環境に与える影響
    2. 人体に与える影響
  3. マイクロプラスチックの発生防止に必要なこと3つ
    1. 1.マイクロプラスチックの発生源や影響度の調査
    2. 2.プラスチックごみの排出量削減が重要
    3. 3.マイクロプラスチックそのものの使用を止める
    4. 企業の取組事例
  4. マイクロプラスチックに目を向けてSDGsを達成しよう
  5. Q&A
    1. マイクロプラスチックとは何なのか?
    2. マイクロプラスチックの何が悪い?
    3. マイクロプラスチック汚染の原因は?
    4. マイクロプラスチックを人が食べたらどうなる?
  6. 事業承継・M&Aをご検討中の経営者さまへ
マイクロプラスチックが環境や人体に与える影響と対策について解説
(画像=SIVStockStudio/stock.adobe.com)

マイクロプラスチックとは

マイクロプラスチックとは、海洋汚染ごみとして注目されている「直径5mm以下の微小なプラスチック」のことだ。海洋生物が誤飲したり、体を傷つけたりする被害が出ており、2050年にはプラスチックごみの量が海洋生物数を上回るという試算がダボス会議で報告された。

マイクロプラスチックがなぜ注目されているか

「持続可能な開発目標:SDGs」には、17の目標で環境保護や健康について提言されている。SDGsは企業にとって欠かせないテーマになっており、マイクロプラスチックによる環境汚染を防ぐことが目標達成のために欠かせなくなっている。

日本開催のG20大阪サミットでは、2050年までに新たな海洋汚染ゼロを目標とする「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が宣言され、企業にも協力が求められている。

マイクロプラスチックに分類されるもの

マイクロプラスチックの元となるものは、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリエチレンテレフレタートなどさまざまだが、発生原因によって大きく以下の2種類に分類されている。

・一次マイクロプラスチック

工業製品や生産工程で使用される微小なプラスチックのことだ。製品研磨工程の研磨剤や、化粧品のスクラブ剤などに使用されるマイクロビーズなどが該当する。

・二次マイクロプラスチック

プラスチック製品やそのごみなどが、海洋に流出して長い時間をかけて小さくなったものを指す。

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マイクロプラスチックが与える被害

マイクロプラスチックは、海洋流出によって環境や人体に影響を与えるとされている。

環境に与える影響

プラごみの浮遊による海洋汚染はもちろん、海中のポリ塩化ビフェニル類などの「残留性有機汚染物質(POPs)」を吸着、蓄積したマイクロプラスチックを、海洋生物が誤飲するといった悪影響を及ぼす。

人体に与える影響

人体に与える具体的な影響は解明されていないが、有害物質を吸着したマイクロプラスチックを摂食した海洋生物を人間が食べることで、有害な化学物質が体内に蓄積され、免疫力低下をはじめとした何らかの健康被害を受ける可能性が指摘されている。

マイクロプラスチックの発生防止に必要なこと3つ

マイクロプラスチックの削減や発生防止には何が必要なのだろうか。

1.マイクロプラスチックの発生源や影響度の調査

マイクロプラスチックは、発生源はもちろん具体的にどのような悪影響を環境や人体に与えているのか解明されていない。これらを科学的な視点で分析、調査して発生源や流出対策を行うことが重要だ。

2.プラスチックごみの排出量削減が重要

使い捨てプラスチックごみの生産や使用を減らし、排出量を減らすことも重要だ。ペットボトルやレジ袋、プラ容器などのごみが多ければ海洋に流出する可能性も高まるため、欠かせない対策の一つである。

3.マイクロプラスチックそのものの使用を止める

一次マイクロプラスチック削減も重要であり、製品開発や製造の段階で使用しない設計が求められる。また、発生してしまったマイクロプラスチックの回収方法も確立しなければならない。

企業の取組事例

環境省の『マイクロプラスチック削減に向けたグッド・プラクティス集』では、さまざまな企業の取組事例が紹介されている。

・スズキ株式会社:船外機に取り付けるマイクロプラスチックの回収装置の開発
・株式会社ダイセル:セルロースを原料としたマイクロビーズの代替素材開発
・JFE エンジニアリング株式会社:水処理装置によるマイクロプラスチック回収する仕組みの検討

マイクロプラスチックに目を向けてSDGsを達成しよう

SDGsへの関心が高まる中、企業経営者としてもマイクロプラスチックへの意識は欠かせない。環境省のグッド・プラクティス事例なども参考に、マイクロプラスチック削減への取り組みを検討してみはいかがだろうか。

Q&A

マイクロプラスチックとは何なのか?

直径5mm以下の微小なプラスチックのことで、マイクロプラスチックの主要物質は、PEやPET、PPなどさまざまである。

マイクロプラスチックの何が悪い?

マイクロプラスチックの海洋表層浮遊による海洋汚染や、海洋中のPCBsやDDTs、HCBなどの「残留性有機汚染物質(POPs)」を吸着して海洋生物を媒介とした拡散による環境汚染につながることが懸念されている。

マイクロプラスチック汚染の原因は?

製品や生産工程で使用されるマイクロビーズなどの「一次マイクロプラスチック」の流出や、プラスチック製品やそのごみなどが海に流出し、紫外線や熱などで粉砕した「二次マイクロプラスチック」が海洋汚染の原因にとなっている。

マイクロプラスチックを人が食べたらどうなる?

人が残留性有機汚染物質(POPs)の蓄積されたマイクロプラスチックを誤飲した海洋生物を食べることで、免疫力低下など何らかの健康被害を引き起こすとされている。具体的な影響については、まだ調査段階である。

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文・隈本稔(キャリアコンサルタント)

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