自走する組織の作り方

組織図がピラミッド状(社長 → 部長 → 課長 → 係長 → 一般社員)になっているのに、実態はフラットな会社(社長 → 部長・課長・係長・一般)があります。

このような組織では、「次、何したらいいですか」と、常に上の指示を仰いでばかりの部下や自分の仕事に責任を持たない社員ばかりになってしまいます。そうならないためにどのような対策を講じたらよいか、解説します。

目次

  1. 組織の役割・責任・権限を明確にする
    1. トップマネジメント層
    2. 中間管理職
    3. 下級管理層
  2. マネジメント手法OODA

組織の役割・責任・権限を明確にする

大切なことは、各社員の「役割・責任・権限」を明確にすることです。

サッカーを例に考えてみましょう。サッカーで上記の三点が曖昧だと、全員が一つのボール目がけて一生懸命走っていくだけのはずです。一方で、これらが明確に決まっているプロのチームは、機能的なプレーが実現できますよね。

では、階層別に役割や責任、権限について見ていきます。

トップマネジメント層

経営陣の役割は、投下資本を効率良く運用して、適切な利益を獲得するために、方針を決定することで、市場や株主の求める成果を実現することです。さらに、戦略を実現するフォーメーション(組織図)を整えて、部下の責任範囲を確定させる必要があります。

この層は、少数精鋭の創業メンバー(後の経営幹部)であることが多く、経営理念(存在意義)、ビジョン(目指す姿)、ミッション(果たすべき使命)に賛同した、個人スキルが高い人であるのが特徴です。そのため、お互いの認識のずれは少ないことが多いでしょう。

中間管理職

中間管理職の役割は、トップマネジメント層の意思決定に従って利益創出のため、ロワーマネジメント層を管理して、トップマネジメント層の求める成果を実現することです。

ただし、経営層の思考からマネジャーの思考となり、経営層と比較すると、価値観の違いや個人スキルも低くなるため、認識がずれやすくなります。そのため、バリュー(社員の行動指針)、行動指針(顧客に約束する価値・行動)など、「具体性(戦略面→行動面)」が必要となります。

下級管理層

下級管理層(プレーヤー含む)の役割は、指示された業務を効率よく遂行することであり、評価者(ミドルマネジメント層)の求める成果を実現することです。トップ・ミドルマネジメント層と比較すると、価値観の違いや個人スキルも低くなるため、より認識がずれやすくなります。

例えば、「顧客満足」の解釈が双方で異なると、ロスタイムや余計な感情が発生します。そのため、「評価者は誰か」を組織図で明確にして、「評価者が求めている成果は何か(例、リピート受注100万、継続率9割以上など=顧客満足の状態)」を役割定義表で明確に定義して、設定しましょう。

マネジメント手法OODA

最後に、評価者が求める成果を明確に設定して、一週間単位に分解して、KPIマネジメントします。一般的なマネジメントでは、PDCAを回すことが重要視されていますが、先の見えないVUCA時代に注目されているのは、OODA(ウーダ)ループです。

その特徴は、外部環境を把握することに重きを置く点にあり、「O(Observe、観察)、O(Orient、方向性の決定)D(Decide、判断)、A(Action、行動)」です。

例えば、

O(観察)=「営業マンが目標未達成となった」

の場合は、

1. O(方向性の決定)=「自分の責任だ(架電不足でアポイント不足したのが原因だ)」

になるか、

2. O(方向性の決定)=「顧客の責任だ(顧客が多忙でアポがリスケになったから)

と自責か他責思考なのか、人それぞれです。

つまり、方向性の決定が

「自責(自分の責任)or他責(自分の責任ではない)」で異なると判断に影響を与えます。

3. O(方向性の決定)=「自分の責任だ(架電不足でアポイント不足した)」

⇒ D(判断)=「次は、架電数を2倍にする」

4. O(方向性の決定)=「顧客の責任だ(顧客が多忙でアポがリスケジュールになった)」

⇒ D(判断)=「私には、どうにも出来ない」

と判断(仮説)が変わり、行動変化も異なります。

成長とは、「できなかったことが(a)、できるようになること(b)」です。そのため、上司の役割とは、「部下に不足を自責で認識させること(a)」であり、上司が求めるゴール(KPI)を設定して、部下の役割は「KPI達成のためのやり方は自分で考えること(b)」です。

後は週に1回、上司と部下が約束(次のゴールと行動変化)し続けることで、部下は経験量が増えて成長します。その結果、求められる成果も達成しやすくなります。