2021年の全国パチンコホールの閉店率は8.5%
~多額の入れ替え費用を要する新規則機移行に伴い、パチンコホールの閉店が相次ぐ~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、全国パチンコホール経営企業及びパチンコホールについて、パチンコホールの出店トレンドや閉店実態、及び経営企業170グループの店舗戦略などを調査した。
パチンコホール経営企業170グループの店舗戦略
全国パチンコホールの閉店数の推移
1.調査結果概要
パチンコホール経営企業は遊技機の規則改正に伴い、パチンコホール内にある全てのパチンコ機・パチスロ機を新規則に対応した遊技機(新規則機)への入れ替えを行った。多額の費用を要した新規則機への入れ替えにより新規出店が抑制されたほか、新規則機への移行を断念したホールの閉店・廃業が相次ぎ、2021年末のYANOパチンコデータベースでのパチンコホール数は8,139店舗となった。一方で、パチンコ・パチスロファンの動向を見るとコロナ禍、パチスロ6号機の低迷による客離れもあり、既存店はもちろんのこと集客が期待できる新規出店のパチンコホールでも稼働率の低迷が続いていて、出店しても成功しづらい市場環境となっている。
パチンコホール経営企業上位グループの店舗戦略の分析では、YANOパチンコデータベースから2021年末時点で10店舗以上を経営していたパチンコホール経営企業上位170グループ(資本や経営者などで関連する企業をグループ化)を抽出し、過去10年間における店舗数増減(グループ規模の変化)と、2021年末時点のグループの遊技機平均設置台数(店舗の台数規模)の2つの指標を使って、各グループの店舗戦略の現状を「安定成長」「拡大優先」「再編縮小」「要対策」の4つに分類した。それぞれのグループ数は「安定成長」が56グループ、「拡大優先」が32グループ、「再編縮小」が44グループ、「要対策」が38グループだった。経営店舗数が多い上位グループでの集計にもかかわらず店舗数の減少を意味する「再編縮小」と「要対策」の比率の合計が全体の48.2%を占めており、業況の厳しさが示された。
2.注目トピック
2021年のパチンコホール閉店数は745店舗、閉店率は8.5%
YANOパチンコデータベースから2020年末に営業していたパチンコホール8,778店舗のうち、2021年末時点では閉店した店舗は745店舗で、2021年の閉店率は8.5%であった。2019年までは閉店率が6.0%前後だったが、2020年には8.1%に上昇しており、コロナ禍での集客低下や遊技機の規則改正による新規則機への入れ替えが影響した。
新規則機については移行期限が2022年1月末だったため、2022年に入ってからも閉店が相次いでいる。特に3月は多くのパチンコホール経営企業の決算時期にあたるため、期末を機にパチンコホールを閉店するケースもみられた。
調査要綱
1.調査期間: 2022年5月~6月 2.調査対象: 全国のパチンコホール経営企業および全国のパチンコホール 3.調査方法: YANOパチンコデータベースをもとに集計(矢野経済研究所が保有するパチンコホール、及びパチンコ経営企業のデータベース) |
<本調査について> YANOパチンコデータベースをもとに、全国のパチンコホールの量的変化や、出店トレンド、閉店実態のほか、10店舗以上を経営する全国のパチンコホール経営企業上位170グループ(資本や経営者などで関連する企業をグループ化)の店舗戦略を調査した。 出店トレンド、閉店実態では、新規出店したパチンコホールの稼働率をもとにした「新規出店の成功率」や、閉店店舗の設置台数や人口規模といった特徴について調査した。 上位170グループの店舗戦略については、店舗数と遊技機平均設置台数の増減をもとに、各社の店舗戦略を「安定成長」「拡大優先」「再編縮小」「要対策」の4つに分類し、その特徴や課題を考察した。 また、有力なパチンコホール経営企業10社については、新規出店数や閉店数、人口規模などからより詳細な分析を行った。その他、パチンコ店の新規出店時の成功率や既存店舗の閉店率についても調査した。 |
<市場に含まれる商品・サービス> パチンコホール経営企業、パチンコホール |
出典資料について
資料名 | 2022年版 パチンコホールの店舗戦略(出店トレンドと閉店実態) |
発刊日 | 2022年06月29日 |
体裁 | A4 244ページ |
価格(税込) | 121,000円 (本体価格 110,000円) |
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