2021年度の鞄・袋物小売総市場規模は前年度比10.8%増の見込
~2020年度は販売機会減で市場は減少、2021年度からコロナ対策商品が好調となり、市場を下支えする見込~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の鞄・袋物市場を調査し、製品セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
国内鞄・袋物小売市場規模推移
インポートブランドの鞄・袋物の小売市場規模推移(欧州・米国輸入分)
1.市場概況
2020年度の国内鞄・袋物小売市場規模は前年度比24.2%減の9,480億円となった。
2020年度は新型コロナウイルス感染拡大に伴う商業施設の閉鎖や小売店舗の営業時間短縮などの影響に加え、コロナ禍によるインバウンド(訪日外国人客)需要の激減、移動や外出自粛に伴う消費意欲減退等により、市場規模は大幅に縮小した。
2021年度からは参入企業各社ともコロナ禍を前提とした戦略に切り替えているが、市場規模が縮小するなかで競争が激化していることから、参入企業の優勝劣敗が鮮明になってきている。
2.注目トピック
旅行鞄小売市場
2020年度の旅行鞄の国内小売市場規模は前年度比23.4%減の1,180億円となった。国内旅行は、Go Toトラベルキャンペーンにより一時的に盛り上がり、旅行鞄市場においても、小型スーツケースやトラベルバッグなどの売れ行きが好調となった。ただし、その後のキャンペーンの停止によって再び需要が冷え込む結果となった。
一方で、各社より一人旅用の小型スーツケースや、抗菌・抗ウイルス機能を搭載したバッグやスーツケースの機能性などが改めて評価されるなど、新しい提案商品によりコロナ禍が収束に向かうなかで需要が高まっていくものと考える。
3.将来展望
2021年度の国内鞄・袋物小売市場規模は前年度比10.8%増の1兆502億円を見込み、2022年度は同4.9%増の1兆1,020億円と予測する。
2021年度以降は、新型コロナウイルス対策商品や新しい生活様式を取り入れた商品開発による需要喚起が積極的に行われている。テレワークや時差通勤、出社日数の減少が続くことを想定し、PC機器の持ち歩きや、徒歩・自転車・公共交通機関などを利用するスマート通勤のキーワードなどに合わせて商品を提案するなど、コロナ禍におけるシーンに対応した商品により、販売の盛り返しが期待されており、鞄・袋物市場を下支えする見込みである。
調査要綱
1.調査期間: 2021年12月~2022年2月 2.調査対象: 鞄・袋物及び服装用ベルト業界に携わるメーカー、卸、小売業ならびに、周辺関連事業者(皮革・布帛・合皮等素材供給メーカー、卸ならびに副資材事業者等)、輸出入事業者、関連団体等 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・e-mail等によるヒアリング調査、ならびに文献調査併用 |
<鞄・袋物小売市場とは> 本調査における鞄・袋物とは、鞄は主に男性仕様の大型のもの、袋物は主に女性仕様のハンドバッグや小物入れをさし、ビジネス鞄や旅行用鞄、ハンドバッグなどに加え、財布・革小物類やベルトを含む。なお市場規模のうち、インポートブランドとライセンスブランドについては暦年ベースで算出し、合算している。 |
<市場に含まれる商品・サービス> ショルダーバッグ、トートバッグ、リュックサック、ナップサック、バックパック、ボストンバッグ、ボディバッグ、ウェストバッグ、セカンドバッグ、クラッチバッグ、手提げバッグ、アタッシュケース、ハンドバッグ、ポシェットなど |
出典資料について
資料名 | 2021~2022年版 鞄・袋物産業年鑑 |
発刊日 | 2022年02月24日 |
体裁 | A4 483ページ |
価格(税込) | 137,500円 (本体価格 125,000円) |
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