2021年の国内宝飾品小売市場規模は前年比117.4%の9,624億円
~リベンジ消費でコロナ禍前、2019年の水準近くまで取り戻す~
矢野経済研究所では、国内宝飾品(ジュエリー)市場について調査を実施し、2021年の市場規模実績値、2022年予測値を公表する。
国内宝飾品(ジュエリー)市場規模推移と予測
調査結果概要
<市場概況、将来展望>
2021年の国内宝飾品(ジュエリー)小売市場規模は前年比117.4%の9,624億円と、コロナ禍前の2019年の市場規模には及ばないものの大きく拡大し、回復が鮮明となった。
前年の2020年が2割近い落ち込みだったことからその反動という側面もあるが、消費者の自粛疲れと、例年であれば旅行やイベント、外食による支出分をリベンジ消費としてジュエリーに振り向けた結果であると言える。また、2021年はコロナ禍においても、年間を通して商業施設の休業などは殆どなく、宝飾品販売の重要な販売チャネルであるイベント催事も予定通り行われたところが多かったことも寄与した。さらには、富裕層による高額品の購入が盛んになっており、大粒で高品質のダイヤモンドや希少な色石、喜平チェーンなどの地金ジュエリーなどの人気が続いている。これらの素材はいずれも値上がりを続けており、投資的な意味合いでも購入されている。
2022年もリベンジ消費など2021年とほぼ同様の傾向が続いており、2022年の国内宝飾品(ジュエリー)小売市場規模は、前年比104.1%の1兆14億円を予測する。
<注目トピック~ライブ販売が急拡大>
コロナ禍を背景に、宝飾業界にもDX(デジタルトランスフォーメション)の波が押し寄せている。なかでも最近の傾向として、ライブ動画を使用した販売が拡大している。
このライブ動画販売は、主に中国国内で盛んに行われており、ジュエリーに限らず化粧品や食品などあらゆるものが対象として始まったが、ジュエリーにおいても中国をはじめとした外国人観光客がコロナ禍で来日できなくなったことで、在日外国人が日本で買い物を代行し、本国へ送付する手段として注目されている。
具体的には、在日外国人が本国や海外にいる友人や自身が保有するファンに対して、SNSを通じて商品を紹介しながら販売をするやり方である。経費効率もよいため、この方法は小売店よりもむしろ店舗を持たないメーカーや問屋で盛んに行われており、特に多くのフォロワーを持つ在日外国人インフルエンサーの影響力は絶大で、一人が一日で数百万円を販売することもあるなど、新しい販売方法として注目されている。なお、日本国内の消費者向けにも、TikTokやインスタグラムを使ったライブ放送での販促とともに、販売を始めている。
※調査要綱
1.調査期間:2021年1月~12月
2.調査対象:宝石専門店チェーン、百貨店や時計宝石店および呉服などの異業種宝飾参入企業、 インポートジュエリーブランド企業等
3.調査方法:当社専門研究員による電話及び直接面接によるヒアリング、および郵送アンケートを併用
<宝飾品(ジュエリー)とは>
本調査における宝飾品(ジュエリー)とは、主に金やプラチナを素材に、ダイヤモンド、貴石、真珠などを使用した宝飾品を対象とし、宝飾時計、ならびに一部シルバー素材や半貴石の商品を含む。
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