MA Channel:ちょっとためになるコラム
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日本M&Aセンターは、2021年1月より毎週日曜18:00~TBSラジオの番組「日本M&Aセンターpresents Meet Up」を提供しています。6月13日(日)と20日(日)の回では、特別企画「M&Aについて学ぶ」を放送。日本M&Aセンター仲介で実際にM&Aをされた経営者の方にご登場いただき、M&Aを決断された経緯や現在の率直なお気持ちをお話いただきました。今回は、第一回目の内容を抜粋してご紹介いたします。

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経営が順調な時にこそ将来を見据えてM&Aを決断する

お一人目は神奈川県小田原市で海鮮料理店を経営されていた石井守前社長です。小田原駅前という好立地に店を構え、「プロの味をカジュアルに」をコンセプトに観光客や地元の方に愛される人気店でしたが、経営が順調だった2018年に大手鉄道グループに譲渡されました。

M&Aをするにあたってのネックは周りの説得だったそうです。M&Aの事を詳しく知っている人もほとんどおらず、経営も順調だったことから「なんでこんなにお客さんが入っているのに譲渡するのか」とも言われたそうです。

取引業者さんも地元ファーストで取引してくださいますし、みんなが成長できる。そういうM&Aにしたかった」と振り返ります。

たとえ社名が変わってもお客さんや従業員の安心を一番に決断

お二人目は埼玉県でLPガス販売を営んでいた吉原祐司前社長です。義理の父親が創業した会社の3代目として経営のかじ取りをしていた吉原社長ですが、2011年に起きた東日本大震災によって転機が訪れます。電力の自由化です。「これはガスだけ、電力だけ、石油だけじゃなくて、総合的なエネルギーの会社にしていかなければいけない」と危機感を抱いたといいます。

譲渡する上で絶対に譲れなかったのは「従業員を不安にさせない」ということ。従業員が不安になれば、当然お客さんも不安にさせてしまいます。そこで、福利厚生の変更がないことを一番に考えてお相手を探されたそうです。

全国各地から40社ほど紹介された中で、吉原社長が選んだのはLPガス販売の大手企業でした。日本M&Aセンターがお手伝いさせていただくM&Aはそのほとんどが株式譲渡なのですが、今回は吸収合併という珍しいケースでした。通常、株式譲渡では株が移るだけなので会社名もそのままで従業員の環境も変わりません。しかし、吸収合併となったことで社名も変わり、従業員も譲渡先企業の社員となりました。

この決断を吉原社長は前向きに受け止めていらっしゃいます。M&A後、次期社長の元で地域密着のイベントがいくつも開催されたそうです。何十年ぶりの出来事だっただけでなく、イベント会場を訪れたお客さんにM&Aをしても会社は何も変わっていないということを知っていただくことができました。お客さんが安心している姿を見て、「これなら名前を変えても問題ないなと。お客さんも幸せ、従業員も幸せ、だからこの決断は良かったなと思っています」と話されていました。

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竹賀勇人(たけが・ゆうと)
ダイレクトマーケティング1部 部長
大阪市立大学卒業後、約10年間大手専門商社にて国内外のバリューチェーン、サプライチェーンの提案営業に従事。2016年日本M&Aセンター入社以降、金融法人部にてM&A業務に従事。2020年4月より現職。
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