ハッピーカーズ物語
(画像=new-africa/stock.adobe.com)

(本記事は、新佛 千治氏の著書『クルマ買取り ハッピーカーズ物語』=サンライズパブリッシング、2020年8月7日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

「どう働くか」で幸せ度が決まる

人生の中で、仕事が占める割合は相当なものです。

一般的な会社員の場合、人生の総時間のうち約3割を仕事に充てているといわれています。残り7割で、家族と過ごしたり、プライベートを楽しんだり、食事したり、眠ったり、休んだりしているわけです。

人生の総時間の3割は仕事だけにどっぷり集中しているのですから、そう考えると、仕事がどれだけ楽しく、満足できているかによって、人生の充実度が決まるといっても過言ではありません。

それまで大病をしたことはありませんでしたが、いきなり脳梗塞になって、生死の境目を彷徨ってから、僕は健康に気を遣い、仕事の仕方も見直すようになりました。

朝食は毎日、フレッシュなサラダ。それから、オレンジやバナナ、りんご、いちご、ブルーベリーなどの果物とヨーグルトにミューズリーやグラノラ。季節によってはキウイや洋ナシ、マンゴーを加えます。

朝食を食べたら、愛犬をつれて海まで散歩。波の状態を確認して、「これはサーフィンができそうだな」と思ったら、すぐにボードを取ってきて海に入ります。

その時間、海に行けば誰かしらサーフィン仲間がいるので、「今日の波はなかなかだね」など会話したり、情報交換をしたりします。

波がなさそうなら、部屋に戻って読書をしたり、勉強をしたり……。

サーフィンをしたときは、だいたい朝9時までには自宅へ戻り、シャワーを浴びてから仕事です。僕の場合、こんなふうに朝9時くらいまでにその日やるべきことは終えています。

最近は、「ワークライフバランスを大事にしよう」と、仕事とプライベートをきっちり分けて余暇を楽しむ人が多くいます。

それはそれで最高なのですが、プライベートが仕事に侵食される恐れがあると考えると、それ自体が結構ストレスになるのではと思うのですが、どうでしょう。

案外、仕事とプライベートの境目をなくして、どちらも同じ自分の人生の切り離せない一部として考えると、よりストレスを感じずに人生を楽しめるような気がします。

日常も、仕事も、サーフィンも、すべて連続した時間の中で、シームレスにつながっていく感覚。

「人生をかけて没頭できる仕事とは」を徹底的に考えた若い頃に、勘違いしてデザイナーとして自分の一生を捧げようと誓ったあの日から、僕のプライベートと仕事の境界はなくなりました。

仕事をしている自分も、プライベートの時間を過ごしているときも、自分は自分なのですから。しかしながらある程度の節度をもってやらないと会社では怒られますよね。何ごとにもケジメは大事です。

感覚値を大切にする

環境をつくるということは、人間にとって、とても大事なこと。

考え方ひとつで人生ガラッと変わるものです。

「その環境に身を置いたら自然とそれがやりたくなる」というような環境をつくることが、幸せに生きるために必要なのではないかなと僕は考えます。

毎日サーフィンできるのも、大好きな海を見ながらストレスなく仕事ができるのも、夜には家族と楽しく過ごせるのも、自分がやりたいことの優先順位を明確にしたうえで、住む場所も仕事場も自ら選択しているからです。

最近、リモートワークとか、働き方改革とか、働き方についていろいろな意見が聞かれます。

でも一番大事なことは、自分が「どこで」、「どのように」過ごしたいか、しっかり自分の意思で考えること。

周りの意見やブームに流されることなく、自分の頭で、自分がどのような暮らしをして、どのような仕事をしていきたいかを考えて、それに合わせた環境に根を張ることが重要だと思うのです。

車買取りビジネスも、やはり感覚値がものをいいます。

もちろん、最新のツールやAIを駆使して日々の業務は行っていますが、基本的に、売り手と買い手が一対一で向かい合う人と人とのビジネスです。

車を査定する場合、オーソドックスな車種であれば、ほぼその場で一般的な買取り店が提示する金額はわかります。これはどの業者も同じです。

でも、買取り店10社が同じ車に同じ条件を提示したとしても、実際に成約に至るのはたったの1社。ここにこの車買取りビジネスのおもしろさがあります。

もちろん、AIやツールに任せておけば、大損することはありません。しかし選ばれる1社、そのひとりになるには、感覚値がものをいいます。

これまでの人生で培ったあらゆる経験とスキルを駆使して、選ばれるひとりになっていく。そして、一人ひとりのお客様と本音で話せるようになっていき、同じ地域でビジネスを超えて、だんだん良い関係になっていく経験から得られる感覚。

単純に、車を売買するだけの仕事ではないところが、車買取りビジネスの醍醐味です。この大好きな車買取りビジネスという仕事を、仲間と一緒に続けられることを、とても幸せだと思っています。

まさに、仕事とは人生の象徴であり、生き方の表現でもあると思うのです。

誰にでもいつでも別の人生の可能性がある

大好きな湘南の街で暮らし、仕事場もここ。時々、打合せや会議があっても、大抵湘南で済ませられるし、満員電車に揺られて東京へ行くことなど、ほとんどありません。

僕は何といっても人混みが大の苦手で、混雑率が100%を超えた電車に乗らなくていいというだけで、地元で行う車買取りの仕事が天職のように思います。

人間にとっては、満員電車に揺られるというだけでなく、通勤に長い時間をかけなければならないというのも、大きなストレスになります。

もちろん、「会社を辞めて田舎に引っ越そう」、「起業して、通勤地獄から自由になろう」など、人に勧めたいわけではありません。

もしかしたら、通勤電車が好きな人もいるかも知れないし、みんなが起業して会社員生活から逃れたいわけじゃないかも知れません。

だけど、「会社員じゃない人生の可能性もある」ということ、そして、「その可能性は決して特別な才能がある一部の人にだけ開かれているわけではなく、誰にでもそういう人生を送れるチャンスがある」ということは、知っておいても損はありません。

僕は昔から、あまり社会の仕組みに馴染まず、独立独歩の人生を歩んできました。人生のところどころで仲間との出会いもあり、家族にも恵まれ、決して孤独な人生ではなかったと思いますが、とにかく常識に捉われず、自分の意思を貫くタイプであることはまず間違いありません。そのため、ずっと若い頃からいずれは起業したいと思っていました。

自分なりの生き方をビジネスで表現していくことで、世の中に少しでも価値を提供していきたかったからです。

とはいえ、絶対に成功して一旗上げてやると意気込む必要はありません。そうした意気込みがなければ絶対に成功しない、と考える人が大半でしょう。

もちろんその心意気と腹をくくって新しいことに挑む気持ちは絶対に必要です。でも僕は、自分自身の経験から、それだけがすべてではないと学びました。

ビジネスの立ち上げ時は、スモールスタートでいい。

身の丈にあった、無理のない目標を立てればいいと思っています。無理がないから、継続していける。継続していけるから、確実にビジネスが上向きになっていく。これは僕自身、たくさんの加盟店を見ながら、自分自身も身に染みて実感した経験則です。

ハッピーカーズFC加盟店 オーナーの声

【名刺の裏にメッセージ。お客様を思うからこその"ひと工夫"】

ある時、本部からの紹介を受けてホンダS2000を査定買取りしました。

何度も足繁く訪問させていただいたのちに買取りが成立したので、私にとってはとても印象的な案件です。

はじめて訪問した際はお留守だったため、名刺を置いて帰りましたら、後日お電話をいただきました。

これは車の所有者の奥様からお伺いしたのですが、大体7社の買取り業者からチラシが入っていたみたいですが、名刺の裏にメッセージを書いていたのが私だけだったようで。

奥様がご主人に「この方だったら信用できそう」と言ってくださったそうです。

その後、無事査定買取が成立しました。

(ハッピーカーズ 京都木津店 青木オーナー)


【 フランチャイズのイメージは最悪! それでもハッピーカーズに加盟を決めた理由】

正直、フランチャイズにはまったく興味がありませんでした。

むしろ加盟するのではなく、自分で起こす側でいたかったのですが。

今までいろんなことを自分ひとりでやってきましたが、なかなか成功しませんでした。

そこで、「人生の中で、一度は既存のビジネスモデルに乗っかってみる必要もあるかもしれない」という思いが芽生えたんです。

僕はそれまで、フランチャイズをすごく毛嫌いしていました。

理由は単純で、フランチャイズに対して否定的なことを言う人が周りに多かったから。

ただ、私みたいな異業種からの参入は、ジャンプ台となるきっかけが必要だと感じたため、フランチャイズの仕組みを使って、活動の場を作らなければ絶対に成功しないと思い、参入を決めました。

参入後はさまざまな経験から多くのことを学びましたが、競争の激しい業界の中で自分なりのスタイルを構築することが非常に大事だと改めて実感しました。

お客様に喜ばれ、地元に貢献できる仕事というのはあまりありません。

だからこそ、誠実な気持ちをもった人たちが活躍できるんじゃないかと思うのです。

ぜひ、皆さん一緒に頑張りましょう!

(ハッピーカーズ 田園調布店 大田オーナー)


【毎月開催される加盟店オンラインミーティングとは? 本部の思い】

車の買取りを通じて、世の中をハッピーにしていく。

お客様みんなのために、という理念追求していくうえで、「そのために何をするべきなのか」など自分ひとりで考えてもわからないようなことをみんなで一緒に考えながら、今日の行動、明日の行動に移していける会議を行なっています。

だから情報共有はもちろんのこと、加盟店の皆さんがインプットできる場でもあるし、アウトプットする場でもあります。

ぜひ、実りある会議にしていきましょう。

(ハッピーカーズFC本部 田中健之)

「何をやるか」より「誰と」「どうやるか」

理念と、ノウハウと、情報を共有する加盟店集団。その結束が、ハッピーカーズの一番の強みだと思っています。

前述した部下のトラブルによって加盟店のほとんどいなくなりそうになったとき、ある新しく加盟されたオーナーが、辞めていく加盟店の嘘にそそのかされて「こんな商売デタラメだよ」「儲かるわけないよ」みたいな誹謗中傷をブログに公開したことがありました。

僕は、そのブログの存在すら知りませんでしたが、新規の加盟店の方が「新佛さん、これちょっと見てみて」と教えてくれました。

見ると、そこにはひどいことが書いてありました。しかも、ありもしないことばかり。ほかの周りの加盟店の方からも「新佛さん、こんなの書かれているけどいいの?」と心配の声をかけられました。

誹謗中傷の行為はブログではおさまらず、全加盟店に「新佛社長に騙されてはいけない」というようなメールが送られるほどまでエスカレートしていきました。

すると、ある加盟店のオーナーの方から、「新佛さん、俺黙ってたけど、その加盟店にちょっと連絡して、お前いい加減にしろと言ってやったから」と連絡がきました。

また、他の加盟店のオーナーからは、このようなことを言われました。

「僕らは僕らでちゃんと利益も出てるし、ハッピーカーズブランドに誇りをもってやってるのに……。こんな名誉を毀損するようなことをされたら、うちらとしても黙っておけないから。逆にこっちから訴えてやろうか」。

そして、「自分たちのブランドを毀損された」と主張するたくさんの加盟店の声がどんどん増えてきました。

そのとき、みんなわかってくれてるんだと思うと同時に言葉にできない喜びを感じました。

何より加盟店オーナー全員がハッピーカーズ®︎のブランドに誇りをもち、ハッピーカーズ®を自分のことのように大事に考えていることがわかり、最高にうれしかったです。

そんな仲間たちの気持ちに心を動かされたのか、誹謗中傷を書き込んでいたオーナーはハッピーカーズ®加盟店オーナー全員に対して謝罪文を書き、ブログは閉鎖。おかげさまで一件落着できました。

結局、仕事とは「何をやるか」よりも、「誰」と「どうやるか」ではないかなと思うのです。

僕は、ハッピーカーズの理念とブランドは大事にしています。

でも、単なる中古車買取り業という枠にしがみつくことはしない。

時代の流れに乗り、ハッピーカーズという理念で結びついたこの結束が必要とされるところがあったら、僕らはいつでも出かける準備はしておきたい。

そうした柔軟性が、今のこの世の中で、とても価値のあることなのではないかと思うのです。

クルマ買取り ハッピーカーズ物語
新佛 千治(しんぶつ ちはる)
株式会社ハッピーカーズ 代表取締役
営業職としてメーカーに入社落ちこぼれ営業マンから全国トップクラスの営業マンに成長するも、自分の可能性をもっと広げてみたいと、退社。大波に乗ることを目指してハワイへ。
帰国後、新たにデザインの勉強をはじめ、広告業界に飛び込む。出版社にデザイナーとして入社し、のちに大手情報サービス会社で広告制作ディレクター、コピーライターとして実績を積み、2005年にはクリエイティブディレクターとして広告制作会社を立ち上げる。
その後、外部要因に左右される経営環境を変えるべく、もうひとつ事業の柱をつくろうと中古車の輸出ビジネスを開始。海外への販売ルートの開拓を視野に、中古車の輸出先となるアフリカのタンザニアに現地法人を立ち上げる。
しかし、治安の問題もあり短期間で撤退を決断。中古車輸出業から手を引く。その際の経験を活かし、日本国内において一般のお客様から中古車を仕入れて、オークションで販売する車買取り業者、株式会社ハッピーカーズが誕生。
2015年の事業立ち上げからわずか4年で、全国に70以上の加盟店を展開する企業へと成長する 。

※画像をクリックするとAmazonに飛びます