9ROUND(ナインラウンド)
JAPAN WELLNESS INNOVATION:神奈川県相模原市
奥村 辰平 社長

人々の健康志向の高まりに伴い、市場規模が拡大しているフィットネス市場。個性的な業態も続々と登場し、海外発祥の新興チェーンの上陸も相次いでいる。2008年にアメリカで誕生し、8年後の9月に日本で1号店をオープン。昨秋に満を持してフランチャイズ募集を開始した新感覚のフィットネス「9ROUND(ナインラウンド)」を取材した。(※2020年6月号「注目のNEW FCビジネス」より)

筋トレやダイエット、ストレス発散にも効果的

奥村 辰平 社長
(画像=ビジネスチャンス)

「9ROUND」は世界19ヵ国で800店舗を展開するキックボクシングの動きをベースにした新感覚のサーキット型フィットネス。プロキックボクサーとして世界チャンピオンになった経験をもつシャノン・ハドソン氏によって考案された。昨年度、米国のフランチャイズ専門誌「Enterprenueur」でTOP500社中112位に、「Franc hise Times ―FAST&SERIOUS―」でもトップ40社中3位にそれぞれ選出されるなど、非常に高い評価を受けている。すでに世界展開を進めていて、アジアでは、日本の他、シンガポールやインドネシアにも進出している。 

名称からも分かるように、「9ROUND」は〝叩く〞〝蹴る〞など、異なる9つのラウンドで構成されている。合図に従って順番にラウンドを回り、わずか30分間ですべての運動を終える。一般的なフィットネスと比べて運動時間は短いが、全身の筋肉をまんべんなく刺激するための要素が詰め込まれているため、その運動効果は思った以上に高い。筋力トレーニングやダイエットだけでなく、ストレス解消にも良いのだそうだ。また、毎日通っても飽きないように、運動プログラムを毎日更新している点も見逃せない。利用者は老若男女さまざま。平日の日中は、主婦がストレス発散のために訪れるケースも多いという。 

日本での展開を担うのはJAPAN WELLNESS INNOVATION(神奈川県相模原市)。フィットネスインストラクターの養成をはじめ、「ZUMBA ®」や「AFAA」、「FATBURN EXTREME ™」といった海外発祥の運動プログラムの国内展開や、オリジナルコンテンツの開発などを手掛けている、日本におけるフィットネスビジネスの有力企業の一つだ。「9ROUND」は2016年に直営1号店を出店。5店舗目を出店したのを機に、FC募集をスタートさせ、今後10年で国内100店舗の出店を目指している。

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(画像=ビジネスチャンス 30分で9つのラウンドを回るプログラム)

水回り設備排除し投資コストを抑制

物件取得費を除いた初期投資は約1470万円。内訳は、開業前販促費や研修費などを含むFC加盟費が279万7000円(税別)、機材代や内装・外装工事費などの基本工事費が約1190万円(税別)となっている。初期投資を抑えるため、シャワーなどの水回り設備は設置しない。運営費用は、月額9万9000円のロイヤリティを含め15万1000円。アメリカ発祥の他のフィットネスチェーンと比べて、投資金額は圧倒的に少なく済む。 

3日間の開業前研修ではオペレーションと接客を学ぶ。トレーナーの指導も合わせて行うが、本格的なキックボクシングを教えるわけではないので経験は問わない。インストラクターの養成を本業としている同社ならではの効率的な研修によって、短期間で一人前のトレーナーに育て上げる。中には学生や主婦がトレーナーを務めるケースもあるという。

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(画像=ビジネスチャンス すでに世界19か国で800店舗を展開している)

収支モデルは次の通り。床面積は30坪で、坪単価は8667円(税・各共益費込)。会費は、オープン3カ月間はキャンペーンで3999円、4ヶ月目以降は5000円に設定。

会員数150名でスタートし、12カ月目で250名になったと想定した場合、4ヶ月目で黒字化する(人件費は35万円、賃料は26万円で計算)。12ヶ月目には売上が130万円で約40万円の利益が残る計算だ。同じ条件で12カ月目の会員数を300名と想定すると、同じく4ヶ月目で黒字化し、12カ月目には売上約170万円で66万4000円の利益が残る見込みだ。1年で350名の会員を集めれば、利益は92万4000円となる。3号店は想定通り、会員数が1

80名を超えた4ヶ月目で黒字化に成功したという。ハイペースで会員が集まる理由について松木健太郎営業部長氏は「無料体験でハマる方が非常に多いです。一般的なスポーツクラブの体験入会率は3割程度ですが、『9ROUND』は8割以上、だから会員も非常に集めやすいです」と話す。 

出店場所は商業施設を推奨。コンパクトなスペースで開業できるモデルのため、ビルオーナーが空室対策で採り入れるケースも想定している。

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(画像=ビジネスチャンス 考案者のシャノン・ハドソン氏)