創業からこれまでの事業変遷と貴社の強み - 祖業と現在の事業内容
—— 創業からこれまでの歩みについてお聞かせください。
株式会社ダイワコーポレーション 代表取締役社長・曽根 和光氏 株式会社ダイワコーポレーションは1951年10月に創業し、今年で73周年を迎えます。祖父が創業し、当初は営業倉庫業からスタートしました。1955年に営業倉庫業の許可を取得し、もうすぐ70周年となります。1980年代には、土地の有効活用を目的にビル賃貸業や倉庫賃貸業も手掛けるようになり、現在では倉庫のサブリース事業が事業の中核を担っています。
—— サブリース事業について詳しく教えてください。
曽根 サブリース事業は、私たちが所有する物件や他者から借りた倉庫を、必要な分だけお貸しする形の事業です。契約の仲介だけでなく、毎月のメンテナンスや両者の要望の調整も行っています。2000年以降は、千葉や神奈川などで土地の有効活用に悩む方々に対して、倉庫を建設し、それを長期間私たちが借りるという提案を行ってきました。その結果、現在管理している倉庫の面積は約28万坪に達しています。
—— 特に山下埠頭の倉庫について教えてください。
曽根山下埠頭にある新山下営業所は、2008年に竣工しました。営業倉庫業界では初の試みとして、SPC(特定目的会社)を設立し、銀行以外のノンバンクや投資家から約100億円を調達しました。この手法により、銀行に頼らずに倉庫を建設することができました。この経験を通じて、さらに新たな仕事につながる機会を得ました。
—— そのような挑戦を経て、会社はどのように成長してきたのでしょうか?
曽根 私がダイワコーポレーションに入社したのは1992年で、最初は営業倉庫の現場で働きました。その後、父である社長との意見が対立することもありましたが、常に新しいことに挑戦する姿勢を持ち続けてきました。2011年に社長に就任してからは、急速な成長を遂げました。この成長は、社員が前向きに提案しやすい環境を作ることに努めた結果だと感じています。
承継の経緯と当時の心意気
—— 先代から会社を引き継いだ時の状況についてお伺いしたいと思います。特に2011年から本格的に始められたとのことですが、その頃の状況はどのようなものでしたか?
曽根 2011年に代表取締役に就任しましたが、実質的には2000年に専務に就任した時から多くの業務を任されていました。父からも重要な決定権を引き継いでおり、父が体調を崩した時に社長就任を提案されましたが、父が元気な時に承継したいと、その時は断り、2011年に正式に引き継ぎました。
—— 就任前から社長としての役割を果たされていたのですね。
曽根 2000年以降、実質的に会社を動かしていました。父とは意見が対立することもありましたが、最終的には互いに尊重し合いながら仕事を進めていました。父でしたので、前向きなチャレンジにはYesと言ってくれました。
—— 会社を引き継ぐ際に苦労された点はありますか?
曽根 幸いにも、父の番頭だった方は年齢的に早めに引退されました。その方が持っていた営業的な顔を失うことになりましたが、私はそれをチャンスと捉え、新たな人脈を作ることに専念しました。
—— 新たな人脈作りが会社の成長に繋がったのですね。
曽根 はい、既存のお客様を大事にしつつも、新しい営業提案を常に考えることを大切にしてきました。倉庫業界では、倉庫が満床になると営業活動を止めることが一般的でしたが、私は新たな需要があれば新しく倉庫を借りて対応するという考えを持っていました。これが会社の成長に繋がったと思います。
ぶつかった壁やその乗り越え方
—— 仕事上の壁についてお聞きしたいのですが、どのような経験をされていますか?
曽根 入社当時、会社は債務超過の状態でしたが、それを克服するために倉庫のサブリースという戦略を取りました。最悪の状況からスタートしたので、バランスシート経営を徹底し、これにより財務状況を改善することができました。
また、父が株や出資で大きな損失を出していたため、私は上場株式や投資信託を一切買わないことを徹底しています。
—— 個人の投資についてはどう考えていますか?
曽根 個人でも会社でも株式投資は行っていません。銀行が持ち込む金融商品についても、内容を理解しない限りは手を出しません。
今後の新規事業や既存事業の拡大プラン
——今後の拡大プランについてお聞かせいただけますか?
曽根 M&Aを視野に入れています。これまでは運送業を自社で直接行うことを避けてきましたが、ご縁があれば積極的に取り組む方針に変えました。具体的には、倉庫会社や運送会社、物流の業務請負を専門に行う会社で、良い企業があれば買収を検討したいと思っています。
——既存事業の拡充のための手段としてM&Aを活用するということですね。
曽根 IPOの選択肢も来期以降は柔軟に考えていくべきだと感じています。
メディアユーザーへ一言
——最後に弊社メディアのユーザーへ一言いただけますでしょうか?
曽根 自分がトップを務める会社を一体化し、同じ方向を向いて進むためには、経営者がブレずに進むことが最も重要だと感じています。また、社員に対してわかりやすい言葉で会社の大切にする価値観を定期的に発信することも欠かせません。さらに、尊重と思いやりを持った集団であり続けたいと考えています。
- 氏名
- 曽根 和光(そね かずみつ)
- 社名
- 株式会社ダイワコーポレーション
- 役職
- 代表取締役社長