矢野経済研究所
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2023年度の主要6分野の住宅向け建材市場は前年度比3.5%増となる1兆5,530億円と推計

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の主要6分野の住宅建材市場を調査し、各分野ごとに現況、および将来展望を明らかにした。

主要6分野の住宅建材市場規模推移・予測

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1.市場概況

2023年度の主要6分野の住宅建材市場(建築仕上材料等を主とし、構造材・住宅設備機器・植栽等を除く)は、メーカー出荷金額ベースで前年度比3.5%増となる1兆5,530億円と推計した。
住宅向け建材の市場は、主に新設住宅着工戸数の推移に影響される。2023年度における新設住宅着工戸数(国土交通省)は、前年度比7.0%減の800,176戸であった。それらに伴い建材メーカー各社の販売数量は全体として減少傾向であったが、原燃料費や輸送費上昇による製品価格への転嫁が進み、販売数量の減少をカバーしたことから市場規模は増加に転じた。

2.注目トピック

カーボンニュートラルを実現するような建材製品

住宅建材市場において、「環境」というキーワードは欠かすことのできないものとなっている。
例えば住宅の断熱性に寄与する建材は、建材それ自体が住宅の省エネ性向上に直結するものである。それらの他にも、近年は建材の製造プロセスにおいて、カーボンニュートラルを実現するような建材もクローズアップされている。 2020年のカーボンニュートラル宣言以降、建材メーカー各社において試行錯誤がなされており、2023年頃より具体的な製品・アイテムの開発や、製造工程におけるカーボンニュートラルを達成した事例が出現している。

3.将来展望

2024年度の主要6分野の住宅建材市場は、前年度比1.4%増の1兆5,740億円と予測する。
新設住宅着工戸数が伸び悩む中で、各建材における販売数量の縮小が見込まれるが、新規用途の開拓やリフォーム向け建材が需要を下支えすると共に、高付加価値品へのシフトや製品価格の改定効果が金額ベースでの市場規模の維持・拡大に寄与する見通しである。

調査要綱

1.調査期間: 2024年4月~7月
2.調査対象: 国内主要住宅建材メーカー
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、アンケート調査、ならびに文献調査併用
<住宅建材市場とは>
本調査における住宅建材市場とは、①木質系、②窯業系、③金属系、④プラスチック系、⑤断熱材、⑥インテリアの主要6分野の住宅向け建材を対象とする。
建築仕上材料等を主とし、構造材・住宅設備機器・植栽等を除く。また、住宅向け(新築及び既築)を対象とするが、一部非住宅向け建材が含まれる。

対象製品の詳細は以下の通り
①木質系:木質ボード、複合フローリング、木質住機
②窯業系:石膏ボード、窯業系サイディング、ALC、タイル、セメント系瓦
③金属系:アルミサッシ、シャッター、金属サイディング、金属屋根、玄関ドア
④プラスチック系:塩ビ系床材、建材畳(化学畳)、樹脂サッシ
⑤断熱材:グラスウール、ロックウール
⑥インテリア:壁紙、じゅうたん・カーペット、カーテン、ブラインド・スクリーン
<市場に含まれる商品・サービス>
①木質系建材市場、②窯業系建材市場、③金属系建材市場、④プラスチック系建材市場、⑤断熱材市場、⑥インテリア市場

出典資料について

資料名2024年版 住宅産業白書(建材編)
発刊日2024年07月29日
体裁A4 548ページ
価格(税込)165,000円 (本体価格 150,000円)

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