「負ののれん」が発生した場合の税務処理

税務上、交付対価の額と時価純資産との差額は、「資産調整勘定」「差額負債調整勘定」 と呼ばれます。

対価が時価純資産額を上回る場合は、税務上の「正ののれん」として資産調整勘定が認識されます。 反対に対価が時価純資産額に満たない場合は、税務上の「負ののれん」として「差額負債調整勘定」が認識されます。

この税務上の「負ののれん」である「差額負債調整勘定」は、60か月(5年間)の均等償却となります。

税務上の「のれん」と営業権イメージ1

税務上の「差額負債調整勘定」は、受入資産や引受負債の算定方法や性質の違いによって、必ずしも会計上の「負ののれん」と一致しません。このように会計上と税務上の金額が異なる可能性のある点に、注意が必要です。

終わりに

以上、「負ののれん」について概要をご紹介しました。「負ののれん」は買収対象企業のリスクや将来の不安を要因として生じることが多く、これらのリスクや要因を特定し、企業評価において適切に反映することが重要となります。そのためには、専門的な支援を求めることが不可欠です。

日本M&Aセンターは、企業が直面する可能性のある様々な課題を適切に理解し、解決策を提供する経験豊富な専門家のチームを有しています。

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監修者

山崎 祐慶 山崎やまざき 祐慶ゆうけい

日本M&Aセンター 品質本部 ディールマネジメント部 シニアマネージャー /公認会計士

大手監査法人、税理士法人(FAS事業部)でのDD・バリュエーション業務等を経て、2015年当社へ入社。 累計関与案件1,000件超の経験をもとに、M&A実務の教育研修活動を社内外で行うなど、M&A業界全体の品質向上に精力的に取り組んでいる。

佐潟  直弥 佐潟 さがた 直弥なおや

日本M&Aセンター 品質本部 コーポレートアドバイザー2部 チーフ /公認会計士

大手監査法人を経て、2023年当社へ入社。監査法人では11年にわたり、上場企業、外資系日本子会社のIFRS/US/日本基準のパッケージ監査、 PCAOB監査業務にマネージャーとして従事し、新規監査ツール開発部署の業務も兼務。