人を大切にする経営のため、デジタルで情報、知識、体験を共有。地域で一番の太陽光発電事業者を目指す ひだかや(岡山県)

目次

  1. 岡山県倉敷市を地盤に5,000件の施工実績
  2. 脱炭素の流れの中、1998年から太陽光発電事業に参入。実績を重ねる
  3. 大企業と比較して経営資源に恵まれない中小企業こそデジタル技術を積極活用すべき
  4. 勤怠管理システムで勤怠関連業務にかかる時間と労力が大幅に減り、ミスが減少
  5. 勤怠管理システムを導入して、働き方に対する意識が変わったことが、フレックス制度を導入することにつながった
  6. 情報共有と的確な判断をするため、業務支援システム、工程管理・進捗管理システムを導入
  7. 2022年11月には「SDGs宣言書」を発表
  8. 社長自ら「1日1学 倉敷で働く社長の学び」と題したブログを定期的に更新
中小企業応援サイト 編集部
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ひだかや株式会社は岡山県倉敷市を地盤に太陽光発電施工をはじめ、住宅の内装リフォーム、電気事業、エネルギーの総合コンサルティングに取り組んでいる。ICTやデジタル機器を活用しながら太陽光発電を主力事業として着実に育てている。(TOP写真:ひだかやが施工販売する太陽光発電パネルのサンプル)

岡山県倉敷市を地盤に5,000件の施工実績

倉敷市内の幹線道路沿いにあるひだかや株式会社の本社と併設したショールームでは、太陽光発電パネルのほか、キッチン、浴室、洗面台、トイレなどの設備が常設展示されている。地元・倉敷市を中心に1970年の設立以来、半世紀にわたるリフォームや太陽光発電などの施工実績は5,000件にのぼる。

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本社と併設したひだかやのショールーム
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ショールームで展示している施工実績

「人々の豊かな暮らしの実現のために何ができるかを常に考えています。お客様、従業員、地域の皆様を含む全ての人を大切にする経営を続けて行く上で、大きなポイントになるのがデジタル技術の活用と考えています」と取材に応じた中山善継代表取締役は話した。

脱炭素の流れの中、1998年から太陽光発電事業に参入。実績を重ねる

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ひだかやが施工販売している蓄電池のサンプル

ひだかやが太陽光発電の施工販売を開始したのは、四半世紀前の1998年にさかのぼる。当時、日本の太陽電池生産量は世界最大を誇っていた。ひだかやにとって太陽光発電は未知の分野だったが、その将来性に着目した。

2012年、太陽光発電で作った電気を貯めることができる蓄電池の施工販売を開始。2013年には自社の太陽光発電事業に「ミライソーラー」のブランド名を冠し、その取り組みを更に強化した。その後も再生可能エネルギー分野に力を入れ、小水力発電などの事業にも取り組んでいる。

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ひだかやの商談スペース

「次の世代に明るい未来を残すために何ができるのかを真剣に考えて事業に取り組んでいます。四半世紀にわたる太陽光発電に関する豊富な施工実績と蓄積してきたノウハウを武器に、地域で一番の太陽光発電事業者でありたいと思っています。お客様の要望やライフスタイルに合わせた提案から施工、アフターサービスまで、建築(水回り関連)が資格を持ったものが一貫して対応しているので設置後も安心していただけるようにアフターサービスには特に力を入れています」と中山社長はその思いを力強く語った。

大企業と比較して経営資源に恵まれない中小企業こそデジタル技術を積極活用すべき

2016年に代表取締役に就任した中山社長は、財務管理を中心とした経営力向上と人材育成に力を入れてきた。従業員は会社の信条を記入したクレドカードを携帯し、会社をより良くしていくために必要なことを常に考え、実行するようにしている。「仕事は単なる労働ではなく、人生を豊かに楽しくするものでなければならないと思っています」と中山社長は話した。

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中山善継代表取締役

スピード感を持って事業に取り組む上で、ICTやデジタル機器を活用することが一番の方法と考えている。「大企業と比較して経営資源に恵まれない中小企業こそ、デジタル技術を積極的に活用すべきと考えています。貴重な資源である時間を無駄にすることなく、最優先でやるべきことは何かを常に考えることで労働時間の質を上げていきたい」と中山社長は話す。事務的な仕事をできる限り効率化することで、機械やシステムではできない創造的な仕事に従業員がより多くの時間を使えるようにしたいという。

勤怠管理システムで勤怠関連業務にかかる時間と労力が大幅に減り、ミスが減少

2021年1月に勤怠管理システムをデジタル化した。導入前の勤怠関連業務では、担当者が各従業員のタイムカードを基に勤務状況を把握した上で給与計算システムに手入力していた。手入力で行っていたため時間がかかり、時折、入力ミスや計算ミスが発生していた。システム導入後は、従業員それぞれの出勤時間、退勤時間を集計したデータを基に給与が自動計算できるようになったので、勤怠関連業務にかかる時間と労力が大幅に減り、ミスが減少したという。

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勤怠管理システムを活用する様子

システムを導入したことで従業員一人ひとりの働いている時間が可視化できるようになった効果は大きく、効率的な働き方を意識することにつながり、残業時間の更なる減少にもつながった。

勤怠管理システムを導入して、働き方に対する意識が変わったことが、フレックス制度を導入することにつながった

太陽光発電を担当している環境事業部の担当者は、顧客の要望に合わせて早朝や午後6時以降に商談や打ち合わせをするケースが多い。定時の勤務時間を超えてしまうことへの対応策として、総労働時間の範囲内で労働者が始業と終業の時間を自由に決めることができるフレックス制度を2023年4月に導入した。柔軟な勤務シフトで働けるようになったことで、「家庭と仕事の両立が図りやすくなった」と担当者に好評という。今後、フレックス制度はほかの部署でも導入する方針だ。

「勤怠管理システムを導入して働き方に対する意識が変わったことが、フレックス制度を導入することにもつながりました。余裕を持って仕事に取り組める環境を柔軟に整えていきたいと考えています」と中山社長。

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ひだかやのオフィスの様子

情報共有と的確な判断をするため、業務支援システム、工程管理・進捗管理システムを導入

2023年4月からは、工事台帳や原価管理、売上請求管理、仕入先管理、労務管理をデジタルで行うことができる業務支援システムを導入。工事の工程や納期の情報のほか、現場の進捗状況やスケジュールを共有化できるシステムも導入し、2023年8月から本格的な活用を始めた。従業員全員のスケジュールを共有できるので、打ち合わせや会議の日程を迅速に決めることが可能になり、時間の有効活用につながっている。「的確な判断をするためには、情報、知識、体験を共有することがポイントになると考えています。全員でゴールを目指す態勢を整える上で、ICTは本当に役に立っています」(中山社長)

2022年11月には「SDGs宣言書」を発表

ひだかやは、国連が提唱する持続可能な開発目標、SDGsへの賛同を表明している。2022年11月には、労働時間の是正、省エネ・節電、環境配慮型サービス・製品の提供、地域教育への貢献といった、SDGs達成のための一連の取り組みを盛り込んだ「SDGs宣言書」を発表した。

社長自ら「1日1学 倉敷で働く社長の学び」と題したブログを定期的に更新

中山社長は7年にわたって
「1日1学 倉敷で働く社長の学び」 https://ameblo.jp/tigeryoshi2007/
と題したブログを定期的に更新している。「継続することに意義があると思っています。ブログを書く題材を探すことで世の中の新しい動きへの感度が鋭くなりました。発信力やプレゼンテーション能力を高める上でもプラスに働いています」と中山社長はその効果について話した。

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ひだかやの本社の外観

「スピード感のある対応は、相手がどう感じたかで決まります。常に相手の立場に立ったスピード感のある対応をこれからも心がけていきたい。また、過去の考え方に縛られることなく、常に自由な発想で新しい情報や知識を探求していきたいと考えています。チャレンジを恐れない姿勢をこれからも大事にしていきます」と中山社長は決意を述べた。

企業概要

会社名ひだかや株式会社
住所岡山県倉敷市西富井1076
HPhttps://e-hidakaya.com
電話086-424-4608
設立1970年6月
従業員数18人
事業内容  太陽光発電システム施工販売、建設業(新築、増改築、内装、クロス)、各種インテリア商品、オーダーカーテン、不動産業、介護用品レンタル