2022年のEC市場は22兆円!前年比9.9%のプラス成長に【経産省調査2023年最新版】

経済産業省が毎年実施している「電子商取引に関する市場調査」の2023年度版の報告書が8月31日に公開されました。

2022年の国内BtoC-EC市場(一般消費者向けのEC市場)は22兆7449億円。市場規模は前年(2021年)と比べて2兆499億円増加し、前年比9.91%のプラス成長でした。

本稿では「電子商取引に関する市場調査」を踏まえ、商品カテゴリごとのEC市場規模やスマホECの成長率など、2022年におけるEC市場の各種数字を紹介します。

また、総務省の「家計消費動向調査」をもとに2023年1〜6月のEC消費動向も考察しました。1世帯あたりのEC消費額やネットショッピング世帯利用割合など、直近のEC消費の動向を紹介していますので、EC戦略を策定する際の参考にしてください。

目次

  1. 2022年のBtoC-EC市場規模は22兆7449億円
    1. 物販ECは約14兆円でEC化率9.13%
    2. スマホEC比率は56%に上昇、パソコンECはマイナス成長に
    3. サービス系ECは「旅行」や「飲食」が回復
    4. デジタルコンテンツは6%のマイナス成長
  2. 2023年1~6月(上半期)のEC支出はプラス成長
    1. ネットショッピングの世帯利用割合は横ばい
  3. “既存顧客のファン化”によるリピート促進や単価アップが一層重要に
    1. futureshopの流通データからEC市場をさらに深掘り
    2. ホワイトペーパー配布中

2022年のBtoC-EC市場規模は22兆7449億円

2022年のBtoC-EC市場は、「物販系分野」が前年比8.78%増と引き続き拡大したほか、コロナ禍で消費が落ち込んでいた旅行や飲食など「サービス系分野」が前年比32.43%増と大幅に伸びました。一方、「デジタル系分野」はオンラインゲームの市場が落ち込んだことからマイナス成長となっています。

【BtoC-EC市場 物販・サービス・デジタルの内訳】

物販系分野・・・13兆9997億円(前年比8.78%増)
サービス系分野・・・6兆1477 億円(前年比32.43%増)
デジタル系分野・・・2兆5974億円(前年比6.10%減)

BtoC-EC市場の直近10年間の推移を見ると、2020年が唯一マイナス成長だったものの、長期では右肩上がりで拡大しています。2022年も前年比10%近く伸びており、EC市場は依然として拡大基調にあることが示されました。

物販ECは約14兆円でEC化率9.13%

2022年の物販EC市場は、前年比5.37%増の13億9997億円でした。市場規模は10年間で約2.3倍に拡大しています。小売市場全体に占めるECの割合を意味する「EC化率」は9.13%で、前年比0.35ポイント上昇しました。

物販ECにおける商品カテゴリごとの市場規模を見ると、すべてのカテゴリがプラス成長でした。コロナ禍での巣ごもり需要が一巡した2022年も、物販ECは引き続き堅調に推移しています。成長率が高かったカテゴリは上位から「食品・飲料・酒類」(前年比9.15%増)、「化粧品・医薬品」(前年比7.48%増)、「自動車・自動二輪車・パーツ等」(前年比5.55%増)でした。

スマホEC比率は56%に上昇、パソコンECはマイナス成長に

物販EC市場におけるスマホEC(スマートフォン経由の物販)の市場規模は、前年比12.90%増の7兆8375億円でした。スマホ比率は56.0%で、前年比3.80ポイント上昇しています。

【スマホECの市場規模】

●2015年  1兆9862億円
●2016年  2兆5559億円
●2017年  3兆 90億円
●2018年  3兆6542億円
●2019年  4兆2618億円
●2020年  6兆2269億円
●2021年  6兆9421億円
●2022年  7兆8375億円

なお、パソコン経由のEC市場*の成長率は前年比2.87%のマイナスでした。近年の物販EC市場ではスマホECが市場をけん引しており、ECサイトの運営において、スマホ最適化が必須になっています。

*物販ECの市場規模からスマホECの市場規模を引いた数字

サービス系ECは「旅行」や「飲食」が回復

旅行サイトや飲食店予約サイトなど「サービス系分野」のEC市場規模は、前年比32.43%増の6兆1477億円でした。サービス系分野の市場規模は2020年から2021年にかけて大幅に落ち込みましたが、2022年は外出需要の回復に伴い、サービス系のEC消費も大きく伸びています。

ただ、コロナ禍前の2019年の市場規模と比べると、2022年は14.22 %減(1兆195億円の減少)でした。サービス系ECの回復は、2022年時点では道半ばと言えるでしょう。

デジタルコンテンツは6%のマイナス成長

オンラインゲームや電子書籍、音楽配信・動画配信など「デジタル系分野」のEC市場規模は、前年比6.10%減の2兆5974億円でした。デジタル系分野がマイナス成長になるのは過去10年で初めてです。

コロナ禍におけるステイホームで巣ごもり消費の対象となった電子書籍や動画配信は2022年もプラス成長だったものの、カテゴリ別でもっとも市場規模が大きい「オンラインゲーム」が前年比18.79%減と大幅に落ち込んでいます。

2023年1~6月(上半期)のEC支出はプラス成長

2022年のEC市場を振り返ってきましたが、ここからは2023年1〜6月(上半期)のEC市場動向について、総務省が公表している「家計消費状況調査」をもとに考察します。

1世帯あたりのEC支出金額(二人以上の世帯)は、2023年1月以降、すべての月で前年同月を上回っています。2023年6月の支出額は前年同月比8.2%増の2万2199円でした。

ネットショッピングの世帯利用割合は横ばい

ネットショッピングの支出額はプラス成長が続いている一方で、ネットショッピングの利用割合は横ばいです。

2021年1月以降のネットショッピング利用割合(二人以上の世帯)の月次推移を見ると、2023年1〜2月は過去2年の同じ月を下回りました。2022年6月の利用割合は53.3%で、前年同月比0.3ポイント増と小幅な上昇にとどまっています。

“既存顧客のファン化”によるリピート促進や単価アップが一層重要に

「電子商取引に関する市場調査」の結果を踏まえると、2022年もEC市場は総じて堅調に推移したようです。一方、「家計消費状況調査」の数字を読み解くと、足元のEC市場は「すでにECを利用している消費者の支出額は増えているものの、EC利用率は横ばいにある」と考えられます。

コロナ禍における巣ごもり需要が一巡し、消費のリアル回帰が進む中で、EC市場への新規ユーザーの流入が鈍化している可能性があり、新規顧客を獲得しにくいフェーズにあるのかもしれません。

その一方で、ECをすでに利用している消費者の支出額は増えていることから、既存顧客のファン化を通じて、単価アップやリピート率向上に注力することの重要性が高まっていると言えるでしょう。

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