(本記事は、福山 敦士氏の著書『会社、仕事、人間関係で 心が疲れない仕事術』=あさ出版、2023年3月14日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)
モチベーションは 上げ下げ しすぎない
モチベーションのバランスを意識する
心を疲れさせないように働くには、気持ちをニュートラルに保つのが一番です。
特にモチベーションは上げすぎたり、下げすぎたりしないことです。
「人は感情の生き物である」と言われます。感情が行動の原動力になるため、「頑張ろう」とか「よし、やろう」というモチベーションがあるのは素敵なことです。
ただ、バランスが必要です。
モチベーションが上がるということは、平常時とは違う精神状態になっているということです。
当然、モチベーションが上がりっぱなしだと疲れてしまいますので、いずれ、平常心に戻ります。つまり、必要以上にモチベーションを上げすぎてしまうと、ニュートラルに戻る=モチベーションが下がることになり、上がれば上がるほどその度合いが増え、心に負担がかかります。
また、一度、モチベーションが下がってしまうとなかなか前向きになれないことから、ニュートラルの状態にする(上げる)のに相当のパワーが必要になります。
モチベーションが下がる時は、調節が難しいかもしれませんが、モチベーションを上げる時は、上げすぎないように意識しましょう。
モチベーションのコントロールの仕方
心が疲れないように、モチベーションを上げすぎないと言われても、どう調整すればいいかわからないかもしれません。ここでは実際に僕自身が行っているモチベーションコントロールの作法をご紹介します。
ポイントは「上下」ではなく「遠近」を使い分けることです。
・遠くの目標を追いかける
理想の未来と今の仕事を紐づける(意味付けをする)方法です。モチベーションを安定させたい時に有効です。直近ではなく、1、2年後など少し先の未来を設定することがポイントです。1、2年後でも高すぎる目標の場合は10〜20年後などに設定することで、今の業務の意義を深く問うことができるため、その後迷いがなくなります。
たとえば「いつか起業したい」「いつか田舎で暮らしたい」でもOKです。
・近くのタスクに追われてみる
期日が迫っていて、やらないといけないタスクに集中する方法です。主にモチベーションが下がっている際に有効です。手を動かしながら考えると、悩みの優先度が下がります。先のことを考えて不安になる時などは、目の前のタスクに全集中するという方法が有効です。
ビジネスにおいて中長期の目標がなかなか立てづらい方などは目標を近くに置くことをオススメします。ビジョンなどは設定せず、とりあえず「近くのタスクに追われてみる」うちに、ランナーズハイ(走っている最中や、走った後に訪れる多幸感)の状態に自分の意識をもっていってしまうのです。
ランナーズハイには、脳内物質が関係していると考えられており、集中して仕事をしている時も、同様に「ワーカーズハイ」の状態が訪れ、モチベーションを自動的に上げることができます。
病気までいかないような、バイオリズムなどの影響による体の不調でモチベーションが上がらない時は、どちらかというと「近くのタスクに追われてみる」方式を使うと、比較的楽に調子を取り戻すことができます。
POINT
目標を遠近させることでモチベーションをコントロールする
ビジネス教育研究家
香川オリーブガイナーズ球団代表取締役社長
1989年横浜生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を卒業。新卒でサイバーエージェントに入社後、1年目からグループ会社の起ち上げに参画。25歳でグループ会社の取締役に就任。営業本部長を兼任。27歳で独立し、株式会社レーザービーム代表取締役に就任。クラウドソーシングサービスを起ち上げ、28歳で東証一部上場企業の株式会社ショーケースにM&A。29歳で同社執行役員、30歳で取締役に就任。2020年、営業支援会社のDORIRU(旧ギグセールス)をM&A。2023年、プロ野球独立リーグ香川オリーブガイナーズ球団をM&A、代表取締役社長に就任。「学問をつくる」活動として慶應義塾高校、鎌倉学園高校で講師(ビジネス講座)を務める。学生時代は野球ひと筋。高校時代は甲子園ベスト8。著書累計13万部。3児のパパ。
※画像をクリックするとAmazonに飛びます