世界的大企業も実践 心をムダに疲れさせず集中力を高めるマインドフルネスとは
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(本記事は、福山 敦士氏の著書『会社、仕事、人間関係で 心が疲れない仕事術』=あさ出版、2023年3月14日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

マインドフルネスで 平常心(・・・) を保つ

仕事がうまくいっている人は、「今」に集中している

仕事をしていると、日々、様々なことが起こります。

思っていた以上に大きな結果が出たり、ミスやトラブルが起きたり、自分はうまくいっていても後輩や同僚のミスのフォローに入ることになったり、毎日計画通りに1日が終わることなど、なかなかないでしょう。

何かが起きるたびに、心も動きます。褒められたらうれしくてワクワクしますし、注意されたら落ち込むし、同僚や後輩のミスには心配になるでしょう。これは、当然です。ただ、何かが起きるたびに心が揺れ動いていたら、心は毎日疲れ果ててしまいます。

心をムダに疲れさせないためには、平常心を意識して保つことです。平常心とは精神が安定している状態をいいます。精神が安定していると物事に対して不用意に動じることがなくなり、冷静に物事を判断できるという、仕事をするには適した状態になり、スムーズに仕事が進みます。

平常心を保つのにオススメなのが、マインドフルネスです。

マインドフルネスとは、「今、ここ(目の前のこと)」に集中することです。今、遂行すべき業務以外の情報をすべてシャットアウトして、心をムダに疲れさせないようにするのです。マインドフルネスのことを瞑想だと思っている人もいるようですが、それはちょっと違います。簡単に言うと、次のような違いがあります。

瞑想……目を閉じて呼吸を整え、無心になっていくこと
マインドフルネス……無心になったその先に訪れる「心の状態」

瞑想はあくまでマインドフルネスの状態になるための手段(行動)なのです。

仕事前の瞑想で、ビジネス的マインドフルネス状態に入る

周りの音や行動に振り回されることなく、また過去の失敗や未来への不安などにとらわれることなく仕事に集中できる状態を、僕は「ビジネス的マインドフルネス状態」と言っています。

ビジネス的マインドフルネス状態になるには、仕事を始める前に5分間、呼吸に意識を向けてみましょう。

深呼吸(腹式呼吸)し、「今、お腹が膨らんでいる、(へこ) んでいる」と呼吸と身体の状態を意識します。上司の顔色、他人からの評価、今やっている作業以外の仕事の進捗……などが頭をよぎっても、呼吸に意識を向け続けます。呼吸のこと以外考えなくなったら深呼吸を終え、業務に取り掛かります。

僕自身も、ミスをして落ち込んだり、想定外の出来事に悩んだりすることがあります。ただ、落ち込んだまま、悩んだ状態でよりよいパフォーマンスは発揮できません。決断をする仕事の前は、その都度、呼吸に意識を向けます。

たとえばスポーツをする際も、アップ(準備運動)の時間があります。アップは20〜30分かけて身体をほぐすだけでなく、気持ちを高めていく大切な時間です。仕事も、気持ちを高めるためには一定の時間が必要です。人間の気持ちは一瞬では切り替わりません。オンとオフの移行時間を感じながら、気持ちを物理的にコントロールしてみることをオススメします。

目の前の業務以外の雑念を振り払い、一瞬一瞬、今なすべき業務に集中して向き合うと、余計な雑音も聞こえなくなり、心が揺れることがなくなります。また、人は集中状態に入ると疲れを感じません。ぜひ試してみてください。

マインドフルネスはGoogleやアップルなど、世界の名だたる企業が研修として取り入れていることも知られており、その効果はハーバード大学でも研究されました。目の前のことだけに集中し、雑念を払って、心を整えビジネスワークに挑みましょう。

POINT

仕事を始める前にマインドフルネスで集中力を高め、自分を整える

会社、仕事、人間関係で 心が疲れない仕事術
福山 敦士(ふくやまあつし)
連続起業家
ビジネス教育研究家
香川オリーブガイナーズ球団代表取締役社長
1989年横浜生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を卒業。新卒でサイバーエージェントに入社後、1年目からグループ会社の起ち上げに参画。25歳でグループ会社の取締役に就任。営業本部長を兼任。27歳で独立し、株式会社レーザービーム代表取締役に就任。クラウドソーシングサービスを起ち上げ、28歳で東証一部上場企業の株式会社ショーケースにM&A。29歳で同社執行役員、30歳で取締役に就任。2020年、営業支援会社のDORIRU(旧ギグセールス)をM&A。2023年、プロ野球独立リーグ香川オリーブガイナーズ球団をM&A、代表取締役社長に就任。「学問をつくる」活動として慶應義塾高校、鎌倉学園高校で講師(ビジネス講座)を務める。学生時代は野球ひと筋。高校時代は甲子園ベスト8。著書累計13万部。3児のパパ。

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