目標は達成よりも設定の方が難しい? ビジネスにおける目標設定のコツ
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(本記事は、福山 敦士氏の著書『会社、仕事、人間関係で 心が疲れない仕事術』=あさ出版、2023年3月14日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

目標は設定こそが すべて(・・・)

よいなと思う目標をマネる

目標の達成よりも、圧倒的に難しいのはその設定です。

有限な人生の中でどこに行くか、どの高さを目指すか。目標設定は人生を決めると言っても過言ではありません。でもやり方を教えてもらうことは、ほとんどありません。目標設定はベテランビジネスマンになっても難しいからです。

いい目標設定は、身の丈よりも少しだけ高く、チャレンジして達成できるものです。漠然と自分も何か目標を持ちたいと思ったら、まずは企業のビジョンや偉人の目標などをリサーチしてみましょう。「憧れのあの人は、こういう年齢でこんな目標をつくったのか」と知ることも、目標設定のヒントになります。

僕が特にお勧めするのは、企業が掲げている目標です。歴史ある企業の目標は、長い時間をかけて、それぞれの時代を駆け抜け、様々な葛藤を乗り越えて生み出された言葉です。非常に洗練されています。

企業とはいえ、それを動かしているのは人です。目標設定に迷ったら、企業のビジョンを参考にしてみましょう。

目標設定のテクニック

目標には「定量と定性」と「結果と成果」があります。このすべてを網羅しているのがいい目標です。

まずは、定量と定性を見ていきましょう。

ピーマンの好き嫌いについて調査を行った場合、「定量」は数値で表すことができる好き嫌いの人数や割合といった要素で、「定性」は数値では判別できない行動や発言、つまりピーマンを好きな理由、嫌いな理由を聞くといった違いです。

目標設定は、定量と定性の両方の観点が必要です

定量目標だけに偏ると「数字を達成しているのだから、多少、ズルいことをしてもいい」という発想になってしまうからです。

「結果は出しているので、仕事のやり方について指図しないでください」

と言う人が稀にいますが、グレーなことをして達成してもいいのはその瞬間だけ。必ずそのグレーな部分が 足枷(あしかせ) となり、自分自身や会社を苦しめることになり、継続成長が困難になります。

数値を正しく追い求めるために、定量と定性の目標はセットで考えることが大事です。これは、あなたが先輩や上司になった時、部下や後輩が道を誤ることがないよう、頭の隅に留めておいてください。

では結果目標と成果目標についてお話ししましょう。ただ、結果と成果は混同しやすいので、以下、成果目標は、「行動目標」と記します。

結果目標は文字通り、成し遂げた後の結果、どうなっていたいかというものです。売り上げが○億円なども結果目標です。

行動目標は、結果に依存せず自分がそれによってどう動くのかを文章化したもので、座右の銘や信念に近いものです。行動目標を意識して、1つひとつ課題やトラブルをクリアしていけば、結果目標が達成できるという構造が理想で、目標設定のスキルが高い人ほど、行動目標と結果目標を紐づけています。そこに具体的な定量と定性の目標を落とし込んでいきます。

僕の行動目標は、 二十歳(はたち) の時から変わりません。

――日本初・世界水準で、勇気を与える存在になる――

言葉だけでは空虚なものになってしまうので、その姿をみんなに見せることが大事だと心掛けています。

いつも自分の頭の中に入っており、僕の行動指針になっています。

目標設定は難しいものですが、確固とした目標があれば、生活の濃度は深まり、仕事の解像度は高まっていきます。

POINT

正しい目標を立てて、進む方向を定める

会社、仕事、人間関係で 心が疲れない仕事術
福山 敦士(ふくやまあつし)
連続起業家
ビジネス教育研究家
香川オリーブガイナーズ球団代表取締役社長
1989年横浜生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を卒業。新卒でサイバーエージェントに入社後、1年目からグループ会社の起ち上げに参画。25歳でグループ会社の取締役に就任。営業本部長を兼任。27歳で独立し、株式会社レーザービーム代表取締役に就任。クラウドソーシングサービスを起ち上げ、28歳で東証一部上場企業の株式会社ショーケースにM&A。29歳で同社執行役員、30歳で取締役に就任。2020年、営業支援会社のDORIRU(旧ギグセールス)をM&A。2023年、プロ野球独立リーグ香川オリーブガイナーズ球団をM&A、代表取締役社長に就任。「学問をつくる」活動として慶應義塾高校、鎌倉学園高校で講師(ビジネス講座)を務める。学生時代は野球ひと筋。高校時代は甲子園ベスト8。著書累計13万部。3児のパパ。

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