医者が教える 心と体が本当に整う サウナ習慣
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(本記事は、小林 弘幸氏の著書『医者が教える 心と体が本当に整う サウナ習慣』=Gakken、2023年3月23日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

健康とは「血流がよいこと」である

「サウナがなぜ体によいのか?」をご説明する前に、そもそも「体によい」とはどういうことかについて考えてみましょう。

「何をどのように食べるのか?」 という食生活、日中の活動のしかたや睡眠などの生活習慣、運動の習慣やストレス対策などについて、今日さまざまな健康法が提唱されています。

本書が陳列されている書店の健康本コーナーでも、あまたの本のタイトルが百家争鳴の状態となり、読者のみなさんはどの本を手にとるか、きっと迷ってしまったことでしょう。

もちろん、さまざまな健康法があってよいのですが、実は私が考える健康の概念とは、とてもシンプルなものです。究極的にいえば、健康とは 「血流がよいこと」です。血液の流れがスムーズになれば、全身のすべてが健康になりますし、その逆に血流が滞ってしまえば、どんな健康法を実践しても意味がありません。

つまり、実践した健康法が効果的であったとすれば、それはその人の血流が改善されたということです。

「血流をよくする」効果とは、たとえば「胃腸にいい」とか「腰痛に効く」などという部分的なものではなく、それは全身のすべての臓器や組織に好影響を与えるトータルケアにほかなりません。

では、なぜ血流をよくすると全身のすべてが健康になるのでしょうか?

その答えは、血液が果たしている役割を理解すれば、おのずとわかります。

血液が果たしている最大の役割とは、全身の細胞組織に酸素や栄養を送り届けて、代わりに二酸化炭素や老廃物を回収することといえるでしょう。

血液の流れがスムーズであればこそ、全身の細胞組織は十分な酸素と栄養を得ることができますし、さらには老廃物が蓄積することなく、活発に生命維持活動をおこなうことができるのです。 仮に血流が滞ってしまえば、全身の細胞組織において酸素と栄養が欠乏し、細胞内に老廃物がたまってしまうため、体にさまざまな不調が現れます。体を守る免疫系に関しても、血液は重要な働きをしています。

血液の成分のひとつである白血球には、さまざまな種類の免疫細胞がありますが、この免疫細胞は血液の流れにのって全身をめぐり、 さまざまな不調や病気につながる病原体を探してパトロールしています。

病原体を見つけると、不調や病気を未然に防ぐべくすぐさま攻撃して、また病原体に細胞が侵されてしまった場合には、その細胞を排除して体調を改善しようとします。つまり、免疫細胞の活躍もスムーズな血流があってこそ…なのです。

医者が教える 心と体が本当に整う サウナ習慣
(画像=『医者が教える 心と体が本当に整う サウナ習慣』より)
医者が教える 心と体が本当に整う サウナ習慣
小林 弘幸
1960年、埼玉県生まれ。順天堂大学医学部教授。1992年、順天堂大学大学院医学研究科博士課程修了後、ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属小児研究センター、アイルランド国立小児病院外科を経て、順天堂大学小児外科学講師・助教授を歴任。
日本スポーツ協会公認のスポーツドクターでもあり、自律神経のバランスを意識的にコントロールすることで、心身のパワーを最大限発揮できることを提案。数多くのトップアスリートのコンディショニング、パフォーマンスの向上指導にかかわっている。自律神経研究の第一人者であり、書籍も多数刊行している。

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