医者が教える 心と体が本当に整う サウナ習慣
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(本記事は、小林 弘幸氏の著書『医者が教える 心と体が本当に整う サウナ習慣』=Gakken、2023年3月23日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

サウナとは「血管の筋トレ」である

では「血流をよくする」ためには、どうすればよいのでしょうか?

その答えとは、ズバリ「血管を鍛える」ことです。

血管は大きな血管である動脈と静脈、小さな血管である毛細血管の3つに大別されます。改めていうまでもなく、血液は血管の中を流れていますが、その流れをコントローしているのが私の専門分野である自律神経です。

つまり、「血管を鍛える」ためには、動脈と静脈、毛細血管という血管だけでなく、自律神経も鍛える必要があるのです。

そして、サウナには血管と自律神経を鍛える絶大な効果があるのです。

この根拠に基づいて、私はサウナとは「血管の筋トレ」であると提唱しています。

「血管を鍛える」ためには、「血流をよくする」ことが重要です。

「卵が先かニワトリが先か」という話に聞こえるかもしれませんが、「血流をよくする」ために「血管を鍛える」とき、その手段もまた「血流をよくする」ということになるのです。

とはいえ難しく考える必要はなく、ただ「血流をよくする」ことさえ実践すれば、自然に血管は鍛えられ、その結果、ますます血流がよくなり、血管もさらに強くなってく・・・・・・・そう理解していただければOKです。

血管を鍛える方法は、ソフトとハード、2つの方法があります。

ソフト面でいえば、食事です。

血管を傷つける高血圧を防ぐために塩分の摂取量を控える、あるいは血管をやわらかくしなやかにする効果のあるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が豊富に含まれるオメガ3系のオイルを積極的に摂る・・・・・・などが推奨されています。

一方、ハード面で本書がおすすめするのがサウナです。

サウナは、血管を鍛えるために大変有効な方法です。

しくは後述しますが、サウナで体を温めてから、水風呂や水シャワー、外気浴によって体を冷やす・・・・・・これを複数回くり返すことによって、全身の血液の流れが促進され、また自律神経にも適度な刺激を与えることができます。

このことによって、大きな血管である動脈と静脈、小さな血管である毛細血管、さらに自律神経のコンディションも向上させることができるのです。

同じ効果は運動によっても得られますが、サウナであれば、運動が苦手な人であっても容易に毎日利用できるため都合がよいと思います。

サウナで血流をよくすれば、血管がしっかりと鍛えられて、その結果、血流がさらによくなって…といったように「血流をよくする」ことと「血管を鍛える」こととが相乗効果を生むため、サウナを日々の習慣にすれば大きな健康効果が期待できます。

突然死を引き起こす合併症の危険もある動脈硬化、また毛細血管のゴースト血管化など、血管におけるさまざまな健康リスクを予防・改善し、さらには自律神経のバランスも整える・・・・・・サウナによる健康効果は絶大であると考えます。

ぜひみなさんにも、血管の筋トレとなるサウナを利用していただきたいと思います。

医者が教える 心と体が本当に整う サウナ習慣
(画像=『医者が教える 心と体が本当に整う サウナ習慣』より)
医者が教える 心と体が本当に整う サウナ習慣
小林 弘幸
1960年、埼玉県生まれ。順天堂大学医学部教授。1992年、順天堂大学大学院医学研究科博士課程修了後、ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属小児研究センター、アイルランド国立小児病院外科を経て、順天堂大学小児外科学講師・助教授を歴任。
日本スポーツ協会公認のスポーツドクターでもあり、自律神経のバランスを意識的にコントロールすることで、心身のパワーを最大限発揮できることを提案。数多くのトップアスリートのコンディショニング、パフォーマンスの向上指導にかかわっている。自律神経研究の第一人者であり、書籍も多数刊行している。

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