医者が教える 心と体が本当に整う サウナ習慣
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(本記事は、小林 弘幸氏の著書『医者が教える 心と体が本当に整う サウナ習慣』=Gakken、2023年3月23日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

「サウナで痩せる」のウソ・ホント

「サウナに入ると、すぐに痩せられる」「ダイエットにイイから、サウナに行く」そんな人は少なからずいると思いますが、ダイエットを目的としたサウナ利用の効果は単なる思い込みで、実はまったくダイエットになっていないケースが多いものです。

確かに何度か「サウナ〜水風呂」をくり返すだけで簡単に1〜2㎏は体重が減りますが、これは体の水分が抜けただけでダイエットにはなっていません。その後に水分を摂れば、すぐに元の体重に戻ってしまいます。

ただし、「むくみを取る」という効果はあります。

たとえば、塩分を摂り過ぎたときには、高くなり過ぎた塩分濃度を希釈しようとして、体が水分を血中や組織液内にとり込むため、体内の水分量が増えてむくみが出ます。

このときにサウナで汗をかけば、水分と塩分が体外に排出されてむくみは解消されます。

「サウナに入ると、すぐに痩せられる」というのは間違いですが、「サウナに入ると、すぐにむくみが取れて顔がシュッとする」というのは正解というわけです。

では、サウナにはダイエット効果がないのかといえば、そんなことはありません。

サウナによるダイエット効果は、自律神経に刺激を与え、血行をよくすることで向上する「 代謝(たいしゃ) 」によって得ることができるのです。

代謝とは、簡単にいえば食事で摂った糖分や脂質などの栄養素を体内で燃やし、生命を維持するエネルギーに変えることです。

代謝の力がパワーアップされれば、肥満の原因となる糖質や脂質をすぐにエネルギーに変えることができるため、脂肪として体に蓄積しにくくなります。つまり、サウナによって代謝を高めれば、太りにくく、痩せやすい体質になれるということです。

さらに、代謝は腸内環境を整えることによっても向上するため、腸を元気にする効果も期待できるサウナは、ダイエットに大変有効であるといえるでしょう。

確かにサウナによるダイエット効果は即効性のあるものではありませんが、長期的に見れば、健康的に痩せられる理想的なダイエットとして利用できると思います。

もちろん、サウナ後に過食や暴飲をしてしまえば、その効果はなくなってしまうので、くれぐれも食べ過ぎ、飲み過ぎには注意してください。

暴飲暴食しないように心がけつつ、日々の生活の中にサウナをとり入れれば、みなさんの体は太りにくく、痩せやすい体質へと変わっていくはずです。

医者が教える 心と体が本当に整う サウナ習慣
小林 弘幸
1960年、埼玉県生まれ。順天堂大学医学部教授。1992年、順天堂大学大学院医学研究科博士課程修了後、ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属小児研究センター、アイルランド国立小児病院外科を経て、順天堂大学小児外科学講師・助教授を歴任。
日本スポーツ協会公認のスポーツドクターでもあり、自律神経のバランスを意識的にコントロールすることで、心身のパワーを最大限発揮できることを提案。数多くのトップアスリートのコンディショニング、パフォーマンスの向上指導にかかわっている。自律神経研究の第一人者であり、書籍も多数刊行している。

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