(本記事は、小林 弘幸氏の著書『医者が教える 心と体が本当に整う サウナ習慣』=Gakken、2023年3月23日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)
水風呂が苦手な人はどうすればいいのか?
「サウナは好きだけど、水風呂は苦手・・・・・・」そういう人は、結構多くいらっしゃると思います。そんな方は、ぜひ一度、手首から先を水風呂につけずに入ってみてください。
人間の手のひらは、車の部品でいえば「ラジエーター」の役割を果たしています。
ラジエーターとは、エンジンがオーバーヒートしないように冷却する部品のことです。
みなさんは「手のひら冷却」という言葉をご存じですか? 熱中症の初期症状を改善するための体の冷やし方をいいます。 洗面器に10〜15度の冷水を張って、そこに5〜10分両手をつけるという方法です。 暑さの厳しい日に、ぜひ試してみてください。
きっと思っているよりもずっと早く、体が涼しく感じられるはずです。
この手のひら冷却を逆に利用すればいいわけです。手のひらというラジエーターを作動させないことで、体の冷え方をゆるやかにする方法・・・・・ぜひ、試してみてください。
手首から先を水風呂につけない入り方を試してみても、やっぱり水風呂がダメという人は、必ずしも入らなくてOK……というよりも、無理に入らないでください。
そもそも、「サウナ→水風呂」というメニューが絶対であるわけではありません。
水風呂が苦手であれば、水シャワーでもいいですし、季節が冬であれば、サウナを出てそのまま外気浴という流れもおすすめです。
血液型が4タイプあるように、人の体には個人差があります。健康法は、何より無理がないことが大切です。
「気持ちいいな。自分には、このやり方がいいみたいだな・・・・・」そう思えるルーティンが、最高のサウナの入り方なのです。
手を水風呂につけない入り方を試すと、最初は冷た過ぎるように感じても、体に合う人であれば、すぐに「気持ちいい」という感覚がくるはずです。ただし、がまんをして、長く粘り過ぎると深部体温が下がりきってしまい、危険な状態になることもあります。
「これはキツいな......」そう感じる場合は、体が危険を知らせるサインですので、決して逆らうことなく、素直にやめるようにしましょう。
私はサウナが大好きです。自分が大好きなことをほかの誰かにすすめたいと思うのはわかりますし、私もいま同じ気持ちでこの原稿を執筆しています。 しかし、いくら自分にとって最高の習慣でも、他人に無理を強いるのは禁物です。
「サ道」は楽しいブームですが、 「道」の部分は人それぞれです。 ぜひ、本書を参考にみなさんのサウナ健康法をオーダーメイドしてみてください。