(本記事は、栗原 毅氏の著書『1週間で勝手に痩せていく体になるすごい方法』=日本文芸社、2022年12月23日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)
飲んだらやせられないはウソ! お酒 は飲んでもOK
過度なアルコールの摂取は肝臓にも負担がかかり体に毒ですが、適量なら太ることもなく、お酒がよい効果をもたらすこともあります。
私が考える適量は、日本酒で1日に2合、ビールで中びん2本、ワインでグラス3杯。純粋なアルコール量で40gまでです。実際、毎日お酒を20~40g摂取する人とそれ以上または以下の量を摂取する人を比べると、肝臓の状態を表すALT、空腹時血糖値、中性脂肪の数値がいずれも前者のほうがよいことがわかりました。なぜかというと、肝臓がアルコールを分解するときに肝臓内の糖を消費するため。肝臓の糖が減ることで血糖値や中性脂肪が低下し、肥満や脂肪肝の改善にも効果をもたらすのです。
ただしお酒にも糖質が含まれているので、なるべく糖質量の少ないお酒を選ぶことが大切です。一番よいのが糖質ゼロの「蒸留酒」。焼酎やウイスキー、ブランデーなどですが、カクテルやサワーは果汁やリキュールで割っているので糖質が多く要注意。ビール、ワイン、日本酒などの「醸造酒」は糖質が含まれますが、ワインは少なめなのでおすすめです。
飲酒量が増えがちな人には少量で酔う飲み方も。例えば、お酒を温めると吸収がよくなって酔いやすくなったり、血行をよくする作用のある炭酸で割るとアルコールのまわりが速くなったりします。
少しの工夫で劇的に変わる!体に負担をかけにくい お酒の飲み方
お酒の種類だけでなく、飲む時間帯や一緒に食べるおつまみなどにも気を配るようにすると、もっと健康的に飲酒を楽しめます。
まず、夜お酒を飲む日は朝食、昼食をきちんととっておくこと。カロリーをセーブしようと食事を抜いたりするのは、やせるのに逆効果。空腹状態でいきなりお酒やおつまみを口にすると、糖質の吸収が早まり血糖値が急激に上がってしまいます。また、空腹感からおつまみを食べ過ぎてしまう場合も。さらに夜遅くまで飲んだり食べたりすると翌朝は食欲が失せ、再び朝食を抜くことに……。そんな悪循環を回避するためにも、飲酒の前はしっかり食べることが大切です。それができないときは、牛乳1杯だけでもお腹に入れておくとよいでしょう。
飲む時間帯も重要です。特に家飲みだと夜遅くまで飲みがちですが、22時~深夜2時は脂肪細胞を生む「BMAL1」が増える時間帯。この時間も飲み続けていると内臓脂肪は蓄積する一方です。理想は22時までに消化を終えること。逆算して早めの時間に飲み始めるようにしてください。
おつまみは普段の食事と同じようにたんぱく質から食べ始めましょう。たんぱく質はアルコールの代謝に欠かせない栄養素なので、飲酒の際は多めにとるのが秘訣です。糖質はお酒と一緒に摂取すると吸収がよく血糖値が急上昇するので、できるだけ避けるようにしましょう。