「高い能力、成績優秀、高学歴」よりも優先すべき中小企業の新卒採用基準
(画像=Parradee/stock.adobe.com)

(本記事は、後藤 康之氏の著書『ここまでやるか! 地域密着のスゴい会社』=あさ出版、2021年12月9日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

能力、学歴、成績よりも「価値観が合う人」を採用する

●強い組織をつくるために、社員の価値観を揃える

エネチタでは、「能力のある人、成績優秀な人、高学歴な人」よりも、「価値観を共有できる人」を優先して採用しています。エネチタの採用では、能力も学歴も成績も参考にすぎません。

・価値観……社風、組織風土、文化、社内の雰囲気、社長の考え、会社の方針など。

中小企業にとって大切なのは、「価値観を揃えること」です。

価値観が揃っている状態とは、

「社長と社員が同じ優先順位で行動する状態」
「社長と社員が同じ判断基準で行動する状態」

のことです。

【価値観を揃えたほうがいい理由】

・社長の決定がすみやかに実行される。
・ライバル会社より「個人の能力」では劣っていても、組織力で勝負できる。
・お客様の問い合わせに対して、誰でも均一な返答ができる。
・社内の誰が対応しても、お客様が一定レベルのサービスを受けられる。

強い組織をつくるには、「均一である」=「全員が同じ価値観を持つ」ことが不可欠です。したがって新卒採用では、

「エネチタの文化や会社の考え方に共感できるかどうか」

を重視します。

ただ、共感はしてほしいですが、考えや文化に染まってほしいとまでは思っていません。当社の社員を見ていただくとすぐわかるかと思いますが、エネチタには、個性豊かな人たちが集まっており、よくエネチタ動物園と言われます(笑)。

私は社長として、その一人ひとりの個性を生かすよう経営をしているつもりです。なぜならそれぞれが個性を発揮することで「知多半島を元気にする会社」になれると考えているからです。

また当社は、「知多半島を元気にする会社」ですから、就活生から「知多半島の出身ではないのですが、ダメでしょうか?」と質問をいただくことがあります。

繰り返しになりますが、エネチタが求めているのは、知多半島出身者ではなく、「当社の理念や考えに共感していただける人」です。

よって毎年、全国から就活生が集まってきています。

ここまでやるか! 地域密着のスゴい会社
(画像=『ここまでやるか! 地域密着のスゴい会社』より)
ここまでやるか! 地域密着のスゴい会社
後藤 康之 (ごとう・やすゆき)
株式会社エネチタ 代表取締役
愛知県知多市出身。
1997 年に大学卒業後、兵庫県の会社に就職するも1年半後に社長であった父親が他界し、急遽、地元系石油店の株式会社大和(現株式会社エネチタ)に戻り、社会の経験も少ないまま、会社を継ぐことになる。その状況に危機感を抱き、休まず働き続け、独学によるトップセールスで会社を大きく成長させたが、調子に乗って事業の多角化に乗り出した結果、マネジメントの限界で倒産の危機に。その後、徹底した社員教育と地域戦略で業績を回復させ、愛知県の知多半島という限られたエリアのみに事業を絞りながらも、8事業、27拠点に拡大、従業員数400名で2021年にコロナ禍にもかかわらず過去最高益を達成し、今もなお成長を続ける。

※画像をクリックするとAmazonに飛びます