ザッカーバーグがFacebookで目指した世界、果たすべき役割とは
(画像=Song_about_summer/stock.adobe.com)

(本記事は、ジョージ・ビーム氏(著)、今村絵里氏(翻訳)の著書『マーク・ザッカーバーグの生声 本人自らの発言だからこそ見える真実』=文響社、2022年11月10日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

オープンな世界

6年前、僕たちはいくつかのシンプルな考えを元にFacebookを立ち上げました。

人には、友人や周りの人と物事を共有し、つながっていたいという願望があります。何を共有するかを自分で自由に決めることができれば、もっと多くのものを共有したいという気持ちが芽生えるでしょう。

共有が活発になればなるほど、世界はよりオープンでつながったものになります。そして、よりオープンでつながった世界とは、すなわちよりよい世界なのです。こうした考えが我が社の基本原則であることは今も変わりません。

ーーーー『ワシントン・ポスト』紙、2010年5月24日


Six years ago, we built Facebook around a few simple ideas.
People want to share and stay connected with their friends and the people around them.
If we give people control over what they share, they will want to share more.
If people share more, the world will become more open and connected. And a world that’s more open and connected is a better world.
These are still our core principles today.

願い

Facebookの願いは……チャンスがいつ巡ってくるかも分からない孤独でよそよそしい世界を、ホッと一息つける世界、思わぬ発見に満ちた世界に変えることです。

人々の輪の中で仕事をし、生活することになるので、もう二度と孤独を味わう必要はありません。インターネット、ひいては世界全体が、家族や大学の寮、あるいは同僚が親友でもある職場のような雰囲気に包まれることになるでしょう

ーーーー『TIME』誌、2010年12月27日


Facebook wants to ... turn the lonely, antisocial world of random chance into a friendly world, a serendipitous world.
You’ll be working and living inside a network of people, and you’ll never have to be alone again. The Internet, and the whole world, will feel more like a family, or a college dorm, or an office where your co-workers are also your best friends.

Facebookの役割

Facebookは、人と人とがつながり、共有を行うためのものです──友人や家族、コミュニティとつながりを持ち、自分の生活や仕事、学校、興味を持っていることについて、相手と情報を共有するのです。……これまでの8年間で我々が感銘を受けてきたのは、人々がこうした同じツールと社会力学を駆使して、それぞれのコミュニティにおける重要な問題や課題に取り組んでいることです。

昨年ミズーリ州では、ジョプリンを襲った竜巻ですべてを失ったと思っていた家族の元に、Facebookユーザーの手で見つけ出された大切な思い出の品々が戻りました。日本では2011年の地震と津波のあと、家族や友人の居場所を突き止めるのにFacebookが使われました。よりささやかな思いやりならば、Facebook上で1日に何百万回と見られます……。

たった1人の人間でも、ほかの人が直面している課題や、ひいては世界にとてつもない影響を与えることができるのです。Facebookでは、それを友だちの力と呼んでいます。

ーーーーABCニュース、2012年5月2日


Facebook is about connecting and sharing— connecting with your friends, family and communities, and sharing information with them about your life, work, school, and interests. ... What has amazed us over the past eight years is how people use these same tools and social dynamics to address important issues and challenges in their communities. Last year in Missouri, Facebook users tracked down and returned treasured mementos to families who thought they’d lost everything in the Joplin tornado. In Japan, people used Facebook to locate family and friends following the 2011 earthquake and tsunami. Smaller acts of kindness happen millions of times a day on Facebook. ... Even one individual can have an outsized impact on the challenges facing another, and on the world. At Facebook, we call that the power of friends.

無料にこだわる

Facebookは無料です。それはこれから先もずっと変わりません。これは、誰もが一員となれるグローバルコミュニティ作りを可能にするという我々のミッションの一部なのです。

ーーーーFacebook Liveの動画、2016年6月14日


Facebook is free. It always will be. This is part of our mission, to make it so that we can build a global community so that everyone can be a part of it.

社会的責任

全般的に言えば、会社として責任とどう向き合うかという点で、我々の考えは大きく変わりつつあると言っていいでしょう。
会社を立ち上げてから10年か12年ほどの間は、我々の責任は主にツールを作ることであり、完成したツールを人々の手に託すことができれば、そのツールを使って人々はよい行いをするだろうと考えていました。

これは私個人の考えですが、データの機密性だけでなく、フェイクニュースや選挙に対する外国の介入といった数々の問題に直面して分かったのは、我々はもっと積極的に役割を果たし、自らの責任をもっと幅広く捉える必要があるということです。

ただツールを作るだけでは十分とは言えません。手掛けたツールがきちんとよいことに使われるようにしなければならないのです。

ーーーー米上院司法委員会及び上院商業科学運輸委員会での証言、2018年4月10日


Overall, I would say that we’re going through a broader philosophical shift in how we approach our responsibility as a company. For the first 10 or 12 years of the company, I viewed our responsibility as primarily building tools that, if we could put those tools in people’s hands, then that would empower people to do good things. What I think we’ve learned now across a number of issues—not just data privacy, but also fake news and foreign interference in elections—is that we need to take a more proactive role and a broader view of our responsibility. It’s not enough to just build tools. We need to make sure that they’re used for good.

マーク・ザッカーバーグの生声 本人自らの発言だからこそ見える真実
【編者】ジョージ・ビーム(George Beahm)
作家、編集者。長年、スティーブ・ジョブズやIT、カルチャーについて取材を行ない、手がけた書籍は30作以上に及ぶ。本書の米国版は、発売前の時点でAmazon USなどでベストセラーにランクインしている。
【訳者】今村絵里(いまむら・えり)
駒澤大学文学部英米文学科を卒業後、ニューヨーク州立大学バッファロー校に留学し、アメリカ研究を専攻。一般企業に勤務しつつWeb記事等の翻訳に携わり、本書が初の訳書となる。

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