実例に学ぶ ホウ・レン・ソウにボイスメールを活用することのメリット
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(本記事は、丸山 勇一氏の著書『なぜ、この会社に人が集まるのか』=あさ出版、2022年7月12日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

ホウ・レン・ソウに「ボイスメール」を活用

丸山自動車では、業務の報告・連絡・相談ツールとしてボイスメールを活用しています。

ボイスメールは、文字通り、声のメールです。同じ事柄を伝えるのでも、文字にすると抜け落ちてしまう情報はたくさんあります。たとえば「契約が取れた」のは、その社員にとって達成感があることだったのか、それとも通過点に過ぎないのか。そういった温度感を文章で表現することができないわけではありませんが、仕事用の短い文章にそんな高度なことを求めるのは非現実的です。

一方、声ならば本人の思いが声色に表れるため、微妙なニュアンスをそのまま伝えることができます。そうしたアナログの良さを活かしつつ、電話と違って好きなときに聞いたり、何度も聞き直したりできる。いわばメールと電話のいいところを合体させたツールがボイスメールです。

ボイスメールの使い方にもルールがあります。

日々の業務報告をするときは、まず自分と送信相手の名前を話します。誤送信があっても、これで気づきます。

内容は、「数字」「お客様の声」「自分の考え」「スタッフの成長と報告」「相談」の順に話します。そして最後に「以上です」で終える。この順番を決めていないと、ムダに長くなったり、要領を得ない内容になりがちです。報告のフォーマットを決めることで、効率的かつ明確なコミュニケーションが可能になります

日々の定期的な業務報告の他、新規契約が取れたときやクレーム・トラブルが発生したときなどはその都度、ボイスメールで報告します。

さらに、各種会議、政策勉強会や経営計画発表会などの社内行事、懇親会、各種研修などの後には、感想をボイスメールで報告します。

こうやって並べると報告だらけで大変な印象を持つかもしれませんが、日報や各種報告書、感想文を書いて提出するより、社員の負担はずっと少ない。ものによっては文字による報告と併用していますが、その場合もいったんボイスメールで報告して内容が整理されているので、文章にしやすいはずです。

幹部には、ボイスメールによる報告を毎日求めます。管理職や一般社員は毎日送る必要はありませんが、上長からの連絡や返信があれば、管理職はその日のうちに、一般職は3日以内に聞くことを義務づけています。

いまのところボイスメールのアカウントは、入社2年目から付与しています。1年目だと報告する内容がそれほど多くないからです。

新入社員が初めて契約を取ったときは、上司や先輩のアカウントを借りて全員に一斉報告してもらいます。

新入社員の初契約報告は喜びにあふれています。初々しい報告を聞くと、みんなも自分が新人だったときのことを思い出してフレッシュな気持ちになる。初契約報告が入る季節になると、職場がいつも以上に活気づく気がします。

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丸山 勇一
MARUYAMA GROUP 代表
株式会社丸山自動車代表取締役
新潟県燕市出身。父が1967年に創業した整備工場を引継ぎ、2012年より現職。年間27,000台という全国屈指の車検台数を誇り、新潟県No.1企業へと成長させる。他にも7つの事業に取り組む。392名いる社員の平均年齢は34歳で、入社3年以内の定着率93%。毎年学生の応募が殺到する超人気企業。また、健康経営に力を入れ、経済産業省「健康経営優良法人ホワイト500」に4年連続認定されている。

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