急成長を続ける地方企業が軽自動車に絞って自動車販売をする理由
(画像=scharfsinn86/stock.adobe.com)

(本記事は、丸山 勇一氏の著書『なぜ、この会社に人が集まるのか』=あさ出版、2022年7月12日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

軽自動車に絞って自動車販売を展開する理由

丸山自動車が売上を伸ばしている理由の一つとして、車検のみならず、自動車関連のサービスを総合的に手がけていることがあるとお話しました。

お客様との長いお付き合いの中で入口となるケースが多いのは、自動車販売です。私たちの店舗で自動車を買うと同時に損害保険に入り、車検の時期が来たらまたそこで接点ができるわけです。

最初の接点になる自動車販売を拡大すれば、それだけ車検で利用してくださるお客様も増える。その意味では非常に重要な事業です。

ただ、丸山自動車の自動車販売は軽自動車の新車・未使用車に絞っています。

あえて間口を広げないのは、大手販売チェーンと真正面から競い合うことを避けるためです。大手は全国に店舗があり、新車や未使用車を大量に安く仕入れることが可能です。残念ながら地方の中小企業が価格競争で勝つことは難しい。

そこで高級車や普通車は大手に任せることにして、自分たちは軽自動車に特化することにしました。軽自動車の未使用車専門店「ポケットカーズ」を2009年にオープン。現在は県内で3店舗を展開しています。

実は新潟県は、自動車の保有台数の約50%が軽自動車です。道が狭くて入り組んでいる都市部のほうが、軽自動車率が高い印象があるかもしれません。

なぜ、この会社に人が集まるのか
(画像=『なぜ、この会社に人が集まるのか』より)

しかし、都市部は鉄道などの公共交通機関が発達しており、自動車はファミリー用に一世帯一台あれば十分と考える人が少なくない。

一方、地方は自動車がないと移動が難しく、一人ひとりが自分の足として自動車を持っています。世帯単位で見ると、一台目はセダンやミニバンでも、二台目以降は奥さんや娘さん用に軽自動車を買ったりします。

また、新潟県は日本有数の米どころです。農家のお客様も多く、軽トラックがよく売れます。車種を絞っても、市場は案外大きい。車種を絞ると、自動車に詳しくない新卒の社員にも集中的に教育ができます。軽自動車専門店に来店されるお客様は当然、軽自動車目当てです。他の車種も含めて広く浅く知識がある必要はなく、狭く深く知っているほうが喜ばれます。ゆえに価格で競争しなくても大手販売店とも渡り合えたのです。

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丸山 勇一
MARUYAMA GROUP 代表
株式会社丸山自動車代表取締役
新潟県燕市出身。父が1967年に創業した整備工場を引継ぎ、2012年より現職。年間27,000台という全国屈指の車検台数を誇り、新潟県No.1企業へと成長させる。他にも7つの事業に取り組む。392名いる社員の平均年齢は34歳で、入社3年以内の定着率93%。毎年学生の応募が殺到する超人気企業。また、健康経営に力を入れ、経済産業省「健康経営優良法人ホワイト500」に4年連続認定されている。

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