M&Aコラム
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企業の買収を検討されている経営者の方、ご関係者に向けてお届けするYouTube「買収の参観日チャンネル」。全国津々浦々、各地域に精通したコンサルタントによる「ご当地M&A解説」第2弾は北海道編です。まずは前編からご覧ください。
本記事では動画の内容を抜粋・編集してお届けします。

北海道を支える産業

久力: ご当地M&A第2弾ということで、前回の九州に続いて、今回は北海道についてお届けしていきたいと思います。

宮本: 北海道エリアを担当している宮本です。よろしくお願いします。

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久力: 早速ですが、まずは北海道について産業など特徴を教えてもらっていいですか

宮本: はい。まず北海道はみなさまご存じの通り、総面積がものすごく広くて日本列島の総面積22%を占めています。北海道の東西で500キロ南北で400kmございまして、東京・大阪間と同じ距離感ですね。

久力: ・・・普段何で移動されてるんですか?

宮本: 基本的には特急列車とあと飛行機を駆使してですね・・

北海道のエリアは大きく「道北」「道東」「道央」「道南」の4つに分かれます。稚内や旭川は道北、札幌は道央、函館は道南にあります。

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皆さん北海道って食のイメージを持たれる方が多いと思うのですが、道東のエリアだと酪農が盛んだったり、十勝だと農業、道北だと林業が盛んだったり。あと函館とかオホーツク海は漁業が盛んであるなど、1次産業、特に食に関する産業が強いというのは特徴として挙げられます。

北海道におけるM&Aの特徴

久力: それぞれのエリアで産業も違うと思うんですけど、M&Aという観点でみると、産業にも特徴があるんでしょうか。

宮本: 全国的な傾向と同じく、建設業が多いです。当社北海道エリアでの成約実績の約30%は建設業のお客様になります。続いて調剤薬局、医療介護ですね。

久力: それは特徴的ですね。調剤薬局ですと業界1位のアイングループさんだったり、上場されている調剤薬局、ドラッグストアの大手企業さんがたくさん北海道にいらっしゃいますよね。そういう企業さんは買い手として成約件数が多い感じなんですかね。

宮本: そうですね。

久力: その他はどういう業界が多かったりするんですかね

宮本: 飲食・食品製造が続きますね。お菓子などお土産品だったり、海産物の加工品などが含まれます。 北海道の食品は、いわゆるブランドとして皆さん認識されている部分があるのですが、本州の企業の方が、北海道の食のマーケットを獲得したい、と道外の企業が北海道の飲食・食品製造系の企業を買収するケースが多い印象ですね。

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久力: 組み合わせとしては「北海道内の企業同士のM&A」と「道外の企業と北海道の企業のM&A」、どのような比率になるんでしょうか。

宮本: 比率で言うと、半分半分の印象です。

久力: 業種によって組み合わせも変わってくるイメージでしょうか。

宮本: そうですね。建設業に限っては北海道内で完結しているケースが多いですね。

久力: ちなみに日本M&Aセンターの北海道内におけるM&Aの成約数はいかがですか。

宮本: 直近ですと、年間50件近くのM&Aをお手伝いさせていただいています。 リーマンショックの時に年間10件ぐらいでしたので、この12、3年の間にどんどん伸びてきている印象です。

久力: 日本M&Aセンターがお手伝いしている成約数の中では、どのくらいの位置づけなのでしょうか。

宮本: 当社の中では全国で7番目ぐらいに位置しています。

久力: M&Aを語る上ではやっぱり「譲渡したい」という会社さんの数が、最初に先行指標になると思うんですけど、(当社と契約をしている)北海道の譲渡を希望されている企業様の数はどのくらいなんですか?

宮本: 直近ですと、およそ100社の企業様と契約をさせていただいています。当社の中では全国で4位くらいになります。

久力: そうなると受託件数は4位であるのに比べると、成約数が少ないんですね。その背景には何があるんでしょうか。

宮本: 北海道の譲渡企業様は、目線が道外を向いている企業様が多いです。

久力: 譲渡を希望されている企業様が、北海道外の企業にお譲りしたいというご要望が多いんですね。なぜ道内ではなく道外なのでしょうか。

宮本: 情報漏洩の部分を気にされていて、まずは道外でのM&Aを希望されるケースが良く見受けられます。反対に道外の本州の企業様から見ると、北海道のマーケットってなかなか見えづらい部分があるようです。

久力: 10年ほど前は、当社の中で、北海道というと譲渡したいという企業様の数も全国で4番目ぐらいに多く、成約数も4番だったイメージなんですけど。最近はM&Aのすそ野が広がって、上場企業によるM&Aだけではなくて、中小企業が買収をするケースも増えていると思います。

そうなると、例えば東京の中堅・中小企業さんが北海道の企業の買収を考えた時に、北海道に今まで一度も出ていなかったら、「誰が北海道に行くの?」とか、一緒になった後にどうやって協業していくの?とか、ちょっと距離があるのかもしれませんね。
支社がある会社だったらいいですけどね。

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宮本: そうですね。既に北海道に支社など展開している会社は積極的に検討されると思います。

久力: 逆に魅力を知っているし、人材もいるから組みやすいってことですね。なるほどそれはあるかもしれませんね。

(次回に続きます。)

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プロフィール

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久力 創(くりき・はじめ)
日本M&Aセンター 執行役員 法人事業部長
大手証券会社を経て2008年日本M&Aセンター入社。主に譲受企業のアドバイザーを数多く務め、50件以上の成約実績がある。
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宮本 大輔(みやもと・だいすけ)
日本M&Aセンター 提携法人部 チーフ
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