ドン・キホーテの買収をイオンが阻止!買収防衛策「ホワイトナイト」とは?【人気過去記事総まとめ】
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すでに2022年が始まって早3ヶ月。もうすぐ今年度も終わりにさしかかり、新たな門出を迎える人も多いかもしれない。

THE OWNERでは今年度にヒットした記事を振り返る特集を企画。今年度話題を呼んだ「大企業による買収」の動向について振り返る記事をピックアップした。

過去にはドン・キホーテがオリジン東秀に対して敵対的TOBを仕掛け、ホワイトナイトとしてイオンが阻止した歴史がある。今までにどのような買収があったのか、過去の記事をピックアップしながら見ていこう。

1.ドン・キホーテの買収をイオンが阻止!買収防衛策「ホワイトナイト」とは?

(2021/10/19 配信)

「ホワイトナイト」という言葉を耳にしたことがあるだろうか。敵対的買収自体がそれほど頻繁に起こるわけではないため、ホワイトナイトが登場した事例となると、なかなか思いつかないかもしれない。

そこで今回は、ホワイトナイトの具体的な事例や施策などについて解説していこう。

ホワイトナイトとは

ホワイトナイトとは、敵対的買収を仕掛けられた際の買収防衛策のひとつだ。具体的には、敵対的買収を仕掛けられた企業が、新たに友好的な買収者(ホワイトナイト)を見つけて買収もしくは合併してもらい、敵対的買収を阻止することを指す。友好的な買収者を白馬の騎士になぞらえて、ホワイトナイトと呼ばれている。

ホワイトナイトを実行するには、敵対的買収者よりも高い価格でTOB(上場会社の発行する株式を、不特定多数の人に対して、あらかじめ買付の「期間」「数量」「価格」を提示し、通常の市場売買でなく市場外で一括して買い付ける公開買付け)をかける、対象会社の第三者割当増資や新株予約権を付与する、クラウンジュエルを実施する、などが想定される。

ホワイトナイトにとっては予定外のM&Aとなることから、ある程度有利な条件が提示される場合が多い。敵対的買収を仕掛けられた会社にとっては、いずれにせよ他社の傘下になることには変わりなく、「敵対的買収者に買収されるくらいなら、ホワイトナイトの傘下になったほうが良い」といった苦渋の策とも言える。いわば身売りを公言することであり、さらに新たな買収者を引き寄せてしまう可能性も否定できない。

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2.クスリのアオキが食品スーパーを買収 続く買収の理由は?

(2022/02/27 配信)

近年、食品スーパーの業界で買収が相次いでいる。クスリのアオキによる岩手の食品スーパーの買収、大阪で同業2社を買収したバローホールディングスなどだ。このような買収が相次いでいるのには、共通の背景があるのか。それとも案件ごとに事情は異なるのだろうか。考察してみる。

クスリのアオキ:岩手県の食品スーパー企業など2社を買収

早速、具体的な買収案件を分析していこう。まずは、石川県白山市に本社があるクスリのアオキのケースからだ。

・「ドミナント戦略」のための買収
クスリのアオキは、中部、関東、近畿、東北の各地域でドラッグストアを展開している。創業は1869年(明治2年)と古く、親会社であるクスリのアオキホールディングスは東証1部上場企業だ。

クスリのアオキは2022年1月4日、岩手県一関市に本社を置く「ホーマス・キリンヤ」と「フードパワーセンター・バリュー」を吸収合併すると発表した。

ホーマス・キリンヤは、岩手県と宮城県で食品スーパーを6店舗、衣料品店を2店舗展開しており、フードパワーセンター・バリューはホーマス・キリンヤの店舗で販売する食料品や日用雑貨の仕入れを担っている企業である。クスリのアオキは岩手県に2020年に進出しており、この2社の買収で岩手県や宮城県における事業展開を盤石なものとする考えのようだ。

報道発表では「本合併により、当社グループの東北地区におけるドミナント(編注:集中的に店舗展開すること)を強化することで、今後、当社グループの一層の企業価値向上に努めてまいります」としている。

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3.日立、1兆円買収から半年 過去の失敗の二の舞は避けられるか

(2022/01/23 配信)

日立がアメリカのIT企業を約1兆円で買収してから半年が経った。過去に日立が行った買収の中でも最も大きな金額での買収で、日立のブランド力、そして競争力を高めるためにも、失敗は許されない。日立は過去に企業買収で手痛い失敗をしている。教訓は生かされるか。

日立製作所がグローバルロジックを買収

日立製作所は2021年7月、米グローバルロジック(GlobalLogic Inc.)の買収が完了したことをプレスリリースで発表した。

これにより、グローバルロジックと同社の親会社であるグローバルロジック・ワールドワイド・ホールディングス(GlobalLogic Worldwide Holdings)は、日立製作所のアメリカの子会社である日立グローバルデジタルホールディングス(HGDH)の完全子会社となった。

日立製作所がグローバルロジックを買収した狙いは、社会インフラのDX(デジタル・トランスフォーメーション)に関する事業の世界展開を加速させることだ。日立製作所はIoTサービスとして「Lumada(ルマーダ)」を展開しており、Lumadaをグローバル展開する上でグローバルロジックの強みが役立つという。

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4.日本郵政、豪企業買収で4,000億の巨額損失 中途半端な「グローバル展開」の末路

(2022/01/23 配信)

お正月、今年も年賀状の配達で郵便局の配達員が大活躍した。しかし日本郵政は去年、「オウンゴール」で大きな失点を喫した。2015年に自ら買収した豪州企業で巨額の損失を計上し、結局、不採算部門を売却するに至ったのだ。改めて事の顛末を振り返る。

そもそもトール・ホールディングスとはどんな企業?

まず、日本郵政が買収したオーストラリアの物流大手企業トール・ホールディングスがどのような企業なのか、簡単に説明しておこう。

同社は「航空貨物(Air Freight)」や「鉄道貨物(Rail Freight)」、「海上輸送貨物(Sea Freight)」などを手掛ける国際輸送物流会社だ。倉庫サービスや危険物保管サービスも展開している。

創業は1888年と歴史があり、アジア太平洋エリアを中心にさまざまな国や地域約1,200ヵ所に拠点を有している企業だ。一度、トール・ホールディングスの公式サイト(https://www.tollgroup.com/ja)を開いてみてほしい。日本語版ページもあるので、同社の事業がよく分かる。

日本拠点も有している。経営再建中だった物流企業を2009年に完全子会社化し、2012年にその企業の社名を「トールエクスプレスジャパン」に変更している。

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5.米マイクロソフト、米ゲーム会社のActivision Blizzardを買収

(2022/01/18 配信)

マイクロソフト(アメリカ・ワシントン州)、米ゲーム会社のActivision Blizzard(アメリカ・カリフォルニア州)を買収することを決定した。

取得価額は、687億ドル。
本件に伴い、テンセント、ソニーグループ<6758>につづいて世界第3位のゲーム会社となる。

マイクロソフトは、ソフトウェア開発、販売の大手IT企業。
Activision Blizzardは、「コール・オブ・デューティ」などの人気ゲームを手がけている。

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いかがだっただろうか。近年、大企業がさらなる成長を求めて買収を推し進めているが、一歩間違えると損失を計上するリスクを抱えている。

目まぐるしく変化する現代において、ゼロから事業を育てるよりも買収によって時間を買うほうがメリットになるケースが多い。今後も大企業による巨額買収から目が離せない。

文・THE OWNER編集部

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