コロナ禍で和菓子・洋菓子・デザート類のギフト需要は打撃を受けるものの、自家消費は堅調に推移
~いずれのスイーツでも、購入頻度はコロナ禍前と変わらないという回答が7~8割を占める~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、コロナ禍における、和菓子、洋菓子、デザート類の購入動向の変化を調査する消費者アンケートを実施した。スイーツ等のギフト需要は打撃を受けているが、自家消費は堅調に推移しており、長期化するコロナ禍において、売上回復には自家消費の取り込みが喫緊の課題といえる。ここではその一部を公表する。
過去1年間のスイーツ類の購入状況・目的
2020年以降のスイーツ類の購入頻度~コロナ禍前との比較・変化~
1.調査結果概要
2021年4月に首都圏に居住する20代~60代の男女888名に対して、アンケート調査を実施した。過去1年間におけるスイーツ類の購入状況・目的を尋ねたところ、「アイス(63.3%)」、「洋菓子(60.5%)」など全体的に「自分用」の比率が高く、自家消費が広がっていることが伺える結果となった。
また、過去1年間で「購入しなかった」の比率が最も低い(すなわち、多くの人が購入した)スイーツも、「洋菓子(21.4%)」や「アイス(23.6%)」であった。この2つは、過去1年間で自分用に購入したと回答した人が6割を超えると共に、同居家族と食べる用途も4~5割と相対的に高くなっている。
和菓子と洋菓子を比較すると、「購入しなかった」の比率は和菓子が3割強、洋菓子が約2割とやや和菓子の方が高くなったが、和菓子も4~5割が自分用や同居家族と一緒に食べる自家需要目的で購入しており、根強い需要が伺える。
一方、ドリンクスイーツ※は、7割弱が「購入しなかった」と回答した。購入層が限定されるほか、コロナ禍で外出機会が減少したことが影響したとみられる。
※ドリンクスイーツとは、スターバックスのフラペチーノやゴディバのショコリキサー、タピオカミルクティー、マックシェイクなどの飲むスイーツである。
2.注目トピック
コロナ禍でも変わらず消費されるスイーツ類~7割以上がコロナ禍前と同頻度で消費と回答~
2020年以降のスイーツ類の購入頻度について、それ以前(コロナ禍前)の購入状況と比較した変化について尋ねた。いずれの品目でも7~8割の人が「変わらない」という回答であった。コロナ禍でギフト需要が大きな打撃を受けた和洋菓子・デザート類市場であるが、調査結果からは自家消費は堅調に推移していることがうかがえる。
増えた比率(「増えた」+「やや増えた」の合計)が最も高かった品目は、「洋菓子」で22.2%、続いて「アイス」が21.2%であった。「和菓子」はそれらよりは低いが、2割弱が「増えた」と回答した。一方で、減った比率(「減った」+「やや減った」の合計)が高いのは、ドリンクスイーツとプリンで約1割であった。
ドリンクスイーツは、コロナ禍で外出頻度や友人と会う頻度が減少したことと連動しているとみられる。また、プリンが減少したことについては、プリンは日常的に消費されやすいスイーツであり、コロナ禍でスイーツ類には “非日常” を求める傾向が強くなっている結果、ケーキ等に需要が流れたのではないかと推察する。
調査要綱
1.調査期間: 2021年4月 2.調査対象: 首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)に居住する20~60代の男女 3.調査方法: インターネット消費者アンケート調査 |
<和菓子・洋菓子・デザート類に関する消費者アンケート調査とは> 本調査では、首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)に居住する20代から60代までの男女888名(男性448名、女性440名)を対象として、インターネットアンケート調査を実施した。コロナ禍前後の和・洋菓子、デザート類、ドリンクスイーツ類の購入・消費動向の変化に加えて、和洋菓子ブランドのイメージや、購入目的などの動向を探った。また、市場が拡大しているECによる購入やお取り寄せスイーツの購入状況などについても、調査項目に挙げた。 |
<市場に含まれる商品・サービス> 和菓子、洋菓子、デザート類(プリン、ゼリー、アイス)、ドリンクスイーツ類 |
出典資料について
資料名 | 2021年版 コロナで変わる和菓子・洋菓子・デザートの消費動向 |
発刊日 | 2021年05月20日 |
体裁 | A4 267ページ |
定価 | 115,500円 (本体価格 105,000円) |
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