フジッコ「ダイズライス プレーン150g」「ダイズライス 黒ごまいなり3個入り」「ダイズライス トムヤム165g」
(画像=フジッコ「ダイズライス プレーン150g」「ダイズライス 黒ごまいなり3個入り」「ダイズライス トムヤム165g」)

フジッコは「新大豆食品」をテーマに、大豆粉と大豆たん白を主原料にした米状の食品「ダイズライス」を開発した。歯ごたえのある食感、米のような見た目、米よりも低糖質・高たん白質という特徴を持ち、米のように自由な食べ方ができる。食事で効率よくたん白質を摂れる次世代の主食と位置付ける。

本格的な販売に先駆け、「CAMPFIRE」でフジッコ初のクラウドファンディングを1月26日から30日間実施した。支援者の声を、試作品の改善に生かすという。今後、自社通販で本格販売する予定だ。開発の経緯などを田口敬子・開発本部新領域開発部長にインタビューした。

――クラウドファンディング開始から1日で目標金額(50万円)をクリア、2月22日時点で支援総額約221万円、支援者数545人と反響が大きいです

ダイズライスは、新ブランド「Beanus(ビーナス)」の第1弾商品。ブランド名は、「Bean+us」(豆と私たち)を組み合わせた造語で、豆という食材を通じて、理想の体づくりや健康的な食生活をサポートすることがコンセプトだ。

ダイズライスは限られたターゲットに向けて開発した商品であり、本格販売の前にクラウドファンディングでテスト販売する手段をとった。最初は、ターゲット層の方が支援してくださるのか心配だったが、その後支援者のコメントからそのような方の存在が確認でき、手ごたえを感じた。

〈ダイエット、美容、スポーツ目的など、ターゲットを狭め通販限定で展開〉
――開発の経緯と開発にかかった期間を教えてください

当社では食事の最初に「蒸し大豆」を食べて健康増進を図る大豆ファーストを訴求してきた。しかし、1回の食事で33g(3分の1袋)食べるのは簡単ではない。大豆ブームの中で、蒸し大豆、豆水煮の需要が増えても長続きさせるのは難しい。そこで、米のように自由な食べ方ができ、毎日続けられるおいしさを備え、たくさん食べても罪悪感がない商品をテーマに開発を進めた。大豆をたくさん食べたいが難しいと感じている人に食べてほしい。

通常、テスト販売は、量販店で販売する大衆向けの商品だと2年程度かけるが、ダイズライスは構想から1年半でクラウドファンディングによるテスト販売に至った。ダイズライスはダイエット、美容、スポーツ目的など、食べる理由がある人に響く。新しい商品への興味だけでは続かない。そのため、ターゲットを狭めて通販限定で販売する。消費者の声を改善に生かし、商品を作りこんでいく。

――開発で難しかった点は

大豆特有の臭い、えぐみを抑え、毎日継続して食べられる風味と食感を実現することが難しかった。初めての消費者調査では豆臭い、ボソボソして粉っぽいなど厳しい意見をいただいた。「大豆の存在感とごはんらしさ」の両立が最大のポイントで、大豆のうま味や甘味は残しつつ、大豆特有の臭いやえぐみを軽減し、大豆が好きな人も苦手な人も食べられる商品を追及した。今後も改良していきたい。本格発売の際には、レストランなどとのコラボも考えている。

今後、同じような商品が他社からも出てくるかもしれないが、差別化を図れると考えている。市場で増えてきた大豆麺も、各社で違いがある。

――ダイズライスのラインアップで特におすすめは

クラウドファンディングでテスト販売したのは、「プレーン150g」(たん白質24g)と、食べやすく味付けした調理済メニュー「黒ごまいなり3個入り」(たん白質21g)、「梅いなり3個入り」(たん白質20g)、「トムヤム165g」(たん白質27g)、「ガパオ165g」(たん白質30g)。いずれも冷凍保存で、電子レンジで温めるだけで食べられる。

中でも、味付けした調理済メニューが食べやすい。私自身、最初はプレーンは食べにくかったが、慣れるとおいしい。食べ慣れた人にはプレーンをおすすめしたい。

〈大豆油糧日報2021年3月4日付〉