アサヒグループホールディングス 勝木次期社長
(画像=アサヒグループホールディングス 勝木次期社長)

アサヒグループホールディングスは2月12日、帝国ホテルで行った記者会見で、3月開催の定時取締役会で勝木敦志専務取締役が代表取締役社長に就任すると発表した。新社長就任の目的は、グループ理念“Asahi Group Philosophy”の“Our Vision”に掲げる「グローカルな価値創造」経営の実現へ向けた経営体制のさらなる強化を図るため。

アサヒグループホールディングス 小路社長、勝木次期社長
(画像=アサヒグループホールディングス 小路社長、勝木次期社長)

勝木氏は、現在専務取締役兼専務執行役員兼CFO兼日本統括本部長を務めており、代表取締役社長兼CEO兼日本統括本部長に就任する。小路明善代表取締役社長兼CEOは、取締役会長兼取締役会議長に就任する。

小路社長は勝木氏を指名した経緯と背景について「1月上旬に指名委員会を通じて内示した。一言でいえば、海外の第一人者だ。2つ目に、人物・力量・実績の3つのスキルマトリックスが申し分なかった。アサヒビールのフィロソフィーに則り、グローカルに価値経営を深化する▽サステナビリティと経営を統一し加速する▽国内の酒類・飲料・食品の基盤を強化する――の3点で最適な人物だ。2011年に豪州の企業を買収するなど、グローバルな知見と人脈を持っている。CFOとしても、財務の健全性創出を主導した。2019年にはサステナビリティ担当取締役となり今の経営の礎を築いた。また、日本統括本部長として、国内事業の収益基盤を構築してきた。もっともふさわしい人物だ」と述べた。

勝木次期社長は抱負を述べて「アサヒグループの歴史として“挑戦”があるが、これを続けることを約束する。2020年には、欧州・豪州それぞれの事業統合を完了した。今後は日本・欧州・豪州の3極を中心にローカル単位での事業の質をさらに高めるとともに、グループの豊富な人材の活用と育成、サプライチェーンの高度化、主力ブランドの展開などをグローバル単位で進化させることで、より成長を加速する。2つ目にサステナビリティを経営にしっかりと組み込み、将来のメガトレンドを先取りするため、研究開発などの無形資産への投資も積極化することで、“Asahi Group Philosophy”の実現を推進していく。3つ目に、国内事業の経営基盤を強化する。コロナで業務用の需要が落ち込み、経営資源のシフトなど新たな時代の価値創造に取り組む。変化に対応して、スマートドリンキングやスーパードライ生ジョッキ缶などに挑戦する」と述べた。

就任の受け止めについては、「内々示されたときに思ったのは、ある程度予想していた。意欲が更に高まった。よく聞く“驚いた”“頭が真っ白になった”ということではなく、よりやる気が出た。自分を評して、と聞かれれば、常に当事者意識を持つ。自分で案件に口を挟む。これは社長はやりすぎるとよくないとは思うが。オセアニアのある買収の件では、先方にデューデリジェンスに瑕疵があり、訴訟した。豪州で最高の和解額を勝ち取った。“窮すれば通ず”とうい経験を踏んできた。今までの会社生活は、決して好きな言葉ではないが、“不撓不屈”というのが実感だ」と語った。

〈勝木敦志(かつき・あつし)氏略歴〉
1960年3月17日生。1984年4月ニッカウヰスキー株式会社入社。2002年アサヒビールに転籍、2006年国際経営企画部長、2007年経営企画部担当部長兼国際本部担当部長、2011年企業提携部門ゼネラルマネジャー。2011年Asahi Holdings (Australia) Pty Ltd, Managing Director、2014年Asahi Holdings (Australia) Pty Ltd, Group CEO、2016年アサヒグループホールディングス執行役員兼Asahi Holdings (Australia)Pty Ltd, Group CEO、2017年取締役兼執行役員、2018年常務取締役兼常務執行役員、2020年専務取締役兼専務執行役員兼CFO、2020年4月専務取締役兼専務執行役員兼CFO兼日本統括本部長(現職)。

〈酒類飲料日報2021年2月15日付〉