2018年度の主要住宅設備機器市場規模は前年度比2.0%減の約2兆円
~電力の自家消費需要の高まりを背景に、今後は家庭用蓄電システムの普及も~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内住宅設備機器市場を調査し、現況、参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。
主要住宅設備機器市場規模推移
1.市場概況
2018年度の主要住宅設備機器の市場規模(水まわり設備機器+水まわり関連設備機器+省エネ・創エネ設備機器の合計値)はメーカー出荷金額ベースで、前年度比2.0%減の約2兆円と推計した。水まわり設備機器、水まわり関連設備機器、省エネ・創エネ設備機器分野はいずれも前年度比で減少したが、なかでも、省エネ・創エネ設備機器分野は、太陽光発電システムに対する補助金終了やFIT(固定価格買取制度)による買取価格の下落などを背景に新設需要が減少したことで、他の2分野と比較して大幅な減少であった。
2.注目トピック
付加価値の高いサービスによる市場活性化に期待
今後の市場活性化として注目されるのが、コネクティッドホーム(Connected Home)やスマートホームと連携した住宅設備機器の普及である。具体的には、スマートフォンなどが住宅設備機器とインターネット経由でつながり、セキュリティーや見守りといった安心・安全サービス、家電や設備などの遠隔・宅内操作、エネルギーマネジメントによる省エネサービスなど、外出先からでも住まいや暮らしを管理・調整できる付加価値の高いサービスをもたらす住宅設備機器である。
現時点でコネクティッドホームやスマートホームの拡がりはまだ限定的であるが、今後、付加価値の高いサービスが提供されることで、市場に浸透し拡大していくことが期待される。
3.将来展望
2021年度の主要住宅設備機器の市場規模(水まわり設備機器+水まわり関連設備機器+省エネ・創エネ設備機器の合計値)はメーカー出荷金額ベースで、2018年度比3.5%増の2兆708億円を予測する。水まわり設備機器分野や水まわり関連設備機器分野は2018年度比で各々0.1%減、2.6%増とほぼ2018年度並みとなる一方、FIT終了を迎える世帯における電力の自家消費需要の高まりを背景に、家庭用蓄電システムの普及が契機となり省エネ・創エネ関連設備機器分野は同11.7%増と、主要住宅設備機器市場全体を牽引するものとみる。