2017年度浄水器・整水器市場規模は436億円、前年度比97.1%で減少するも、2018年度は増加に転じる見込み
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の浄水器・整水器市場を調査し、市場概況、タイプ別の動向、将来展望を明らかにした。
浄水器・整水器の市場規模推移
1.市場概況
2017年度の浄水器・整水器市場規模はメーカー出荷金額ベースで、前年度比97.1%の436億円と減少推移であった。
2018年度は前年度比103.9%の453億円と増加に転じると予測する。整水器市場における主要メーカー企業の業績回復が見られ、また、新築住宅市場において浄水器の普及が進んでいることから、市場は好転するものと考える。
2.注目トピック
新築住宅における標準化、水の付加価値に対する関心の高まり
消費者の求める浄水器・整水器の設置目的は、基本的な浄水能力に加え、安心・安全な水道水の利用である。水に対する消費者の関心は依然として高く、また、水を買うというライフスタイルも定着しつつあるなか、住宅における浄水器の設置は新築住宅を中心に標準化しつつある。
また、整水器の活用による生活の質の向上にも注目が集まっており、単に水を浄化するだけでなく、健康や美容への配慮といった観点から、付加価値のある水を利用しようとする消費者も少なくない。
生活用水に対する消費者の高い関心を踏まえ、メーカー各社においても使い勝手のよいデザインや持ち運びのできるタイプなど多様な製品を投入し、市場の安定成長につなげている。
3.将来展望
新築住宅市場における浄水器設置の標準化の動きは今後の成長要因のひとつではあるものの、その余地は限定的なものに留まると考える。今後は新築住宅市場よりも規模の大きい既存住宅ストック市場において、新規ユーザー層を獲得し、どこまで浄水器・整水器の設置を進められるかが課題となるものとみる。