「共同経営」という言葉に憧れを抱く人も多いだろう。共同経営とは、その名のとおり複数の経営者が対等な立場で一緒に経営することで、お互いの足りない部分、たとえば資金や経営経験、業務スキルや営業スキルなどを補い合いながら、それらの相乗効果によってスムーズに事業を運ぶために行われる。また、それぞれの既存事業がさらに発展するという効果も期待できる。共同経営は、どのように始めればいいのだろうか。またデメリットなどはないのだろうか。

目次

  1. 共同経営とは
    1. 共同出資や単独出資で事業体を設立
    2. 個人事業で共同経営
  2. 共同経営の始め方
  3. 出資比率に応じて決定権が左右される
  4. 共同経営の6つのメリット
    1. メリット1.資本金が増える
    2. メリット2.不得手な部分を補い合える
    3. メリット3.就業不能のリスク回避
    4. メリット4.メンタル面のサポート
    5. メリット5.客観的な判断ができる
    6. メリット6.多様なコネクションを活用できる
  5. 共同経営の5つのデメリット
    1. デメリット1.意思決定の遅れ
    2. デメリット2.仕事量の偏りによる不満
    3. デメリット3.方向性の違い
    4. デメリット4.金銭問題
    5. デメリット5.責任の所在が不明確
  6. 共同経営を成功させるポイント5つ
    1. ポイント1.関係性を明確にする
    2. ポイント2.方向性をすり合わせる
    3. ポイント3.役割や業務範囲を決める
    4. ポイント4.コミュニケーションの取り方を決める
    5. ポイント5.必要な専門家を活用する
  7. 共同経営に似た「ジョイントベンチャー」とは
  8. 共同経営で事業を成功に導くために
共同経営者
(画像=ASDF_MEDIA/Shutterstock.com)

共同経営とは

共同経営とは、複数の経営者が対等な立場で一緒に経営することだ。しかし、共同経営といっても出資比率や組織の形態は実にさまざまである。共同経営は、有能なパートナーと力を合わせて経営に取り組むことが可能だ。そのため経営者のお互いが得意とする技術・ノウハウを活かした事業展開ができ、事業拡大が期待できる。

たとえば「技術力はあってもその技術を活かした商品を販売するノウハウがない」という企業もあれば、「販売ルートを多数保有し営業力はあるものの商品やサービスの開発や製造の技術がない」という企業もある。双方のメリットを活かして新しい商品やサービスを開発し、販路を広げて成長できれば企業は発展・成長を遂げるだろう。

またオーナーを募ることも「資金力」という点で共同経営の一つの形態と言える。

共同出資や単独出資で事業体を設立

代表的なのが、複数の経営者が共同で出資し、株式会社などの事業体を設立するというパターンだ。お互いに出資するため対等な立場を維持しやすく、1つの事業体で一体感を持って経営できるというメリットがある。

なお、共同出資だとしても、出資比率を同じにしなければならないわけではない。ただし、出資比率が異なる場合、最終的な意思決定権は出資比率が多いほうにあることに注意したい。

また、一人だけが出資する単独出資で事業体を設立し、経営のみ複数で担うことも可能だ。単独出資なら、最終的な意思決定権は出資者にある。出資者が経営に積極的に参加する場合、出資者の発言力が強くなるだろう。

出資者が、株主のようなオーナーに近い立場となり、出資者以外の者が中心となって経営することも可能だ。しかしこの場合も、最終的な意思決定権はあくまでオーナーである出資者にあることに注意しなければならない。

設立する事業体は、株式会社のほか、NPO法人や組合などさまざまだ。株式会社は、出資率で議決権が変わるため意思決定権の問題が生じるが、LLP(有限責任事業組合)やNPO法人(特定非営利活動法人)は、出資率よりも個々の意見が重視される。

そのため出資者と経営者が対等な立場で経営したいと考えるならば、LLPやNPO法人を設立することも一つの方法だ。LLPやNPO法人は、株式会社に比べて低コストで設立できるメリットもある。

個人事業で共同経営

お互いに個人事業主として共同経営をするというパターンも存在する。しかし、個人事業で経営者として同等の立場を維持するには、売上や経費を按分しなければならない。取引先との契約や資金のやり取りなどが複雑化するため、実務上、個人事業主の共同経営は実現させにくい。

どうしても個人事業で共同経営をしたい場合、一人が個人事業主となり、そのほかは従業員になったり業務委託契約を結んだりするという方法もある。ただし、経営責任は個人事業主に帰属するため対等な関係にはなりにくく、共同経営の形を維持していくことが難しくなる。

個人事業主で共同経営する方法には、以下の2つの方法が考えられる。

  • 代表者が個人事業主となって「下請契約や業務委託契約を結んで他の者が協力する方法」
  • 代表者が個人事業主となって「他の者は従業員として働く方法」

いずれにしても法人として組織された経営方法ではなく、同じ考えを持った者が共同で事業をするという形態にすぎない。ただし法人化を目指す前段階として共同事業を行うケースは多いだろう。

共同経営の始め方

共同経営を行うと、単独での起業・経営よりもビジネスの幅は大きく広がることになる。しかし、共同経営はいいことばかりではなく、生じ得るトラブルも大きくなる。トラブルを減らし、共同経営をうまく行うためには、資金や役割分担、決定権、報酬などをはじめとするルールについて明示しておくなど、事前にしっかり準備をしておく必要がある。ここでは、共同経営を行うために必要な書類や手続きについて解説していく。

まず、共同経営を始める前に重要な項目についてはしっかり話し合い、あらかじめルール化しておきたい。これらがあいまいだと、誰の仕事なのかわからなくなったり、指揮命令系統が崩壊したりするので、明文化は必須である。

重要な項目とは、それぞれの出資金額・報酬・肩書き・担当分野・責任と権限・利益分配の方法や意思疎通の方法、意見に相違がある場合の決め方、引退するときや契約を解除する場合の取り決めなどである。

共同経営者には「対等」というイメージがあるが、意見が合わなくなると会社が停滞してしまうため、「対等」な条件は避けておいたほうが無難だ。

共同経営を始める際には、「共同経営契約書」を作成し、それぞれが保管しておく必要がある。共同経営契約書は必ず作成しなければならないものではないが、会社の定款などには記載されないような細かい事項について、トラブルが起こった際の解決の指針となる。契約書は定期的に見直し、必要に応じて改変して、常に最適な内容にしておく必要がある。

出資比率に応じて決定権が左右される

先に述べたように株式会社の場合、出資比率の大きい人のほうが意思決定の権限を持つため、出資割合に応じて意思決定権の範囲や効力が異なる。出資比率が同率、つまり折半であれば対等な関係が築けるかもしれない。しかし反対の意見が出ると意思決定に時間がかかり、企業の方針がまとまらないことがある。

・1人だけが出資率100%
この場合は、1人だけが出資者となりオーナーとなる。最終的な意思決定権は、オーナーが持つことになるが、出資だけして実務は共同経営者に任せるケースも多いだろう。

・1人の出資率が過半数以上(50.1%以上)
これは、共同経営者同士で話し合って事業を行うにしても会社の方針がまとまらないときを考えて、出資比率の多い者が意志決定できるという方法となる。

・それぞれの出資率が均等(または50.1%以下)
営業・開発・経理など、業務を分担するケースでは、それぞれの出資率を均等にするケースもある。どの業務も重要な業務であり、役割分担を明確に定める必要がある。ただし、お互いの意見が一致しなければ先に進まないという一面もある。どの方法がよいとは一概には言えないが、お互いが協力することができなければ、共同経営が成功に近づくことはないだろう。

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共同経営の6つのメリット

共同経営には、非常に多くのメリットがある。通常は孤独な経営者が2人、3人になるのだから想像しただけで大きなメリットがあることは想像できるだろう。ここからは、共同経営のメリットを見ていこう。

メリット1.資本金が増える

会社を設立する際は、株式会社の場合は発起人が資本金を振り込み、株式を引き受ける。経営者以外の人が投資家として発起人になる場合もあるが、日本においては一般的ではない。共同経営者が増えれば、当然ながらより多くの出資金が集まることになる。経営者は継続的に利益を出すことを求められるが、多くの資本金があれば資金繰りの面でも有利なので、機動的な経営ができるようになる。

メリット2.不得手な部分を補い合える

経営者であっても、万能ではない。しかし、経営者は会社に関するすべての事象に対応しなければならないため、取引先や従業員からは高い能力を求められることが多い。優秀な従業員をヘッドハンティングしたり、経験豊富なコンサルタントと契約したりすることも考えられるが、起業したばかりの頃は経営資源が限られるだろう。たとえば営業が得意な人、経営管理が得意な人、技術分野に長けている人が共同経営者になることで、シナジー効果を期待できる。

共同経営をすることで効率的な業務の運営が可能となる。役割分担を決めておけば、それぞれが自身の得意分野に集中できるようになるため、単独で事業を行うよりも経営の効率化・多角化を図ることが可能となる。

メリット3.就業不能のリスク回避

起業したばかりの頃は従業員が少なく、何かトラブルなどがあれば経営者自身が対応しなければならないことも多いだろう。元気なうちはいいが、事故や病気などで就業が難しくなってしまった場合、数週間の休業だとしても会社の経営が傾きかねない。そんなときに共同経営者がいれば、一時的に自身の業務を代行してもらうことができるので、経営への影響も最低限に留められる。

メリット4.メンタル面のサポート

起業にあたって借入をすれば、連帯保証人にならなければならない。画期的なアイデアやある程度の資金を持っていたとしても、起業にはかなりの勇気が必要だろう。従業員という立場であれば、トラブルがあっても会社が最終的な責任を負うが、経営者になればすべて自分で責任を負うことになり、少なからずストレスがかかるだろう。共同経営者という同じ立場の人間がいれば、そのストレスもある程度は緩和されるはずだ。

「経営者は孤独」と言われる。顧問税理士や顧問弁護士、コンサルタントが相談相手になることが多いが、同じ立場ではないため、本当の意味で気楽に相談できる相手ではない。一方、共同経営者は同じ目的と立場を共有しているため気軽に相談でき、心強い存在と言える。

メリット5.客観的な判断ができる

共同経営の企業はワンマン社長の会社とは違い、経営者の暴走が起こりにくいと言われている。ここで言う経営者の暴走とは、周囲は明らかに失敗すると思っているにもかかわらず、ワンマン経営者だけが1人で盛り上がり、会社のリソースをいたずらに使いつぶすような行動である。

成功すれば敏腕経営者と呼ばれることになるだろうが、失敗すれば以降の経営に大きな影を落とすし、従業員からの信頼も失ってしまう。しかし、共同経営者がいれば、このような暴走が起こることはなく、冷静かつ客観的な判断ができる。

また社内に対等な立場で協力できる存在がいれば力強いのは間違いないだろう。自分一人では思いつかないことをほかの共同経営者が思いつくこともあれば、自分の判断が間違っていることを気付かせてもらうこともある。

意思決定の際に共同経営者同士で話し合ったり相談したり助言を得たりすることも可能だ。共同経営では、経営が独りよがりになることやワンマン化することを防ぐことができる。客観的な判断が必要なとき迷いが生じた際には、共同経営者が心強い味方となるのだ。

メリット6.多様なコネクションを活用できる

共同経営では、共同経営者それぞれの人脈を共有してビジネスを行うことができる。経営者の人脈の広さは、ビジネスのポテンシャルの大きさと言える。1人で事業をスタートし、人脈やコネクションを広げていくのは容易ではない。それぞれが特徴ある人脈を持っていれば、その人脈同士のコラボレーションによって、新たなビジネスを創出することもできるだろう。

共同経営の5つのデメリット

共同事業は、メリットばかりではない。単独経営では起こり得ないような問題が発生することもある。どのような問題が起こりうるかは事前に把握し、備えておきたい。

デメリット1.意思決定の遅れ

共同経営者の意見が合致している場合、スムーズに会社経営を行うことができるが、共同経営者全員の同意が必要な体制の場合、意見が合わないと意思決定が遅くなる。共同経営者の意見が合わないと、従業員にも派閥が生まれ、会社が分裂することにもなりかねない。それが、さらなる意思決定の遅れにつながるという悪循環に陥ってしまう。

デメリット2.仕事量の偏りによる不満

共同経営者の仕事量に偏りがあると、不平不満が生まれやすくなる。経営者も人間なので、自分ばかり損をしているような気持ちになれば、関係がギスギスし始める。また仕事量が多いと、お互いに過剰に気を遣って、気軽に休暇も取れないような状況になってしまうこともある。そのような状態になれば、お互いに疲弊してしまうだろう。

デメリット3.方向性の違い

一時のノリなどで共同経営者を決めてしまうと、どこかで必ずほころびが出てくることになる。よくあるのが経営方針の違いで、たとえば一方が全国展開で店舗数を増やしていこうと考えていて、他方が地域密着で堅実な経営を目指している場合、方針の相違は避けられない。
共同経営は性格や理念、価値観、経営方針など、多くの部分が一致していなければうまくいかないだろう。

共同経営の関係を解消しようと考えたときにもトラブルが生じることがある。実際に設立当初は共同経営者同士協力して事業に取り組んでいたが、会社が大きくなるにしたがってお互いの経営方針にくいちがいが生じ、仲違いして会社が分裂するケースも多い。

特許など知的財産を所有していたり営業の権利が配分されていたりする場合、協力解消の際に事業継続できるかなど経営上のリスクが発生することになる。また従業員がいれば派閥やグループができてしまい組織が崩壊してしまうこともある。

デメリット4.金銭問題

企業への貢献は、出資だけではない。広報や営業における貢献や、商品開発や製造における貢献もある。しかし、それぞれの貢献度に応じた報酬を定めていくことは容易ではない。それぞれが自身の貢献を過大に、他人の貢献を過小に評価し、報酬の分け方でもめることになる。仮に同じ金額を配分したとしても、それぞれが自身の貢献が過小評価されていると感じてしまうかもしれない。それぞれの業務範囲が明確で、かつ評価方法も定まっていないと、経営が破綻してしまう可能性もある。

デメリット5.責任の所在が不明確

経営者が複数いれば責任の所在が不明確となり、時にはお互いの信頼関係が壊れることもある。責任のなすりつけ合いが始まれば、事業がうまくいっているときでも信頼関係が崩れ、組織の意思統一が困難になるだろう。

特に事業がうまくいっていないときには、誰の責任かがあいまいとなり、事業の立て直しが困難となれば、経営上の問題が生じることがある。共同経営では、お互いに任された分野の業務を責任持って遂行することが重要だ。責任の所在があいまいなことは、組織上の弱点となる可能性があるため、注意しなければならない。

共同経営を成功させるポイント5つ

メリットの多い共同経営だが、注意すべきデメリットもある。デメリットを最小限にとどめてメリットを最大化するには、「共同経営契約書」を作成するとともに、次の5つのポイントを意識した上で事前にしっかり話し合っておくことが望ましい。

ポイント1.関係性を明確にする

まず、お互いの関係性を明確にしておくことが大切だ。たとえば、出資比率が異なる場合、出資比率が多いほうは「当然、自分に最終的な意思決定権があるはず」と考えているにもかかわらず、もう一方は「基本的にお互いの合意の上で経営していく」と考えているかもしれない。このような食い違いがあると、議論が難航したり、関係性が悪化したりする原因になる。

また、同額を出資し完全に対等な立場だとしても、意見が割れた場合はどちらかが折れない限り前に進めない。このように「意見が食い違ったとき、どうするか」という点は、事前にしっかりすり合わせておきたい。どちらかが最終的な意思決定権をにぎる場合、出資比率を同額にするより、出資比率に差をつけたほうが、かえってトラブルを回避できることもある。

ポイント2.方向性をすり合わせる

事業のアイデアだけで共同経営をスタートさせてしまうのは非常に危険だ。事業の目的、最終的な目標と中間目標、目標達成までの期間など、方向性を十分にすり合わせておくことが成功の秘けつだ。
話し合ってみると、お互いがイメージする事業計画に大きな相違が見つかるケースも少なくない。また、事業に対する熱量の差が、のちの関係悪化につながることもある。お互いの方向性や熱量をしっかり把握し、納得感のある形で共同経営をスタートさせるようにしたい。

ポイント3.役割や業務範囲を決める

役割や業務範囲についても明確にしておくことが望ましい。たとえば、肩書や担当業務、責任範囲などは重要な項目だ。実際に経営しながら微調整していくにしても、最初にきちんと話し合っておいたほうが、トラブルになりにくい。

また、共同経営で生み出された利益をどう分配するかも重要なポイントだ。担当業務によって利益を分配するなら、担当業務を明確にしておく必要がある。また、利益を分配する際に、出資比率を考慮するかという視点もある。成果に応じて利益を分配するなら、成果をどのように評価し、分配に反映させるかというルールも、細かく定めておくようにしたい。

ポイント4.コミュニケーションの取り方を決める

創業期は、めまぐるしく毎日が過ぎていくものだ。実際に経営がスタートすると、想像以上の業務量に忙殺され、ほとんど経営者同士でコミュニケーションを取る時間がないということも起こり得る。
コミュニケーションが不足すると、方向性が食い違ってしまったり、社員も巻き込んだ派閥争いにつながったりするなど、関係性が悪化しやすくなる。「毎週土曜日の### 時から時間を確保しておく」など、コミュニケーションを取る時間を確保してルール化しておくことが望ましい。

ポイント5.必要な専門家を活用する

共同経営を成功させるには、共同経営のサポート実績のある専門家を活用することも大切だ。共同経営をサポートした経験のある専門家なら、想定されるトラブルを踏まえて有益なアドバイスをくれるはずだ。

共同経営を始める際、「共同経営契約書」を作成するのもよいだろう。共同経営契約書は、法的に必ずしも作成義務はないがトラブルが発生した際には役に立つことが多い。契約書では、決めておくべきことを躯体的に明示し、お互いの認識のずれがないようにしておかなければならない。

事業の目的や内容、経営方針、契約期間、共同経営を解消する際の手続きや持ち分処分の方法についても盛り込んでおくとよいだろう。

  • それぞれの出資金額
  • 共同経営者の報酬や肩書き
  • 担当する分野や業務内容
  • 利益の分配方法
  • 責任と所在と権限の範囲
  • 意思疎通や考え方の相違が発生したときの話し合いや対応の方法
  • 辞任、辞職するときの承継方法
  • 契約解消する際の手続きや持分処分の方法 など

契約書を作成する際やトラブルが生じた際には、必要に応じて、弁護士やコンサルタントなど経営におけるブレーンを上手に活用したい。

共同経営に似た「ジョイントベンチャー」とは

共同経営に似た形態に、ジョイントベンチャーがある。これは、すでに事業を持っている会社同士が共同で出資を行い、新たな事業を行うために設立するものである。それぞれの企業は出資比率に対して利益を受け取ることができ、両社とも経験のない分野でビジネスを行う際に活用されることが多い。

ジョイントベンチャーにも、共同経営と同じようなメリットやデメリットがある。メリットとしては、全額を出資しなくても済むことでリスクを抑えられること、提携相手のブランド力や経営ノウハウ、人材を有効に活用できることなどがある。自身のビジネスを超えた経験や実績を得ることができ、長期的な会社の発展につながる。

デメリットは、ジョイントベンチャーで得られた利益を独り占めできるわけではないことや、提携相手に自社の技術やノウハウを開示しなければならないため、それらが流出してしまうリスクがあることだ。そのため、ジョイントベンチャーを行う際は、共同経営と同じように、相手企業をしっかり調査する必要がある。

共同経営で事業を成功に導くために

共同経営をするには、まず信頼できるパートナーを見つけることが重要だ。信頼できるパートナーは、簡単に見つかるものではない。その分、信頼できるパートナーが見つかったときは、ささいなすれ違いで関係が悪化し共同経営が破たんしてしまうことがないよう、最新の注意を払って準備をすることが大切だ。必要に応じて専門家を活用することは、効果的なリスクヘッジとなるだろう。

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