矢野経済研究所
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2024年度の企業向け研修サービス市場は前年度比4.6%増の5,858億円、2025年度は同4.6%増の6,130億円を予測

~人的資本経営に取り組む企業の増加とともに、企業の教育投資は拡大する見込み~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の企業向け研修サービス市場を調査し、市場や参入企業の動向のほか、デジタル技術の進化による影響やサービス需要の変化などを踏まえた将来展望を明らかにした。

企業向け研修サービス市場規模推移・予測

企業向け研修サービス市場規模推移・予測
(画像=矢野経済研究所)

1.市場概況

2024年度の企業向け研修サービス市場規模は、事業者売上高ベースで前年度比4.6%増の5,858億円と推計した。集合研修が新人研修を中心に拡大基調で推移したのに加えて、コロナ禍において集合研修の代替サービスとなってきたオンライン研修等もこれまで研修サービスを導入したことが無かった企業の潜在需要を引き出しながら堅調に推移したことがマーケット拡大をけん引した。

サービス形態別では、主要サービスとなっているクラスルーム形式の研修ビジネス(セミナー等の公開プログラム、カスタマイズプログラム)の需要が引き続き拡大しており、新人研修をはじめ、若手・中堅社員や次世代リーダー層、中間管理職、経営幹部候補者を対象とした階層別研修、DX人材を対象とした研修などが概ね好調に推移している。
特に、2022年度(2023年3月期)決算より開示が義務化された人的資本経営は教育投資ニーズを大いに刺激する役割を果たしており、経営層や経営幹部候補となる次世代リーダーを対象に教育投資を拡大する動きが活発化し、サクセッションプラン(後継者育成計画)に対応した研修サービスの需要が引き続き拡大している。

2.注目トピック

教育投資の動きは人的資本経営に取り組む企業の増加とともに、堅調に推移

企業向け研修サービス市場は、企業の旺盛な人材採用意欲を背景とした新人研修ニーズの高まりがプラス成長の鍵となり、市場を拡大してきた。
また、就労人口の減少を背景に、現有社員のより一層の戦力化に向けた取り組み[次世代の経営幹部等を対象とした育成や定着(離職防止)を目的とした人材育成]も高水準で推移しており、研修サービスの利用を促進するドライバー(理由)の役割を果たしている。
いずれも景気が比較的安定する中で、業績好調な企業を中心に人材採用・人材育成の予算を拡大してきた。
また、ここ数年は国が強力に推進する人的資本経営に取り組む企業が増え、教育投資を拡充していることも、マーケット拡大を後押しする要素となっている。このような従業員の能力向上や次世代人材の育成、組織力強化に向けた企業による教育投資の動きは今後も継続していくとみられ、堅調に推移していくものとみる。

3.将来展望

企業向け研修マーケットは人的資本経営に取り組む企業の増加に合わせて引き続き拡大が見込める状況にあることから、2025年度の企業向け研修サービス市場は前年度比4.6%増の6,130億円に拡大すると予測する。

調査要綱

1.調査期間: 2025年4月~7月
2.調査対象: 企業向け研修サービスを展開している事業者
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・FAX等によるアンケート調査、ならびに文献調査併用
<企業向け研修サービスとは>
本調査における企業向け研修サービスとは、企業向けに「事業」として実施される研修・教育のことであり、自社内の研修部署による自社社員の教育は含まれない。ただし、研修子会社により、親会社またはグループ会社向けに実施される研修サービスは「事業」として含める。
研修形態としては、クラスルーム形式(公開プログラム、カスタマイズプログラム)や通信教育、eラーニング、組織診断・アセスメントなどを対象とした。但し、「教材」に関しては、「クラスルーム研修」「通信教育」に予め組み込まれていない限り、含まない。
<市場に含まれる商品・サービス>
企業向け研修サービス

出典資料について

資料名2025 企業向け研修サービス市場の実態と展望
発刊日2025年07月30日
体裁A4 849ページ
価格(税込)198,000円 (本体価格 180,000円)

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