MyDearest、朝日新聞社と資本業務提携。約3.3億円を追加調達 - 企業向けVR/MR事業加速へ

オリジナルIPのVRゲーム開発・パブリッシングを手がけるMyDearest株式会社(東京都中央区)は、シリーズC追加ラウンドで約3.3億円の資金調達実施を発表した。本ラウンドには、株式会社FFGベンチャービジネスパートナーズ、アイザック株式会社、株式会社朝日新聞社、阿波銀キャピタル株式会社および他1社が参加しており、シリーズCの累計調達額は約15億円となった。なお、累計資金調達総額は28億円超えとなる。

また、今回の資金調達と同時に、同社は株式会社朝日新聞社との資本業務提携を締結したことを明らかにした。本提携は、MyDearestが持つ高いVR/MRコンテンツ制作力と、朝日新聞社が全国紙として培った報道・教育・文化ネットワークおよび豊富なIP・デジタルアーカイブを組み合わせることで、ゲーム以外のVR/MRコンテンツ制作やソリューション提供事業を加速させる狙いがある。

【XR領域における資本業務提携】関連記事
「XR✕資本業務提携」記事一覧

資金調達の主な使途

今回調達した資金は、主に以下の二つの戦略的な事業拡大に充当される計画。

北米のα世代向けVRゲームIP展開の強化

Meta Questの主要ユーザー層とされる北米の10代前半から中盤の「α世代」に向けたVRゲーム開発およびIP展開を強化する。MyDearestの直近タイトル『Crowbar Climber』『Chained Escape』『Devil's Roulette』は、全世界累計プレイヤー数が合計50万を突破しており、その約7割を米国ユーザーが占めるなど北米市場で手応えを得ているため、この成功を踏まえ、2025年内には10本以上のVRタイトルをリリースし、米国のα世代へのリーチをさらに強化する方針。

企業向けVR/MRソリューション提供事業の拡大

企業や自治体向けにVRコンテンツ制作、ソリューション提供、VRChatワールド構築などをワンストップで行う「VRあそび事業部」の事業拡大を図る。昨年11月に立ち上げた本事業部について、調達資金をもって開発体制を拡充し、事業規模の拡大を目指す。

朝日新聞社との資本業務提携の狙いと共同取り組み

MyDearestと朝日新聞社との資本業務提携は、MyDearestのtoC向けVRゲーム開発で培われたVR/MRコンテンツ制作力と、全国紙として報道・教育・文化分野で広範なネットワークおよび豊富なIP・デジタルアーカイブを保有する朝日新聞社の強みを掛け合わせることを目的としている。

本提携に基づき、両社は以下の領域で共同での取り組みを進める計画。

・朝日新聞社グループが保有するIPを活用したVR/MRコンテンツやプロダクトの共同研究・開発
・朝日新聞社が注力する教育、観光、文化分野に関連するVR/MRコンテンツやプロダクトの共同研究・開発
・将来的な報道事業におけるXR技術の活用を見据えた研究・開発

事業拡大を支える人材採用の強化

これらの事業拡大計画を推進するため、MyDearestは積極的に人材採用を強化している。自分のクリエイティブを世界に展開したいクリエイターや、企業向けXRコンテンツ制作に関心を持つ人材の応募を歓迎しており、特にリードエンジニア、クライアントエンジニア、グラフィックスエンジニア、アートディレクター、コーポレートマネージャー/管理部長、経営企画といった職種を中心に募集している。

> 採用ページ

MyDearest株式会社の概要と実績

MyDearest株式会社は「人生を変えるような物語体験をつくり、届ける」をミッションに掲げるエンターテインメントスタートアップ。2016年4月の設立以来、オリジナルIPのVRゲームを中心に開発・パブリッシングを行い、『東京クロノス』、『ALTDEUS: Beyond Chronos』、『8番出口VR』、『Brazen Blaze』などのタイトルをリリースしている。これらの作品はQuest Storeでユーザー評価世界一を獲得するなど高い評価を得ており、国内外で数々のゲームアワードを受賞している。また、昨年11月には企業向けのVR/XRコンテンツ制作およびソリューション提供を行う「VRあそび事業部」を立ち上げ、toB分野での事業も展開している。

・会社名 : MyDearest株式会社 (MyDearest Inc.)
・所在地:東京都中央区日本橋馬喰町2丁目7-15 ザ・パークレックス日本橋馬喰町 5F
・設立:2016年4月
・代表:代表取締役CEO 岸上健人

> MyDearest株式会社