冷凍宅配弁当を手掛けるナッシュ。利用者の更なる拡大を進めるべく、既存の商品よりも付加価値の高い商品の投入や、内容量の増量、新メニューの追加などを進めている。将来的には、実際に商品を試せる場を設けることも検討しているほか、将来的には海外展開も視野にあるという。広報担当に聞いた。
ナッシュは2018年から冷凍の宅配弁当サービスを開始した。それ以前は広告会社だったが、田中智也社長が生活習慣病などの予防につながるサービスを行いたいという思いからスタートしたという。そのため商品設計は、糖質は30g以下、塩分は2.5g以下など、独自の基準を設けている。
商品は自社工場で製造しており、2022年から稼働を開始した兵庫県尼崎市内の工場は月間750万食を製造しているという。管理栄養士や専属シェフが在籍し、栄養面だけでなく見た目や味にもこだわったメニュー開発を行っているようだ。
現在の利用者は、10~30代が多く、全体の約6割を占める。世帯人数は1~2人が最も多くなっており、最近ではファミリー層からの利用も増えつつあるという。
食数は2024年6月時点で9,000万食に達した。会員数については「順増していて、累計の販売食数は加速度的に上昇しているような形」(広報担当)と話す。
現在は商品のボリュームアップを進めている。利用者からの「味は良いものの満足感が少ない」などの声を受けて進めている。糖質30g以下・塩分2.5g以下の設計はそのままに、平均製品重量を230g以上にすべく改良に取り組んでいる。
プレミアム商品の投入も進めている。追加料金を支払うことで注文できる商品で、現在は「『三代目たいめいけん監修』デミソースのハンバーグ」や「鰻の出汁茶漬け~ひつまぶしの3杯目~」などを販売している。
提案を進めている理由について、広報担当は「今のコア層である若年層とは別の層にもアプローチすべく、付加価値商品の提案を進めている。商品の幅を広げられると共に、お客様からも満足していただけている」と話す。販売は計画通りに推移し、想定していた40~50代からの利用につながったようだ。
また、「普段のメニューでは値段の兼ね合いで使えなかった食材もあったが、シェフそれぞれのこだわりを反映できている」と語る。
今後については、40代以上へのアプローチもより強めたい考えだ。広報担当は「シニア層も獲得していきたいが、現在のメニュー構成ではなかなか難しい。今後は少子高齢化によって高齢者の方はすごく増えるので、シニア層に受け入れてもらえるような商品も検討したい」と話す。
さらに、将来的には海外展開も視野に事業を進めていくようだ。
〈冷食日報2024年10月2日付〉