マルコメ、あおさの陸上養殖試験設備
(画像=マルコメ、あおさの陸上養殖試験設備)

マルコメは7月10日、7種の新商品を含む「マルコメグループ2024秋冬ご提案会」を都内で開催した。

みそ汁の具材として使用するあおさの陸上養殖試験設備を愛媛県西予市に開設、24年9月から出荷する予定を明らかにした。「生みそ汁 料亭の味 あおさ8食」の一部を陸上養殖あおさへ切り替えていくため、最終的な品質チェックに入っているという。

あおさは高い海水温に弱いため、海面養殖では主に寒い時期に収穫されるが、陸上では通年収穫も可能となる。単位面積あたりの収量も海面養殖と比べて多く、期間も短いなどメリットも多い。今後も段階的に増設、27年度までには年間収穫量14tを目指すとしている。海面養殖と共存し得るあおさ自体の外販も視野に入れているという。

会場で取材に応じた青木時男社長はみその輸出状況について、「順調だ。農水省による加工食品の輸出促進戦略にみそも選定された。弊社の青木副社長はジョージタウン大学でみその講義や、食のハーバード大学と言われるCIAニューヨーク校で初となる糀に関する講義を実施して、発酵食品の理解促進に動いている」と話し、発酵食品全体のプロモーションを公の場で展開していることなどを明らかにした。

マルコメ・青木秀太副社長
(画像=マルコメ・青木秀太副社長)

青木秀太副社長は海外での活動について、「ジョージタウン大学はワシントンにあり、政策の決定者が集まっている場所で、省庁など公の関係者が多い。食料安全保障などに関心のある人に対して講義をさせていただいた。国民の空腹を満たすだけでなく、健康であるための食品として、日本の発酵食品が、非常にポテンシャルが高いのではないかと注目されている」とし、日本の発酵食品に対する注目度に手応えを感じているようだ。

アジアでの展開では、ベトナムの食品スーパー約1,200店舗、カンボジアの大手CVS約100店舗に、紙パッケージに変更した即席みそ汁8食の採用が大幅に増加し、23年度の両国の実績は前期比で約36%増となった。また、マレーシアでは外食向け顆粒みそ100食シリーズが500万食突破し、前期比で60%増と伸長していることなどが示された。

〈液みそ「ど・みそ監修の濃厚みそ」や「超万能だいず肉みそ」などラインアップ〉
新商品は9月から順次発売する。液みそ「ど・みそ監修の濃厚みそ」や、トップアスリートの食事をサポートする加藤超也シェフ監修の「超万能だいず肉みそ」を新発売する。加えて、「糀美人」からは初となる即席とん汁(4食)を投入し、調理みそには、ゆずみそを加えた。かねさブランドの「しょうがみそ」、「大豆粉のパンミックス」、菰田欣也監修の辛さ控えめの麻婆豆腐の素も発売する。

液みそ「ど・みそ監修の濃厚みそ」は、人気味噌らーめん専門店「ど・みそ」が監修したみそだ。5種類のみそと豚や鶏ガラの動物系だしと、鰹や煮干しの魚介系だしに、にんにく、生姜など、後から痺れるスパイス感をきかせたとしている。ラーメン以外にも野菜炒めや鍋料理にも使用できると提案する。

マルコメ「ど・みそ監修の濃厚みそ」
(画像=マルコメ「ど・みそ監修の濃厚みそ」)

「超万能だいず肉みそ」は、原材料には「生みそ糀美人」、「国産大豆のお肉」、「糀甘酒」、「糀みつ」を使用している。「栄養バランスと、さまざまな料理にもアレンジできる味にとことんこだわった」(同社)。担々麺だけでなく、冷奴やおにぎりなど、いろいろな料理に使いやすい味わいに仕上げている。

マルコメ「超万能だいず肉みそ」
(画像=マルコメ「超万能だいず肉みそ」)

〈大豆油糧日報2024年7月12日付〉