資金調達とは 企業経営に不可欠な資金調達には様々な方法があります。どのように安全かつ効率的に資金を調達すれば良いのか、本記事では、資金調達の方法や具体例、リスクへの対応などわかりやすく解説します。

日本M&Aセンターは、M&Aを通じて資金調達など様々な経営課題の解決を専門家チームがご支援します。詳しくはコンサルタントまでお問合せください。

資金調達とは?

資金調達の意義と役割は以下のように説明できます。

成長と拡大

資金調達は、企業の成長と事業の拡大を実現するための重要な手段です。新しいプロジェクトの開始や新規市場への進出、設備投資など、成長に必要な資金を調達することで、企業は事業の規模や市場シェアを拡大することができます。

経営の安定

資金調達は、企業の経営の安定性を確保するためにも重要です。適切な資金を調達することで、経営に必要な運転資金や経費を賄うことができます。また、予期せぬ出費や困難な経済状況に対しても備えることができます。

投資とイノベーション

資金調達は、企業が新たな投資やイノベーションを行うための基盤となります。研究開発や新技術の導入、新製品やサービスの開発などに必要な資金を調達することで、企業は競争力を維持し、市場の変化に対応することができます。

リスク管理

資金調達は、企業がリスクを管理するための手段でもあります。適切な資金を調達することで、予期せぬリスクや経済の変動に対しても柔軟に対応することができます。また、資金調達によって借入金を返済することで、負債のリスクを管理することも可能です。

業績向上と株主価値の向上

資金調達によって企業の業績が向上し、株主価値が向上することが期待されます。資金調達によって新たな事業機会を追求したり、競争力を高めたりすることで、企業の収益性や成長性が向上し、株主にとっての投資価値が高まります。

資金調達は、企業の成長や拡大、経営の安定、投資とイノベーションの促進、リスク管理、業績向上と株主価値の向上など、企業にとって重要な役割を果たします。

資金調達の主な方法

資金調達の手段や条件は、企業の規模や業界によって異なる場合があります。資金調達にはリスクや費用が伴うため、企業は慎重に計画を立てる必要があります。 資金調達の方法には、金融機関等からの融資、株式の発行などがあります。それぞれの特徴をご紹介します。

金融機関からの融資

銀行など金融機関からの借り入れです。銀行は利子を受け取りながら、一定期間内に借りたお金を返済することを求めます。融資は、企業が迅速に資金を調達するための手段であり、銀行の信頼性や企業の財務状況によって融資の条件が決まります。

具体例 メリット デメリット
・金融機関から融資を受ける。
・金融機関やノンバンクのビジネス
ローンを利用する。
・借入先候補の選択肢が多い。
・返済計画が明確である。
・返済の義務がある。
・企業の信用力が問われる。

株式の発行

株式の発行は、企業が株主に対して株式を売り出し、その代わりに出資金を受け取る方法(増資)です。株主は企業の所有者として権利を持ち、将来の利益の一部を分配されることがあります。株式市場との関係性も重要であり、企業の株価や業績によって株主の評価や投資意欲が影響を受けます。

株式の発行や債券の発行は、企業の所有権や負債を増やすことになるため、株主や債権者との関係や財務状況を考慮する必要があります。

具体例 メリット デメリット
・投資家から出資を受ける。
・ベンチャーキャピタルから出資を受ける。
・第三者割当増資を行う。
・返済の必要がない。
・ファンドなど出資者から経営の
専門的なアドバイス、リソースの提供を期待できる。
・出資者が経営に
干渉する可能性がある。

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資産の現金化(アセットファイナンス)

不動産や売掛債権など、企業が保有する有形・無形資産を売却し、資金調達する方法です。

具体例 メリット デメリット
・不動産を売却する。
・商標権を売却する。
・債権をファクタリング業者に
買い取ってもらう。
・買い手が見つかれば、
迅速に資金調達ができる。
・売却可能な資産が必要。
・周囲に売却が知られることで企業
イメージ低下の懸念がある。
・売却時に手数料がかかる。

補助金や助成金の活用

国や一部の地方自治体は、事業者向けの補助金・助成金によって、中小企業の資金調達を応援しています。企業の規模や事業内容、資金の利用目的などに細かな条件があるものの、補助金・助成金は原則的に返済の必要がありません。

具体例 メリット デメリット
・ものづくり補助金、小規模事業者
持続化補助金などの補助金制度を活用する。
・創業助成事業などの
助成金制度を活用する。
・返済の必要がない。 ・補助金は採択されない可能性
もある。
・入金までに時間を
要する場合が多い。
・入金タイミングが不明瞭な場合が多い。

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他の資金調達手段

資金調達には他にも様々な手段があります。 ベンチャーキャピタルは、新興企業や成長企業に対して投資を行い、資金調達を支援します。ベンチャーキャピタルは、経験豊富な投資家からの資金やアドバイスを受けることができます。

クラウドファンディングは、インターネット上で多くの人々から小額の資金を集める方法です。これにより、資金調達の幅が広がり、多くの人々が企業の成長に参加することができます。

これらの資金調達手段では、投資家や資金提供者との関係性やプラットフォームの信頼性を考慮する必要があります。

具体例 メリット デメリット
・ビジネス・起業系の
クラウドファンディングを活用する。
・初期コストをおさえ、多様な資金調達が可能になる。 ・目標額に達しないリスクがある。
・入金のタイミングを見込みづらい。

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